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第二十五話 お面を失くした少女

麦「――…落ち着いた?」

?「は、はい…」


彼女が謎に泣き始めてから約十分後。

流石に落ち着いてきたようだ。


麦「…そういえば聞いてなかったけど、名前はなんていうの?」

?「こころ…」

麦「うん?」

秦「(はたの)こころ…それが私の名前…」

麦「はたの、こころ…秦さん、でいい?」

秦「なんでも…」

麦「じゃあ、秦さんで。――私の名前は稲見麦って言うの。よろしくね。」

秦「よろしく…」


こころは消え入りそうな声で、そう言った。


霊「――麦ー!どこいったのー!」

麦「あっ、霊夢さーん、ここでーす!」

霊「ホント、どこ行ってたの!?帰ってくるのが遅いわよ!」


霊夢の大きな声に怯えたのか、こころは麦の後ろに逃げた。


麦「ご、ごめんなさ…」


鬼面を着けた霊夢に怒られる麦。

鬼面は迫力満点で、反射的に謝ることしか出来なかった。


秦「……!」


何かに気付いたらしいこころが、麦の背中をツンツン突いた。


麦「な、何…?」

秦「霊夢さんが着けてる能面、私のです…!」

麦「えっ…!?」


霊夢の顔をまじまじと見る。


霊「…?何か私の顔についてる?」

麦「いえ、何も…」

霊「そう。なら紛らわしいことはしないで頂戴。」

麦「は、はい…」


霊夢が鬼面を着けるだけでかなりの威圧感である。


麦「…あの鬼の能面はとってもいいの?」

秦「あ…私は持たない方がいいので…麦さんが管理をお願いします…」

麦「オッケー。」


麦は霊夢の能面に手を伸ばした。


霊「あなた、何を…」


その後の言葉が放たれる前に、霊夢の着けていたお面を奪った。


霊「……」


霊夢は能面を剥ぎ取られた途端、涙をポロポロと流し始めた。


麦「ええっ!?ど、どうして…」

霊「麦…よかったよ〜…」

麦「ふぇっ!?」


麦はいきなり霊夢に抱きつかれた。


霊「麦が…怪我でもしてたら…どうしようかと…」

麦「……」


――霊夢さんも、私のことを心配してくれているんだな…


麦は霊夢が泣き止むまで、霊夢の背中を優しくさすった。


ーーーーーー

少女(なだ)め中…

ーーーーーー


麦「……落ち着きました?」

霊「う、うん…」


霊夢は一旦は落ち着いてそうだが…


麦「このまま能面集めに同行させる気にはならないなぁ…」


いつもより涙もろくなっているらしい霊夢を、このまま連れては行けなさそうだ。 


秦「…ごめんなさい、私のせいで…」

麦「あああっ、だからって泣かないでください…」

秦「はい…」


秦こころは目に涙を溜め、今にも泣き出しそうである。


麦「もうどうしたらいいんだ…」


麦は頭を抱えた。

霊夢とこころに挟まれて、どうにも出来ずに悩んでいると――


魔「――どうしたんだ?そんなに悩んで。」

麦「その声は…魔理沙さん!」


魔理沙の方を向くと、キツネの面を付けた魔理沙がいた。


麦「魔理沙さん、助けてください!」


麦は魔理沙に助けを求めた。


魔「いいぜ。ちょうどこの異変を解決しようと霊夢と合流しに向かってたところだ。その様子だと、霊夢は動けなさそうだな…」

麦「はい…」


ずっと泣きそうな霊夢を見て言う。


魔「うーん、とりあえず今動けるのが私と麦だけなのをなんとかしよう。アリスのところに行こうぜ。」

麦「分かりました。早く行きましょう。」


霊夢を背負って、アリスの家へと移動した。


ーーーーーー

少女移動中…

ーーーーーー


ア「――やっぱりそうよね…いいけど…困ったわ…」

麦「……」


アリス宅に着いた私は、アリスを見て驚いた。

猿のお面を着けているのは良いのだが、さっきから…


ア「ああ、困ったわ…どうしましょう…」


ずっとこの調子である。


魔「…私達が解決してくる!だから霊夢とこの付喪神をみててくれないか?」


見てられない、といった様子で魔理沙は言った。


ア「え、ええ、分かったわ。なら大丈夫かしら…」

秦「…あの…私も連れて行ってください…」

魔「なんでだ?」

秦「前は私が失くしたのは一つだけですが…今回はほぼ全ての能面なんです…そこがおかしいんですよ…」

魔「なるほどな…何か裏があると。」

秦「そう…です…」

魔「…分かった、連れて行こう。麦もいいよな?」

麦「はい。」

魔「よし、じゃあ行くぞ、二人とも!」

麦「はい!」

秦「はい…」


こうして、お面探しの旅が始まった。

投稿が半年も空いてごめんなさい!

これからは月一で小説投稿できたらいいなぁ…

ぜひ次のお話もよろしくお願いします!


秦 こころ:付喪神。

お面を失くすのはこれで2回目。

着けている能面によって喋り方や性格などが変わる。

能力は『感情を操る程度の能力』。

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