初デート
「セイラさん、ごめんなさい。お待たせしました!」
「いいよ。僕も来たばかりだからさ。それにしても、そのワンピース似合ってる」
「本当ですか?お世辞でも嬉しいです」
3月上旬。
今日は、セイラさんとデート!
駅前で待ち合わせをして、向かうのは『シーサイドパーク』。
だけど、セイラさんには行き先は内緒。
「それじゃあ、行きましょう。電車に乗って行くんですよ。こっちです」
セイラさんの分の切符を買い、改札を通ってホームへ。
「たくさん人がいるね。初めてだから、驚いちゃった」
「セイラさんは、電車初めてなんですね。東京はこのくらい普通なんですよ」
時間になったみたいで、ホームに電車が来た。
降りる人が多くて、セイラさんは驚きを隠せていない。
「す、すごい……」
「セイラさん。乗りますよ」
私は思わず笑って、セイラさんの手を握り、電車に乗る。
二人分の座席が空いてたから、並んで座ることができた。
「ねぇ。そろそろ、行き先教えてよ」
電車に乗って数分後。
セイラさんが行き先を聞いてきた。
「着くまで内緒にしたかったんですけど、教えますね」
少し間をあけて。
「『シーサイドパーク』に行きます!」
「『シーサイドパーク』?」
セイラさんは、分からないもよう。
説明するとこんな感じ。
「太平洋を臨む公園なんですよ。水族館や観覧車、レストランがあるので、公園と言うよりは、複合型テーマパーク。ですかね」
「ありすちゃんは、行ったことあるの?」
「ないですよ。大学の友人が行ったことがあるみたいで、教えてくれたんです」
「お互いに楽しめそうだね」
「ですね」
私たちが乗車した駅から、6つ目の駅に着いた。
この駅が『シーサイドパーク』の最寄り駅。
「セイラさん、降りますよ」
降りる人が多いから、セイラさんとはぐれないようにしなきゃ。
改札を抜け、駅の外に出ると、ほんのりと潮の香り。
「えーっと、『シーサイドパーク』は……」
スマホを鞄から取り出し、地図アプリで確認する。
「こっちです」
行く方向に指をさし、駅前の大通りをまっすぐ歩いていく。
「僕は、ありすちゃんについていきます」
そう言うと、セイラさんに手を繋がれた。
キャー!
心の中で叫ぶしかできない。
聞こえてないよね?
顔赤くなってないかな?
確認したいけど、できないよー!
しばらく歩くと、目の前に海が見えてきた。
「セイラさん、海が見えてきました。もうすぐですよ!」
「あれが、海?」
「はい。太平洋です」
「へぇ。僕、海を見るのは、初めてなんだ」
「見たことなかったんですか?」
「ないよ。ずっと、空の上だったり、星の国だったから」
「そうでしたか……」
標識に『シーサイドパーク』の文字を見つけ、その方向に行く。
観覧車が見えてきた。
「あ、観覧車だ!ありすちゃん、ここなのかな?」
「そうですね!楽しみましょう。セイラさん!」




