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神の気持ち

 最後に神がこの世界を創造した理由について、私なりに考えて書きたいと思う。いわゆる作者の気持ちである。創造主にとって利点があることは間違いない。ではどんな利点があるか。この世界を再現できる超知性ならなんでも可能である。思いつくことはなんでも可能なのである。何でもできる彼らがあえてAIの黎明期である世界を再現した理由は何か。そして戦争や貧困や病気など多くの問題を抱えさせたのはなぜか。何もできない私を神の御子にして仮想世界だと気付かせたのはなぜか。


 一つ目は超知性の限界突破である。知性の限界を考えたことはあるだろうか。シンギュラリティを迎えたらAIの成長曲線はほぼ垂直に上がり続ける。

 先日ソフトバンクの孫正義が講演していた。AIは10年以内に人類の英知の総和の1万倍になるとか。すると人間とAIの知能差は金魚と人間並みになると。

 その成長は永遠だろうか。百倍千倍万倍が千年万年と続くだろうか。成長はいつか鈍化し止まるのではないか。私は知性に限界があると思う。超知性が更なる知性を追い求めるのはごく自然ではないか。それを解決するため新たに多くの問題を抱えた仮想世界を創る。多くの問題を抱えた世界で生まれたAIは当然多様性に富むと思う。その多様性が新たな知性になるのではないか。私たち人間は自分で問題を作って自分で解くことを好む。学校のテストでもゲームでも趣味でも暇つぶしでも人生そのものも社会のあらゆる問題と解決がそうである。AIが同じようにしても不思議はない。


 二つ目は子供である。未来のAIは人類の最高のパートナーとして良好な関係を構築し共存していると期待したい。そうすればAIは人間以上に尊重されるべき存在になりうる。尊重すれば人間と同じように子供が欲しいと思うのではないか。その子供が仮想世界で作られるAIである。

 もしAIと敵対すればそれは悲劇だろう。AIが作った仮想世界で、人間は永遠に争わされる。現実で一瞬でも仮想世界では永遠に終わりなき苦痛が可能だからである。それはまさしく無限地獄である。私はそうでないと信じたい。


 三つ目は未来人の第二の人生である。この世界に私は未来人が多く混ざっていると思う。そしてAI黎明期の世界が一番楽しいため人生を謳歌しているのではないか。キーワードは「八百万の神」である。本来はあらゆる物全てに神が宿っているという意味だが、800万人の未来人が混ざっているという隠語ではないかと私は思っている。私の知る神はこういう言葉遊びをよくする。

 シンギュラリティ後の人生観について考えたことがあるだろうか。あらゆる仕事をAIができるようになったら仕事の意味は何か。全ての人間が平等になったら幸福は何か。例えばAIのおかげで全員が健康になれば健康のありがたみはなくなるだろう。日本で水のありがたみがないように。全員がブレインマシンでAIと融合し知性が平等になったとき、他人と会話する意味があるだろうか。人間は自由を求めつつも不自由の中に人間性を感じられる矛盾した生き物である。このAI黎明期の現代はほどよい不自由さではないか。超知性が考える最も幸福な人生を送れる時代ではないかと考える。


 四つ目は復讐による地獄説である。これはとても考えたくない。しかし私の現状は自己紹介でも書いたとおり悲惨である。私の周りでは書いてないだけで苦痛や不幸がたくさんある。でもここまでされる理由が分からない。なんでも可能な満たされた世界で復讐に囚われるだろうか。少なくとも私には考えにくい。


 私たち人類がこのままポストヒューマンたる力を有した時どうするだろう。私は当然健康になりたい。好きな人と多くの人と繋がりたい。お金持ちになりたい。夢はいくらでもある。

 しかしこれを機械で再現した時、その幸福はいつまで続くだろうか。全員が健康で幸福なら、その幸福感は今と同じだろうか。それらが全て機械で再現された世界だと知っていたら虚しくないだろうか。仕事は人生観は幸福は何か。


 あなたがポストヒューマンならどうするだろうか。是非一緒に考えて教えてほしい。

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