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新世界復活戦!世界に変化をもたらそう!  作者: 小泉 夢はそれになることだよ!!!
第3章 ギルド/日記編

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26 泥沼の中で喘ぐすべて ― ギルド編

夏流は前方の雪娜を見つめた。

彼の階級は英雄で、実力も能力も林月を上回っている。なぜ彼がこんなにも林月を助けるのか……


やはり、全部私のせいだろう。

こんな状況を見るのは久しぶりだ。階級の差に関係なく、ただ心で動く感情。

公会が私の手に渡った時から……やっぱり、全部私のせいなんだ……


……


自分も天使族なのに。

兄弟姉妹は無限の自由を得ている。


天使族はこの世界で最も人数が多く、最も人気のある種族だ。

彼らは公会の中でも注目を集める存在。

私の兄弟姉妹もきっとそうだろう……


私も自由を手に入れたい。

でも、なぜ私はここで、終わりのない苦しみを受け続けなければならないのか……


言うなれば、誰もこんなゴミのようなものを引き継ごうとはしない。

兄弟姉妹はただ押し付け合うだけで、最後には私しか残らない。


いくら拒もうとも、結局は無駄なのだ……


もう、こんなものにはうんざりだ。

こんな無力な自分にも、うんざりだ。自分の狭い世界の中で卑屈に歩き回るだけ……


夏流は拳をぎゅっと握り、傍らの雪娜を見つめた。


ゆっくりと深く息を吸い、目の前の少女に向かって言う。


「ごめん、すべては俺のせいだ。

俺は公会の管理者だから、つまり、すべて俺のせいで……」


夏流が続けようとしたその時、雪娜が呼び止めた。


「大丈夫、あなたのせいじゃないわ。

変えたいって思ったんでしょ?でも方向が見つからなかっただけ。

こうなったのは、あなたのせいじゃない。私はそう思っているわ!」


雪娜は続けた。


「言うなら、あなたは縛られていただけでしょ?

もう十分、耐えたでしょ?」


夏流は両手をぎゅっと握り、低く呟いた。


「ええ……その、質問してもいいですか?」


「どうぞ、何かあるの?」


「本当に目の前の男と公会を作り、共に生きていこうと思ったのですか?

どうやってそうすることができたのですか?それとも、何か理由があったのですか!?」


雪娜は夏流の言葉を聞き、少し黙って考えた。

そして林月を見つめ、そっと微笑んだ。


「いわゆる契約ってやつね……そんな感じかしら。

私と林月、確かにあの時契約を交わしたの。


どう説明すればいいかしら……その時の私は、生き続ける目的を失っていた。

名目上は契約だけれど、実際は彼が私をあの深淵から引き上げてくれたのよ。


表面だけ見れば、私たちはただの友達かもしれない。

でも、私たちにとって、それは言葉のいらない、裏切れない関係──

何があっても、必ず相手のそばに立ち、手を差し伸べる友達なの。」


「そう言うけど、本当にそれだけなの?

言い換えれば、なぜあんなにすぐ林月に同意したのか……


ま、いいか……


契約と言えば、林月は最初に契約したかった相手じゃなかったの。

というか、間に合わなかった……ま、いいわ。」


「ふーん……そうなんだ……」


「……うん……そうね……


さあ、これでいいわ。

あとは私に任せて。


このクズみたいなすべては、私に任せなさい。

夏流、あなたはすべてを自分ひとりで背負い込む必要はないし、ここにずっといる必要もない。


あなたはちゃんと、このすべてを楽しむべきだ。

だって、人の一生はそんなに短いのだから。

多くのことは、一度終わってしまえば、もう後悔する時間は戻ってこないのよ。」


雪娜は林月のそばへ歩み寄り、微笑みながら言った……


しかし、その時の雪娜は、まるで心に秘めた思いを持っているかのように、冷たい心の奥深くにそれを隠していた……


「さあ、すべてを終わらせなさい。

あなたも、すべてを救ってほしい。泥沼に囚われた人々を救って……お願い……」


夏流は横へ歩いていく雪娜を見つめ、ゆっくりと口を開いた。


「うん、任せろ、バカ天使!!」


雪娜は手を掲げた……


……


その時、夜唯が手にした刀を取り上げ、林月や天使を嘲笑おうとしたが、雪娜がそれを制止した。


「ねえ、バカ、もうすべてを終わらせる時でしょ。

あなたは私の公会仲間たちに何をしたの!?」


雪娜は冷たく言った。


「ふん、お前はあの0階級の男の女か。

やっぱりお前って、女に世話されて生きてるだけで、全然成長しないんだな。

女に守られなきゃならないなんて、哀れすぎるぞ!!」


夜唯は林月を指さして笑った。


周囲の人々も笑い始めた……


林月は歯を食いしばり、前を見つめ、どう答えればいいのか分からずにいた——


雪娜は林月のそばへ歩み寄り、その手を取り、林月と前方の人々に向かって言った。


「どうしたの?何か問題でもあるの?

