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第19話 夢

「こっちで遊ぼうよ。」


「あぁ、ちょっとまってよ。」


明るい声で遊びに誘ってくる女の子がいた。こちらのことをあまり考えていないのか一人で走り去ってしまったので、オレは慌てて追いかける。


黄色い墓押しに青色の服を着がとても似合っていた。彼女は目的地の砂場まで駆け寄ると、砂を集めてピラミッドみたいに積み重ねていった。


「これをね。水で固めると形が作れるようになるの。」


砂を集めるのを手伝わされていたオレは、彼女に砂遊びの指南を受けていた。


彼女の胸にはカニの名札がついていた。そして自分を見ると、彼女とおそろいの服でゾウの名札があった。


なんだか頭がぼーっとしているような気がするが、今は彼女といっしょに形を作ることが優先だ。


「できた!」


彼女の笑顔をみてオレはとてもうれしくなった。


「上手くできたし、中に戻ろっか。」


彼女は保育園の中に戻っていってしまった。オレは彼女の背中を追いかける。


角を曲がったところで見失ったと思ったら、オレは廊下にいて、セーラー服に身を包んだ彼女が歩いてきた。


「今日も行くんでしょ体育館。私も一緒に行っていい?」


放課後にオレは健と■■を伴って体育館に向かった。パコンパコンと快音を響かせながらラリーを続ける。3人だから失敗したら交代にしている。


自分たちだけでやっているからわからないかもしれないけど、オレ達の卓球のレベルは結構高いんじゃないかと思った。


そんな中でいつも勝ち残っていたのは彼女だった。オレと健は彼女に勝つために必死で食らいついていた。


「はい、おわりー!」


はあはあと肩で息をする。体育館の制限時間を告げるチャイムがなってたときまでオレと健は彼女を倒すことができなかった。


疲れて地面に倒れ伏す。目を瞑って呼吸を整えていると、柔道着に見を包んだ彼女はオレを覗き込んでいた。


「大丈夫?」


「うん、ちゃんと受け身は取ってたから。」


どうやらオレは彼女に投げられていたようだ。男顔負けの身長とフィジカルは高校になっても全く衰えず。オレはまだ彼女に勝てる分野を見つけていない。


「そこまで!」


担当の教師が終わりを告げると、オレは一目散に家へと帰り、勉強机についた。


机に突っ伏して目を覚ます。いつの間にか眠っていたようだ。ここは下宿先の家。大学に入ってから借りているとこだ。


でもオレはベッドではなく布団に寝ていて、ベッドには彼女がいた。


彼女は、女のときのオレにすごくよくにていた。いや似ているどころの話じゃない。オレ自身のように見えた。


なんだかおかしい。オレは今何をやっているんだけ、彼女は一体誰なんだっけ。


そんな彼女はオレが起きたことに気がつくと、部屋から出ていこうとした。いま出ていったらしばらく会えないようなきがする。


「待って。」


彼女に手を伸ばすが、空を切る。開け放たれた玄関を出ると…。




親の実家の天井が見えた。


「はあはあ、さっきのは、夢…、だったのか?」


すごく大切な何かについての夢を見ていたような気がする。しかし、夢でどんなことを見ていたかおぼろげで浮かんでこない。


昨日母の日記で双子のことを発見してから、何か重要なことが関わる気がするような夢をみた。これは偶然かもしれない。オレが心のショックが大きかったために、何かを夢見させたのかもしれない。そう考えるが、理性はそれを否定する。


もし偶然だとしたら、発見のあとの夜に初めてこんな夢を見るなんてどんな確率だろうか。もし心を守るためだったら、健や玲奈と別れた夜にはこんな夢ばかり見ただろう。


だから、何らかの必然がこの夢を見させたに違いない。夢の内容も覚えていないのに、夢が大切なことだという確信があった。


でも、その夢にどんな意味があるかはわからない。何かを失ったような気持ちになるだけで、思い出せないのはもどかしかった。


この気分を晴らすためにできることはなんだろうか。しばらく悩んだあと、オレは両親に日記を読んだことを伝えて、双子のことについて聞いてみることに決めた。この時はそれしか思いつかなかった。

夢に繋がりそうな筋道があるとすれば、それしか思いつかなかった。


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