018
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「お兄ちゃん次来たよ。ほら」
「そうだな。」
今度はゴブリン戦隊をと思ったがそういえばリリはゴブリンが好きじゃないんだった。
と言うことはゴブリンは出せない。リリが嫌がる事をどうしてできようか。
では、エルフとスライキングで蹴りをつけるかな。
いや、もうピオ出しても……いやいやそれだけはやめておこう。自分に課したルールだしな。
そうして、魔王城F001をクリアする頃には……そろそろ感じてきた感情が湧き上がってきた。それは……
「ダンジョンってこんなに長いの?」
「えぇ。魔王城のランクが高いからその影響でね。」
ランクが高いとフロアが多い?
「大体300階層くらいあるから覚悟しといたほうがいいよお兄ちゃん。にしし」
「えぇ〜」
魔王城はランクが高いから階層が多いのはわかった。なら、俺が所有しているあの城はどうなのか。もっと多いとかだったら泣くぞ。
「でもそのかわり1フロアクリアする事に転移陣使えるようになるからそれは便利かもね」
「転移陣って?」
「ほら、お兄ちゃんも多分使ったことあるはずだよ?第一の街に行くときに使ったアレだよ。」
「あぁ、あれが」
独占とかなんとか言ってたやつか。なる程アレが転移陣だったとは。
「だから一度クリアすればその階層は用無しってわけだからどんどん行くよお兄ちゃん。」
「あぁ、取り敢えずエルフとスライムキング出しとくか」
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エルフ
SR AGI+2653 Lv.48
スライムキング
SSR INT+2012 Lv.42
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え?レベル上がるの早すぎない?え?ええ??スライムキングなんかもう40だよ?おかしいって!エルフもちゃっかりさっきの戦闘でレベル上げちゃってるし!!
「お兄ちゃん……それが普通の上がり幅なんだよ」
「ま、まさか、俺が死にすぎてるからだとでも言うのか!」
「そ、そのとうり」
「ガーン」
なんと残酷な現実でしょうか。このスライムはこれからもどんどん差をつけられてその差を埋めることもできないまま死んでいくのでしょう。あぁ、厭わしや。
ふざけんな!俺はまだレベル1だぞ!?
「お兄ちゃん。諦めよう」
「俺は、レベルを上げてはいけないのか」
「違うよ、上がんないんだよ」
「くっ…」
どんどん有益なスキルとかアイテムとかが手に入る中、レベル一だったらなんか悲しくなります。うん。
「死なないスライムなのにね」
正に妹の言うとうりだった。
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「でさー、これまだ続くの?長くない?」
時は45階層。リリの兄ユウは限界をきたしていた。
いや、これまでよく持った方だろう。
何度も何度も同じことの繰り返し。
それはもう、殆ど作業と言える物に成り下がっていた。
悲しくも戦闘の鬼畜な作業と。
同じ敵、同じシチュエーション、同じレベル。
もう彼等のレベルさえ上がりきり全ての魔物が百にまで達してしまった。
あ、因みにユウはレベル一のまま。
目が死んでしまうほどの同じことの繰り返しに遂に飽きがきてしまった。
「そうだねーレベル上げも終わっちゃったし、あとはお兄ちゃんがガチャ引いてそのキャラのレベル上げるくらいしか道中はすることがなくなるね」
「う……」
ガチャは引きたくない。それは前回のガチャの結果が原因している。あんなものが急に出てきたら心臓がいくつあっても足りない。だから却下だ。
「うぅー、しょうがないなぁ。ショートカットする?」
「え?そんなのできんの?」
「いや、できるって言うか、すっごく行きたくないけどある場所に行けばね、ショートカットできるんだ」
「ある場所?」
リリが苦虫を噛み潰したような顔をするので、そんなに行きたくないのなら無理していかなくともと思いつつ、リリにそこまで言わせる存在に気になってもいた。
「うん。会いたくないんだけどなぁ。でもしょうがないよね」
「そんなに会いたくないなら…」
「あぁ、いや、お兄ちゃんは気にしなくともいいんだよ」
そう言って、「システムーセントラルーコマンドーショートカット」
「あははははははははははははは、よんだーよんだー?」
「はぁ…」
「な、何?」
耳がつんざく様な笑い声に一瞬躊躇して耳を塞ごうとして耳がないことに気づく。
あ、今スライムだった。
「おひさ♪魔王の嬢ちゃん。」
「…………はぁ」
正に正反対!性格が合わないってこう言う事を言うんだなぁとしみじみ思います!
「ある時はプレイヤーを見守るセントラルシステム監視者!ある時は掲示板のウプ主!ある時は魔王城ショートカット機能の責任者!」
なんだか、小難しい単語が幾つか出てきたが、結局何が言いたいんだこいつは…
「ボクっちはピコ!よろよろ〜」
「前置きはいいから要件だけ言うね。魔王城初級ダンジョンF300までお願い」
「ぶぅー、嬢ちゃんったらいけずー」
あのリリが、振り回されてるだと?!天真爛漫でかつ幸薄少女と言う主人公属性も兼ね備えたあの妹が……おいたわしや
ちょんちょんと、脇腹をつつくピコに塩対応で振り解くリリ。ちょっと可愛い。
「しょうがないなぁ。そっちのスライムさんもそれでいい?」
「え、あぁ、うん」
いきなり振られたから一瞬躊躇してしまった。仕事はちゃんとやるタイプなのかな。
「システムショートカットキー、MJ003F300コマンドーショートカット2名様をご案内!!」
と、その瞬間目の前が光の渦で包まれ、一瞬真っ暗になった。
「きゃはははははははははははははははは」
そこは玉座。
馬鹿でかい八つの首を持った化け物。
正直かっこいいと思ってしまった反面大きすぎて立ちすくみしてしまった。
こんな相手に勝てるか?馬鹿を言え、勝てる勝てないの前に勝負にすらならない。だってほら
"ギィアヤアアアア"
ぽよよよーん
『プレイヤーYuuは死亡いたしました。特性:不死により死亡をキャンセルしました。残りYuu+99』
息吹だけで殺されるんだぜ。今の見たか?息を吹くだけで殺される相手にどうやって勝てと?舐めんなこちとらスライムやで?
「ピィぃぃぃこぉぉぉ!!!誰が"上級"ダンジョンのF300にいけっつった!!!ふざけるなぁああ!」
お、おお、珍しくもリリが叫んでいる。あの奥手なリリが………よくよく考えてると相当やらかしたなあのピコってやつも。
初級ダンジョン最上階と、上級ダンジョン最上階では天と地ほどの差があるのだと理解した。
こんなにも理不尽な存在とのバトルとなると相当な覚悟がある。俺は此処に来るまでに少し肥やしを使ってしまった。だからもうこれ以上肥やしを無駄にはできない。作戦を練らねばっ
ね、ねず公?今いいところだからね、あ、あっち行って、ね?
ちゅちゅちゅ(我が至高の御方ヒュドラ様であるぞ!
は?知らねーし、さっさとあっちに、あ、ま、まって、お、押すなって!!
ちゅちゅちゅゅゅー(御供物だちゅ!
お、おすな!!おす、押すってより引っ張ってないか?や、辞めろ!!ぐあああ
"グシャアアアア"
『プレイヤーYuuが死亡いたしました。特性:不死により死亡をキャンセルいたしました。残り+98』




