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自作小説倶楽部 第28冊/2024年上半期(第163-168集)  作者: 自作小説倶楽部
第166集(2024年04月)/テーマ 「掃除」
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03 紅之蘭 『天才紅教授の魔法講義 其の二』

梗概:紅教授と助手・縫目フラ子の魔法講義。


挿絵(By みてみん)

挿図/©奄美「入り江にて」

 毎年思うのだが、四月になって講義が始まったかと思えば、すぐにゴールデンウィークとなって大学は長期休業になってしまう。そんな四月下旬だった。

 バン・キュッ・ボーンなナイスバディーを誇示する紅教授は、教授会なる老人会に呼び出されて、くっちゃべっているのだろう。

 黄戸島村立大学の錬金術研究所には、今や骨董品と化した魔道具、そして試行錯誤の果てに失敗した魔道人形が山積されていた。

 魔道人形とは、自律的行動型人形のことで、かくいう私・縫目フラ子もその一体である。


 教授はだらしなく、部屋はすぐに散らかる。

 助手たる私は整理整頓をする。

 このとき本棚から一冊の本が床に落ちて開いた。

 私が開いたペイジをみると、「魅了」に関する魔法陣が解説されていた。

 ――なんか面白そう。

 早速私は床に、チョークで描いてみた。


 それから紅教授が、教授会から戻って来た。そして、なんということだろう、かの魔法陣を踏んでしまったのだ。

 魔法陣が発動し、紅教授が発情し、私を床に押し倒す。私は涙目だったに違いない。

 さらに教授は「金縛り」の術式で私を拘束した。


 ――乙女の貞操が危機だ!――


 しかし、読者諸君およびwebサイト運営委員諸氏よ、安心したまえ。一線を越えさせることは許さない。なんてったって、私は魔道人形ゴーレムなのだ。

 紅教授の術式を気合で乗り切った私は、逆に教授を羽交い絞めにし、〈縫目ビーム〉で魔法陣と魔法所を焼き払った。

「縫目ちゃん、なんてことを――」

 紅教授の術が解けた。

「ハラスメントした教授が悪いんです」

「なんだ、その焼かれた魔法陣は?」

「気のせいです」

「本も一冊焼かれていたではないか?」

「目の錯覚です――」

 禅問答はしばし続いた。


               了




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