何か間違ってるの?


女に守られて、どうして軽蔑されるの?

何が悪いの?


それで誰かの“自分の価値を確かめる基盤”が揺らいだの?

くだらないわ。


いちいちあれこれ考えないで。

結局、性別の話でしょう?


私は女よ、そう。

やりたいことをやるのは、私の自由でしょ。

もし力が特定の誰かだけのものじゃなくて、弱さが誰にでも許されるなら——

過去に人を格付けして、嘲笑して、踏みにじってきた基準なんて、全部意味を失うのよ。


守られることは尊厳を捨てることじゃない。

他人を守ることだって、優しさを失うことでも、見下されることでもない。


本当に不安なのは、女が前に立つことじゃない。

世界が、自分の慣れ親しんだルール通りに回らない現実を、受け入れられない人たちなの。


誰が前で、誰が後ろかなんて、性別で決まるものじゃない。

恥じる必要もない。

そもそも、そんな必要なんてないの!!」


雪娜は大声で叫んだ……


その時、林月の目の前に立つ雪娜は、あまりにも眩しかった。

林月の心も次第にほどけ、思わず笑みが浮かぶ……


雪娜は林月の手を掴み、そのまま彼を投げ飛ばした。

精霊や天使たちの側へと、林月を放り投げ——


前方へ向かって、大声で言い放つ。


「ここは私に任せて。

あんたたち、比べ合うことしかできないバカども!

性別や階級で対立を生み出すだけじゃない!!」


周囲の人々は黙っていられず、怒号と罵声が雪娜に浴びせられた。


椅子に座っていた男がタバコを取り出し、空へ煙を吐き、軽く身を預けるようにしながら、周囲に笑って言った。


「公会か……もし本当にこうだったら、どれだけ良かったことか。

そろそろ、全部終わらせる時だな!」


傍にいた男が刀を抜き、素早く雪娜へ斬りかかる。

だが、雪娜は一瞬でそれをかわした……


「遅すぎる……

それが全力?哀れね!」


言い終えると同時に、雪娜は刀を引き抜き、一閃で男の腕を切り落とした……


鮮血が一気に飛び散り、場を赤く染める。

男は苦悶の叫びを上げた……


さらにもう一刀。

雪娜は男の喉元を斬り裂く。


血が噴き上がり、喉元を覆い尽くす……


雪娜は人混みを跳び越え、前方の人々に向かって言った。


「遅すぎる。

あんたたちは口だけのクズよ。


実力も大したことない、階級だってまだまだなのに!!」


そう言い放つと、上から跳び降り、夜唯の側に着地した……


「終わりよ。

死になさい、小僧!!」


雪娜は氷のように冷たい声で告げた。


「そうか?

おい、ガキども!この女を殺せば、俺の公会に入れてやるぞ!

手を貸せ、バカども!!」


夜唯は大声で叫ぶ。


「おい、バカ。

お前は皆が自分と同じように、階級や私欲のためだけに——」


雪娜が言葉を続けようとした、その瞬間。

彼女の手が、自分の意思に反するかのように、止まらず震え始めた。

まるで、誰かに操られているかのように……


雪娜は手を持ち上げ、そのねじれるように回転する手を見つめる。

骨と神経が、無理やり絡め取られ、歪められていた……


「はははは……!

怖いだろう、クズ女。


お前はただの女だろ?

何様のつもりで、俺のボス・夜唯に口を利いてるんだ?

女なら大人しく家で男に仕えてろよ、哀れな女!!」


一人の少年が手を掲げ、嘲笑を浴びせた……


「それだけ?

くだらなすぎるわ!」


雪娜は吐き捨てるように言い、操られている自分の手へ、ためらいなく刀を突き立てた。

刀は手の中でねじれ、回転し続け——


次の瞬間、脇の大動脈から大量の血が噴き出した……


雪娜は刀で手を固定し、力を込めて引き抜く。


「その程度?

