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第4,5章 「連続する悲劇に」

             幕間 第4、5章「連続する悲劇に」


 由紀奈は病室の窓の前に立ちつくし、外の景色を見ていた。

外にはごく普通の街の景色が広がっている、神経を澄ませば音が聞こえそうなほどに、しかしこの病室はあまりに殺風景で無音の空間であった。


「由紀奈、そんな顔しなくても、あなたがそこまで落ち込むようなことではないわ。

私は明日にも退院するんだから」

 瑠美は病室のベッドに座り、そこからいつもの元気を取り戻してあっさりと言った。

「詩澄は危険を察知していたわ、出来れば行きたくないとも言ってた」

 由紀奈は真剣な表情で瑠美を見ていった。

「私が言い出した事よ、油断していたのは私、運が悪かったのよ」

「瑠美・・・、でも私はっ」

「詩澄はどうしたの? 羽佐奈さんも、来てないみたいだけど」

「羽佐奈さんは外せない用事があるから後から来るって、詩澄は風邪を引いちゃって来られないって」

「そう・・・、みんな大変なのね、来週には学校に戻れるから大丈夫だけど」


「瑠美、怒らないで聞いてね」

「何よ一体?」

「調べたいのよもう一度」

「やめておきなよ、私だって軽い怪我で済んだわけなんだから、警察から事情聴取も受けてる、後は警察が犯人を捕まえてくれるのを待てばいいのよ」

「でも、それで犯人が姿を現すとは限らないじゃない?」

「由紀奈は囮になりたいの? 余計なこと考えるんじゃないわよ」


「でもうちの学生が何人も狙われてる、これは決して偶然じゃない。

だから一日でも早く犯人をどうにかしたいのよ、友梨は知ってるんだよね?

これらが連続性を含めた事件だって」

 由紀奈は友梨の方を見て聞いた。友梨は窓の反対側、影になっている場所で壁を背に立っていた。

「ちょっとっ、ニュースじゃ確かに同じように中高生が狙われてると報道されてるけど、明確な証拠はないんじゃ・・・」

「ジャックナイフ・・・、一ヶ月前の女子高生殺傷事件、二週間前のこの学校の生徒が狙われた事件、そして今回の事件、いずれも同じ形状のナイフが使われ、イニシャルの“J”の文字がナイフには刻まれている。偶然にしては出来すぎている。

 実際に警察は関連性も含めて入手先の捜査に進んでるわ」


「そんな・・・、じゃあやっぱりまだその凶悪犯がこの町にいるってこと・・・」

 瑠実は肩を落とした、まだ今この時も誰かが凶悪犯によって狙われていることを考えると不安でならない。

「そういうことよ、だから私は例え一人でも犯人の手がかりを探すわ」

 由紀奈の決意はあまりに固く、瑠実は次第に言い返す言葉を失っていった。



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