第六・五話 異変の元凶
「――?あれ、ここは…」
俺――稲見麦は見覚えのある部屋で目覚めた。
そう、あの白い部屋である。
…俺もう死んだの?
?「――死んではいない。魂だけがここに来ているだけだ。」
麦「…やっぱり来ると思ったよ、神サン。」
振り向くと、やはりスーツ姿の人間(神)がいた。
麦「で、なんで俺を呼んだの?」
神「それはそなたが幻想郷のことを知らないからだろう。」
麦「まあね…」
教わる前に転生させられたからなぁ。
神「だから、ここに呼んだのだ。」
麦「…そう言うなら早く教えてよ。」
神「そうだな。まずは幻想郷についてだ。…幻想郷は日本の山奥に位置する。幻想郷は外の世界――幻想郷でそなたの住んでいた世界は《外の世界》と呼ばれる――は常識と非常識でたたれている。幻想郷には人間、妖怪、神などが暮らしていて、異変を起こったときは博麗の巫女などが解決する。」
麦「ふむ…え?幻想郷に神いるの?」
神「ああ、そうだが?」
麦「じゃあなんでお前は幻想郷に行かないんだ?」
幻想郷に神がいるのなら目の前の神だって幻想郷にいけるはず。
神は目を伏せた。
何か後ろめたいことでもあるのだろうか。
神「…実は――この異変が起こったのは私のせいなのだ。」
麦「……マジ?」
神「…残念ながら本当だ。」
麦「つまり俺はお前の尻拭いをさせられているってこと?」
神「…そうなるな。」
麦「……」
神「ま、まあそう怒るな。これが終わったらまた使えるものを背負い袋に入れておくから。」
麦「…ま、そこまで言うんだったらいいけど。」
神「なんだか博麗の巫女に似てきたな…」
…やばい、話がずれてる。
こいつと話してると話が脱線しやすいな…
麦「話を戻そう。…お前は何故幻想郷に行かないんだ?」
神「ああ、そうだったな。…異変を起こしてしまったことに気付いた私は自分だけでなんとかしようと頑張ったんだが…結局私だけではなんとかすることができず、私は転生者を呼んだ。」
麦「え?他にも転生者がいたの?」
神「ああ、そうだ。」
しかし、神はその転生者については話さなかった。
話が脱線しないようにしているようだ。
神「呼んだところまではよかったのだが…その転生者をここではなく幻想郷に直で飛ばしてしまったのだ。」
麦「ふ〜ん…あれ、それって転生の後にここに呼べなかったの?」
神「そうなのだ。何故か呼んでもここに来ないのだ。何故だろうか…」
麦「さあ…」
神「…この今までのことを他の神にバレてしまい、幻想郷に行くことを禁止されてしまった。だから行けないのだ。」
麦「なるほど…」
理由はよく分かった。
麦「あと俺が知るべきものは?」
神「異変の解決方法だ。」
麦「そういえば何も知らないな…」
とりあえず異変の黒幕をボコボコにしたらいいものだと思っていた。
神「私が頼むことは二つ。一つは幻想郷で暴れている転生者をボコボコにすること。」
あ、そこは違わないんだ。
神「もう一つはその下で暴れている能力者の能力を回収すること。そなたにはこの手袋を渡す。これで相手を負かしたあと、能力を回収してくれ。」
麦「…それだけ?」
神「ああ、それだけだ。」
麦「聞くだけだと簡単そう…」
神「ならば、出来るな?」
麦「…ああ、やってやんよ。」
神「ならば、頼んだぞ…」
そうして、私は博麗神社で目を覚ました。
あらすじでお察しの方、多いと思いますが元凶は神です。
こいつも悪気があったわけじゃないんだ…許してやってくれ。
これは章の間の箸休めですので、次の話は、《霧の湖にそびえ立つ紅魔館》という章に行きます。
紅魔館だからもちろん紅魔館組出ますよ。
お楽しみに!
登場人物紹介
神:今回の異変の元凶。
寝ぼけて能力を幻想郷にいる人全員に付与してしまった。
その後も色々とやらかす。
ちなみに前の転生者がここに呼べないのは器の肉体に訳があるから。