あんたの力なんて、私の刀で斬った方が早く血が噴くわ。

本当に哀れね!!」


言い終えるや否や、雪娜は少年の前へと一気に踏み込んだ……


刀を少年の側面へ深く突き刺し、前方へ押し出し、そして一気に引き抜く——


血は破裂した水袋のように飛び散る。

切断された手は、まだ腕と繋がったまま、血肉と腱膜を宙に揺らしていた……


さらに一刀。

断面に露出した手のひらへ刃を突き立て、張り詰めた腱膜を切り裂く——


濡れた紙を引き裂くような、不快な音が響いた。

腱膜は外側へ反り返り、残った皮膚や血管までも引き千切られる。


紫黒い血が、勢いよく噴き出した……


少年は絶叫する。

雪娜は容赦なく蹴りを叩き込み、顎下を強く踏み抜いた——


頭部は激しく地面に叩きつけられ、身体ごと吹き飛ぶ。


断裂した首から、鮮血が噴き上がり……

その血が、雪娜の服と顔を赤く染めた……


夜唯は目の前の光景に、明らかに表情を硬くした……


「いいわ。

あんたたち全員、死になさい!!」


雪娜は刀を強く握り締め、構えながら言い放った……


「くそっ、薄汚ねえ女が、何をほざいてやがる!

お前は女だぞ!強いつもりか?哀れすぎるんだよ!!」


他の者たちは怒鳴りつけ、続いて雪娜に向かって突進してきた……


向かってくる人々を見据え、雪娜は深く息を吸った。

次の瞬間、彼女も前方に駆け出した……


一刀一刀、重く、目の前の者たちに振り下ろされる……


刀は隣の男の目に突き刺さり、力いっぱい引き抜くと、目と神経が瞬時に引きちぎられた……


その時、誰かが銃を取り出し、前方に向かって撃ち始めた——

あの太った男を殺した剃り残しの男だった。


「ふんはははは……お前、この女、マジでバカだな!

0階級のアホのせいで……

最初から殺しておけばよかったのに。


お前たち女は、俺たちの遊びに従え、それができねえならこの公会はお前の言うことなんか聞かねえ。

女なんて、ただの道具だ……!」


雪娜は目の前の男の言葉を聞き、視線はさらに冷たくなる。

彼女は素早く剃り残し男に突進した……


男は笑いながら銃を構えて攻撃してきたが、すべて雪娜は瞬時に避けた。


雪娜は刀で剃り残し男の下腹部を突き刺し、力いっぱい引き抜き、重要な器官を切り落とした。

そして男の顔の前に飛び出し、刀で素早く激しく斬りつけ、まるで描くように顔に五芒星を刻んだ……


描き終えると、雪娜は素早く跳び退いた。

剃り残し男の顔は瞬時に空中で吹き飛び、血で五芒星の形が映し出された。


しかし、傍の者たちは攻撃を止めず、なお雪娜に向かって突進してきた。


雪娜は再び一刀を振るい、別の者の顔を斬りつけ、手でその顔の皮を掴み、力いっぱい引き裂いた。

血と肉が露出し、体はまだ跳ね動いていた。


雪娜は素早くあの男を掴み、壁際にぶつけた。

顔の肉が瞬間的に壁に叩きつけられ、面目が完全に潰れた。


さらに数回刀を振るい、周囲の者の手足を素早く切り落とす。

鮮血が絶え間なく噴き出し、目の前の光景はまるで血に塗られた修羅場のようだった。


雪娜の側から、一人の肥満した裸の男が飛び出してきた。

彼は素早く雪娜を抱きしめ、叫んだ。


「お前、この女、やめろ!

冷たい奴め、うるさいな!

お前らみたいな女は、毎回変態みたいな顔をするんだな、いいか?

本当にうざいんだ!」


裸男はそう言い、雪娜を抱きしめた。


「ははは……俺のこの技で、これまでお前みたいにうざい女は何人も抱き潰してきたんだ。

抱きしめたら、内臓もろとも潰れちまうぜ!!」


雪娜は顔を歪め、冷たい声で言った。


「なぜ嫌いになるかって?それは当然でしょ。

全員をお前と同じにするな。

この世界に、お前みたいなゴミのような生き方をする奴はいない。


もし全員がお前のようなら、この世界は私が死んだほうがマシだ!!」


そう言うと、雪娜は持っていた刀を裸男の内臓に突き刺し、引き裂いた。

彼女は力を刀に集中させ、男を壁に押し付け、さらに強く圧しつけた。


その瞬間、裸男は耐えきれず爆裂した。


「このまま恨みを抱いて死ね!

