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不安とシチューとフォカッチャ

『頑張ります』なんて言ったけど、今は不安だらけだよ。

 セイラさんは、浮気なんてしないと思うけど。

 占い師をやっているから、女性のお客さんが多いのは事実。

 美人な人だって、可愛い人だって。

 セイラさんに占って欲しい人は、セイラさんの元に行く。


 セイラさん、私以外を好きになるのかな?

 穂乃花ちゃんや彩希ちゃんの元彼みたいに、浮気なんてことも……。

 考えたくないけど、ひとりになると、考えてしまう。



 家庭教師のバイトを終え、マンションに帰宅する。

 3階のいちばん隅。そこが、私の部屋。

 そのはずなのに、ドアの前に男の人が立っている。

 どこかで見た、チェスターコート。


 もしかして……。


「セイラさん?」

 声をかけるとその男の人は、私の方を向いた。

「おかえりなさい。ありすちゃん」

 やっぱり、セイラさんだ。

「ただいま。セイラさん」

 少し離れたところから見ても、近くで見ても、カッコいい。

 それにしても、珍しいな。こんな時間に。

 ずっと、待ってたのかな?

「今、鍵開けますね」

 鞄から部屋の鍵を取り出し、ドアノブに差し込む。

「どうぞ」



 部屋に入ると、セイラさんが話しかけてきた。

「ありすちゃん、ご飯食べた?」

「まだです」

 コートをハンガーに掛けながら答える。

「よかった。僕ね、シチューを作ったんだ。ありすちゃんと一緒に食べたくて、持ってきたんだよ」

 肩に提げているバッグから、保温容器を取り出してくれた。

 受け取って蓋を開けると、温かな湯気と共に良い香り。

「美味しそうですね!今、お皿に移しますから。リビングで待っててください」

 キッチンに向かい、食器棚から白いお皿を二枚取り出す。


「セイラさん、お店は順調ですか?」

「順調だよ。色んな悩みを抱えたお客さんが多いから、毎日楽しんでる」

「それは良かったです」

 シチューの入ったお皿を持ち、リビングで待つセイラさんの元へ。


 二人分のお皿をテーブルに置く。

 何か物足りないような……。

「セイラさん、フォカッチャ食べますか?」

「食べたいな。僕、持ってこなかったよね?」

「昨日買ったのがあるので、大丈夫ですよ」



 シチューとフォカッチャを食べながら、二人の時間が過ぎていった。

 食べる手を止め、セイラさんに聞く。

「あの、セイラさん」

「どうしたの?」

 セイラさんは、不思議そうに私を見てる。

「もうすぐ3月じゃないですか」

「そうだね。お花見したいなぁ」

 お、お花見!?

「そうじゃなくて……」

「お花見じゃないの?」

『えーっと、なんだろう』なんて、考え始めちゃった!?

「わかった!ホワイトデーでしょ?」

 あー、もう!

 違うんですよ!セイラさん!

 えっとえっと。



「デート、しませんか!」



 言ってしまった……。

 言っちゃったよ。私!

 どうしよう。セイラさんの顔、見れない!

 顔、赤くなってるよね?きっと。


「いいよ。いつにしよっか?」


 わわわ!?

 今、なんて言いました!?

『いいよ』って、『いいよ』って、言いましたぁ!?

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