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第八話 自称最強の妖精

魔「――それにしてもよく麦は空を飛べるな…」

麦「そうでしょう?…ふふふ、これは膨大な霊力を使って強引に飛んでいるんです。私にはこういうこともできるんですよ。」

霊「麦、あなた相当規格外ね…」


これは紅魔館へ行く道中の出来事。

私は徒歩で紅魔館まで行く気だったが、霊夢と魔理沙はいつも空を飛んでいくらしい。

二人は空を飛べるが、もちろん私――稲見麦は飛べない。

でも、諦めずに風をコントロールして浮くイメージで行ったら出来てしまった。(ただし風が地味にうるさい)

そして今に至る。


魔「――お、見えて来たぞ。前にある大きい館が紅魔館だ。」

麦「…あ、あれですか。確かに大きいですね…」


少し遠くに大きな館が見える。

遠近法があっても大きいと思わせられるほどだ。


霊「あそこの館の主人が、レミリア・スカーレット。他にも色々と個性的な人が住んでるわ。」

麦「こ、個性的って具体的にどんな感じですか…?」

魔「うーん…例えば昼寝常習犯とか時を止めるメイド長とかがいるな。」

麦「……」


…時を止めるとかD○Oかな?

という言葉が喉まで出かけたが、なんとか引っ込めた。

この二人が外の世界のことなんて知ってるはずがないため、口に出すのは流石に憚られる。


霊「でも、その紅魔館に行く前に、チルノをなんとかしてほしいらしいのよ。」

麦「…チルノって誰です?」


まるでその質問が来ると予想していたかのように、魔理沙はすぐに答えを返した。


魔「チルノは自称最強で自称天才な妖精だ。…そんなに強くないから軽く打ち負かしてやるといい。」

麦「…え?その言い方だと私がチルノと戦うのが決まっているような…」


悪い予感がした。


霊「ええ、そうよ。」


その悪い予感は私を裏切ってくれなかった。


霊「麦、あなたはまだ弟子見習いよ。だからチルノとの弾幕ごっこで実力をつけて頂戴。」

麦「行けるかな……」

魔「大丈夫だ。麦は私に勝ったんだからチルノぐらい倒せるって。」

麦「そうだといいんですけど…」


そのことに不安を募らせつつも、三人は霧の湖のほとりに降り立った。


ーーーーーー

少女探索中…

ーーーーーー


?「――誰だお前らは!…って霊夢と魔理沙じゃん。何しに来たの?」


そう言ってきたのは幼女、という言葉が似合う青髪の少女だった。


麦「…こんなアホの子丸出しの人がチルノ、ですか?」

霊「そうね。そいつがチルノよ。…チルノ、今回はこの銀髪の人があなたと戦いたいって。」

麦「え?ち、ちょっと何勝手に」

チ「そうなのか!…なら一緒に弾幕ごっこしよう!」

麦「え、ええ…」


そして有無を言わせず、弾幕ごっこが始まった。


ーーーーーー

少女準備中…

ーーーーーー


――弾幕開始!


チ「あたいから行くぞ!『氷符「アイシクルフォール」』!」


チルノはそう言うと、麦の横から弾幕を撃ち出した。

…でも避けられないほどではない。

ならば余裕のある今の内に弾幕を吸収するべきだ。

麦はいとも簡単に氷の弾幕から氷を吸収した。

そしてそれを複製し、撃ち出す。

昨日、魔理沙の弾幕も吸収しているのでそれも混ぜ合わせる。

そのまま当て続けていると、いきなり周りの弾幕が弾けた。 


魔「おー流石じゃないか。それはスペルブレイクって言う。それを何回もしたら麦の勝ちだぞー。」


魔理沙の解説が入る。

これを続けていればいいらしい。


チ「ぐぬぬ…じゃあ次はこれでどうだ!『凍符「パーフェクトフリーズ」』!」


チルノは周囲に弾幕を放った。

その弾幕は途中で停止し、動かなくなった。

そこからチルノはまた新しく弾幕を放つ。

…こんなの簡単に避けられるな。

余裕で避けていると、周りで浮いていた弾幕がいきなり動き出した。


麦「!?」


麦の驚きの表情を見逃さなかったチルノは「どうだ!」と威張っているが、そんなことを見ている場合ではなかった。

今までの動きと反する動きに反応が遅れていた。

見ててハラハラする動きだったが、なんとか避けることに成功した。


麦「ふぅ…危ない危ない。」


だが、このまま避けに徹しているいつか弾幕に当たってしまいそうだ。


麦(隙はないものか…)


そう考えていたせいで、麦は自分の目の前まで迫っていた弾幕に気付かなかった。


麦「――っ!?」


麦は周囲の風を操り、すんでのところで避けることが出来た。


――その一部始終を見ていた霊夢。


霊「…完全に手こずってるわね……」


麦のぎこちない動きを見かねた霊夢はこう言った。


霊「――チルノの動きをよく観察するの。そうすれば隙がわかるわ。」


動きを…観察する。


麦(…チルノが弾幕をすべて放ったあと、弾幕がない時間がある。このときに攻めるべきだろう。)


何回か弾幕を避けていたおかげで、チルノが弾幕を張っているときでも攻撃できるようになっていた。


――そこまで機会を伺う!


そこらじゅうに撒かれた弾幕が動く。

それと同時にチルノは弾幕を放ちながら移動する。

…そして、弾幕が視界内から消える。 


麦「今だっ!」


俺はありったけの力を込めて、弾幕を放った。

放たれた弾幕はチルノの体へ吸い込まれていき――


そして、チルノが爆発した。


麦「うわあっ!?」


爆発の衝撃に驚いた麦。

その爆発の前にはチルノがいたはず…


麦「まさか…私、やっちゃった……?」


人を…殺してしまったのか…?

その思考に頭を持っていかれた麦。

そこに魔理沙が近づいて来た。


魔「麦、やるじゃあないか。これぐらい出来るって思ってたぜ。」

麦「あ……でも、チルノを殺してしまいました…」


その発言に魔理沙は違和感を覚えた。


魔「…そんなに気に病むことないだろ?あいつはほっといても復活するし…」

麦「…え?」


復活…する?

普通ではない事象を理解出来ない麦。

その様子を見て、魔理沙はなぜ麦と話が合わないかがわかった。


魔「あ〜…麦?妖精はな、死んでも生き返る生物だぞ?」

麦「……」

魔「妖精は死んでもそのこと気にしないし…」


………。

魔理沙の言葉を理解すると、人を殺してしまった、という考えで焦っていた私が滑稽に思えた。


麦「…な、何じゃそりゃあ!」


麦はその感情を紛らわせる為に、そう叫んだ。

こんにちは。たると林檎です。

…色々とご都合主義じゃあないかって?

異世界転生だから許してください。

今回はチルノが出てすぐに一回休みです。

ちゃんとこの後も出番があるよ!

次回もぜひ読んでください! 


登場人物紹介

チルノ:バカ。

簡単にコントロールすることが可能。

子供っぽくてイタズラ好き。


稲見麦:強い。

だが、自分の能力や力を上手く扱いきれていない。

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