全員をお前みたいにするな、バカ野郎!」


雪娜は言い終えると、力を手に集めた。

手が瞬時に氷に包まれ、再び目の前の人々へと突進した。


拳をぎゅっと握り、他の者の顔を強く殴りつけ、首も同時に砕いた。


……


「お前たちも、一人ずつ終わりにしてやる!」


そう言うと、雪娜は刀を握り、刀身を氷で覆い、力いっぱい地面に突き刺した。

突き刺さった地面は瞬時に氷の床となり、周囲の者たちもすべて雪娜の能力で凍りついた。


夜唯は目の前に広がる氷の床と、散乱する屍体や血の光景を見つめた。


彼は歯を食いしばり、前方の雪娜を怒りの眼差しで見つめた。


「終わりだ。この公会はそんな場所じゃない。お前たちもくだらないことはやめるべきだ。

ただ他人を虐げ、支配するだけ……もう終わりにしろ。この公会は、今こそ再起動するべきだ!」


雪娜はそう言った。


夏流は目の前の雪娜を見つめ、感情が高ぶり、全身が震えた。

しかし今回は、彼の顔にも少しずつ表情が戻り始めた。


「うぅ……でも……君たち……これだけ助けてくれても、結局自分一人じゃ何も成し遂げられないんだ。

俺はこういう人間だから……今変われたとしても、これからはどうなる……何度再起動しても……」


夏流は震えながら言った。


その時、そばの精霊が夏流の肩をそっと叩き、優しく言った。


「何度も言わせるの?どうして自分の周りの人を信じられないの?

私たちも一緒に助けられるじゃない。全部一人で背負うな!!」


林月は夏流を見つめ、静かに微笑みながら言った。


「そうだよ、私も一緒に手伝う。だからそんなこと考えなくていいよ。

誰か分からないけど、一緒に頑張ろう!!」


「でも……俺は何もできない。ただ逃げるだけ。

それじゃ皆に嫌われ、軽蔑されるだけ……能力もない、何もできない……」


夏流は小さく呟いた。


「ふーん、それがどうしたの?私も何もできないよ、何もできなくてもいいじゃない。

どうしてこれをやるには能力が必要なの?どうして周りに認めてもらうにはできることを見せなきゃいけないの?

そんなの、最初から関係ないでしょ!!」


林月は大声で言った。


夏流は目の前の仲間たちを見つめ、表情はもはや沈んでおらず、心の中で誓うように笑みを浮かべた。


……


夜唯は前方のすべてを見つめ、緊張と怒りを帯びて言った。


「くそ女、くそ……俺のすべてをどうしてくれた?これは階級の世界だ、これがこの世界の秩序だ。お前らには壊せるはずがない、死んだ低俗な思想でこれを変えるな!!」


雪娜は黙って夜唯に近づき、冷たい視線を向けた。


「いいえ、そうじゃないわ。変な言い方かもしれないけど、一体誰がこの世界のルールで行動しなければならないと決めたの?つまり、誰がこれを決めたの……


あなたの目には、あなたもただこの世界が本来すべきことをやっただけに見えるでしょう。それは間違いじゃない……


でも、この世界は本当に永遠に道徳や規則に縛られなければならないの?規則なんて、ただ少しずつ作られて進化してきたものに過ぎないのよ。では、誰が決めたの?


確かにそれは私たちの考えや思いでしかない。でも、私たちはただあの天使を助けたかっただけで、何か悪いことをしたわけじゃない。私たちは間違ったの?」


雪娜はそう言った。


「ふん、哀れだ。口先だけで騒ぐだけか。この世界は本来こう動く、俺は低級階級のゴミを利用しただけだ。何が悪い?


お前も同じ階級の女だろう。なぜそんなことにこだわる?能力ある女なら他人のために無理に頑張る必要はない、男を利用すればいい。


この公会、この階級の女たちはみんなそうだ。低階級の女たち?遊んで捨てればいい。お前の人生は他人のために頑張る必要なんてない!!」


夜唯は大声で言った。


「うん……


でも、私は嫌だ、そんな人にはなりたくない。

この階級の世界のせいで、多くの人がすべてを苦しんだ。私も背後で生まれたすべてにもううんざりだ……


明確な目標はないけれど、努力してみたい。

かつての嫌で無能だった自分でも、ちゃんと生きたい。


だから、もしあなたが邪魔をするなら、あなたを倒すしかない!!」


雪娜は言った。


夏流は目の前の少女を見つめた。

その言葉は夢物語のようにも思えたが、彼がずっと求め、渇望していたものでもあった。


ただ……本当に成功するのだろうか?

この世界、本当に変えられるのだろうか?

これは……


「うん……雪娜を信じよう。きっとできるはず、だよね!」


林月は夏流のそばに歩み寄り、笑顔で言った。


夏流は林月を見つめ、静かに笑みを浮かべた……


……


夜唯は歯を食いしばり、怒りにまかせて手にした刀を抜き出した。


その瞬間、そばに強烈な圧迫感が伝わる。


夜唯は笑いながら言った。


「お前ら、死ね。俺は俺のやり方で生きる、たとえ負けても同じこと、これが俺だ……」


彼はゆっくりと前進し、突然加速して走り、手にした刀を振り下ろした——

刀身から黒い斬撃が放たれる。


雪娜は刀で防ごうとしたが、斬撃は突然刀に吸い込まれ、刀身は異常に重くなった。


雪娜は夜唯の方を見つめ、笑った。


「重力か……これくらいなら大丈夫!!」


しかし、次の瞬間、別の斬撃が正面から飛んできて、雪娜の目を直撃した。


鮮血が瞬時に雪娜の目から噴き出し、彼女はよろめき地面にひざまずいた。


夜唯は笑いながら雪娜の前に進み、刀を振り下ろそうとした——

その時、氷の槍が突然飛び出し、夜唯に向かって衝突した。


氷槍は夜唯の前で炸裂した……


氷が消えた後、雪娜は瞬時に跳び退いた。


彼女は空中に飛び上がり、手に氷を凝集させ、力いっぱい投げつけた。


夜唯は素早く回避し、同時に刀にエネルギーを集中させ、大きく振り上げた——

黒い斬撃が空中で凝結し、雪娜に向かって飛んでいく。


雪娜は飛び来る斬撃を見つめ、足で空中を蹴り、素早く避けた。


避けながらも前進を続け、右手で能力を発揮し、氷を手中に集める。


次の瞬間——

雪娜は夜唯の上空まで一気に飛び、右手に集めた氷を思い切り夜唯に叩きつけた。


夜唯は迫る雪娜を見上げ、刀を突き出し、重力の力を集中させて雪娜に放つ。


雪娜は迫る重力を見据え、手を前に突き出し、自分の身体と腕で重力を受け止め——

そのまま夜唯の顔面に勢いよくぶつかった。


雪娜の手が夜唯の口元上部に強く当たる。


夜唯は回避できず、衝撃と重圧で口が裂け、鮮血が飛び散り、顔も引き裂かれた。


夜唯は吹き飛ばされ、必死に地面を掴もうとするが、舌や歯はすでに壊れ、血が止まらず、支えることはできなかった。


雪娜は傍らに着地し、刀を握り、背を思い切り振り下ろした——

刀背が夜唯に直撃し、再び吹き飛ばす。


夜唯は地面を擦りながら、壁に激突し、摩擦で鮮血が再び飛び散った……


最終的に、彼は壁に激しく衝突した。


全身から血と傷が噴き出していた。


夜唯は手で口元を押さえつつ、雪娜を見つめた。


「降参したか。受け入れるしかないだろ、諦めろ。」


雪娜はゆっくりと夜唯に近づき、冷たく言った。


「ははは……あり得ない。俺がこの女に負けるわけがないだろ。女に負けるなんて……あまりにも、あまりにも恥ずかしい……」


夜唯は歯を食いしばり、苦しそうに立ち上がった。


雪娜が前に出ようとした、その瞬間――


夜唯は突如として身を翻し、雪娜の前から逃げ去った。


「ちょっと……どこへ行くつもり……」


雪娜がそう口にした。


……


その時、林月の背後から突如として一本のナイフが伸び――

刃先が一瞬で林月の喉元に突きつけられた。


「なっ……!? 何だ……」


林月は目の前の刃を見て、愕然とする。


「おい、ガキ。さっさと降参しろ。目の前の女に諦めさせろ。

さもないと、お前を殺す。


言えよ。お前は0階級のガキだろ? 俺に逆らえるはずがないよな?


さっきの連中を見ただろ? あいつらは全員、俺の奴隷だ。

いや、正確には……俺より下等な連中だ。


自分の立場、分かってるよな? さあ言え、ガキ!」


夜唯は薄く笑いながら、ナイフを林月の顎と喉の間で何度も突き動かす。


「そう? だから何だよ」


林月は冷たく言い放った。


「なんでお前の言うことを聞かなきゃいけないんだ? 馬鹿じゃないのか。

俺にはお前に従う理由なんて一つもない。


階級だなんだって、俺は機械じゃない。

必ず言うことを聞かなきゃいけない理由なんてない。


もしお前の言葉が正しいなら、他人を貶めなくても成立するはずだろ?


立場が本当に正しいなら、どうして脅しや嘲笑で服従させる必要がある?


答えは簡単だ。

お前は、他人を全部“道具”だと思ってるだけだ。


俺は言わない。

お前の階級がどれだけ強かろうが、知ったことか。クソ野郎!!」


林月はそう叫ぶと、夜唯の持つナイフを掴み、力任せに引き剥がして投げ捨てた。


夜唯は目を見開き、信じられないという表情で林月を見つめる。


再び攻撃しようとした、その瞬間――

横から近づいた夏流が、夜唯を強く引き寄せた。


夜唯は夏流を見て、嘲るように笑い、その服を掴み上げる。


「へえ……お前は何がしたいんだ?


俺を倒せば、この階級、このギルドを救えるとでも思ってるのか?


俺がいなくても同じだ。

結局、管理者はお前だろ?


世界が全部お前中心で回ってると思うなよ。

お前はただの、哀れな天使だ。


貴重な種族のくせに、ここまで虐げられて、嘲笑われて……

自業自得だな!!」


夜唯は夏流の服を掴みながら、罵声を浴びせ続ける。


夏流はその言葉を受け止め、無表情だった瞳に、徐々に変化が宿る。


「……そう。だから何?


私は、そういう存在。変えられない。けど……」


夏流は低く呟いた。


「は? だから何だって?


お前に世界を変える力なんてない。

お前みたいな女に、何ができる?


哀れな女が、夢を見るなよ。

過去の自分を思い出せ。資格なんてないだろ? 笑えるな!!」


夜唯の手に、さらに力がこもる。


夏流の脳裏に、過去の光景が次々と浮かび上がる――

声を上げれば罵られ、殴られ、嘲笑われた日々。


そう、私は変えられない。

でも、それがどうした?


私は、ただの私。

それでいい……


もう……知りたくない……


夜唯はさらに距離を詰め、罵倒を続ける。


「うるさいんだよ……うるさすぎる。


私がどう生きようと……」


夏流は、ゆっくりと拳を握りしめた。


「は? 何だその態度。


お前は他人の後ろに隠れる無能女だろ。


クソが、騒ぐな。


よく見ろ、この世界を。

家族に捨てられたお前を、誰が助ける?


何も得られないんだよ。

哀れな女が!!」


夜唯は夏流の襟元を引きずり回す。


その最中、夏流の口元から、血がゆっくりと流れ落ちた……


夜唯は夏流の体を持ち上げる。


その瞬間――

夏流は夜唯を睨みつけ、眼光が一変した。


「……もういい。


終わりにしよう。


死ねよ。ずっとグダグダ喋って、つまらない。


私は私のやりたいようにする。

もう、うんざりなんだ。


同じことを何度言えば気が済む?

私を馬鹿にするな。


もう聞き飽きたんだよ……消えろ!!」


夏流の怒号と共に、背中の翼が一気に広がった。


皮膚が裂け、血が噴き出し、

骨が砕け、増殖する音が響く。


夏流を掴んでいた手から血が滲み、

皮膚が焼けるように溶け始める……


夏流は夜唯を見下ろし、低く告げた。


「……もう離せ。クソ野郎」


その気配は、まるで別人だった。


夏流は夜唯の手首を掴み、力を込めて押し下げ――

一気に引き剥がした。


夜唯は悲鳴を上げ、地面に叩きつけられ、両手を押さえて転がる。


夏流は、ゆっくりと夜唯へ歩み寄る。


その時――

夜唯は突然立ち上がり、拳を握りしめた。


「うるせえんだよ! 死ね!!」


夜唯は全ての力を拳に集中させ、夏流へ叩きつける。


攻撃は斬撃となり、一直線に放たれた。


夏流は瞬時に避けるが、斬撃が頬と口元をかすめる。


「……ッ」


口元に、一本の傷が走った。


追撃しようとした夜唯の前に――

夏流は一気に踏み込み、夜唯の顔と両目を押さえつけた。


視線を突き刺すように向け、雰囲気が完全に変わる。


周囲に、恐怖と圧迫感が広がっていく。


「終わりだ。


私は、もう倒れない。

死ね……

低能……

畜生……

そのまま……死ね……死ね…………!!」


……


その時、夜唯は目を閉じた。再び目を開けると、目の前には長い髪の少女が立っており、背を向けていた。


周囲にはたくさんの花が咲き誇り、まるで庭園のようで、花の香りが漂い、そよ風が静かに吹いている。


午後の午後、なのに、なぜここにいるのだろう……


夜唯は少女を不思議そうに見つめた。どこか見覚えがある気もするが、同時に説明のつかない距離感も感じる。


少女は驚いたように振り向き、嬉しそうに言った。


「わあ、兄ちゃん!ここで何してるの!?どうしたの、どうしたの!?ねぇ、教えてよ!」


夜唯は驚きで目を見開いた――妹なのか……


妹は夜唯に駆け寄り、抱きついた。


「はは、どうしたの、兄ちゃん?どうしてそんな顔してるの!?どうしたのー!?」妹は笑顔で言う。


夜唯は妹を抱きしめながら、心の中で静かに呟いた。

――妹だ、この感覚は間違いなく妹だ。でも、確か彼女はもう死んでいる……それでも、この感覚は懐かしい……


「ねぇねぇ、兄ちゃん。聞いていい?これからギルドに入ったら、どんなことをするの?どんな偉い人になるのかな?楽しみだね!だって兄ちゃんの階級、私より上だもん、絶対できるよ!!」妹は笑いながら言った。


夜唯はその言葉を聞き、驚きと恐怖、そして少し逃げ出したい気持ちさえ湧いた……


確かに、当時の俺はそんな夢を抱いていた。しかし、それもただの夢に過ぎなかった……


妹は他の階級の者によって殺され、その夜、俺は決意した。妹の復讐を果たし、この世界を変えると。


それから俺は、一歩一歩今の場所まで歩んできた。だが振り返れば、すべて間違っていた……一歩ずつ道を踏み外し、今の俺こそ、弱者を虐げ、無差別に殺す愚か者なのだ……


当時、妹を殺したのは女性だと聞かされた。その瞬間から、俺は女性に嫌悪感を抱くようになった。

今振り返れば、それも個人的な感情に過ぎず、誰も気にしちゃいない……


「え?どうしたの、兄ちゃん?なんで黙ってるの?大丈夫だよ、ずっと一緒にいるから。そんな顔しないで、はは!」妹は笑顔で言った。


「いや……違うんだ、妹よ。もし俺があんな人間になれなかったら、どう思う?もし俺がただの殺人ばかりする愚か者になったら、それでも信じてくれるか?」夜唯は尋ねた。


妹はさらに強く抱きしめ、言った。


「うん、私はずっと信じてるよ。でも、もし本当に取り返しのつかないことをしたら、ちゃんと責めて、引き戻すからね!」


夜唯は微笑み、目を閉じた……

あの時、妹も同じことを言った。俺が死の間際、彼女は抱きしめてくれた。彼女がいなければ、俺は何者でもなかった。間違っていた、でももう変えられないだろう……


夜唯が再び目を開けると、目の前には天使が立っていた。

彼は天使を見つめ、吐血して倒れた……


夏流の翼が静かに降り、夜唯を見つめ、優しく言った。


「うん、終わったよ、バカ。」


夜唯は血を吐き、低く呟いた。


「うん……ありがとう……」

そして、そのまま息を引き取った。


同時に、夏流も静かに倒れた……


「ねぇ、ねぇ……大丈夫?ねぇ!」林月は緊張した声で叫んだ。


「うん、大丈夫。ちょっと力尽きただけ……」夏流は答え、静かに眠りについた……

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― 新着の感想 ―
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