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ミドリはノルウェイの森が読めない

ミドリは見た目は春樹の登場人物のようだが、内面の深さが無い。なにかいい方法は無いだろうか

僕は昼ご飯は理科室の自習机でとっている。カウンターの様だったからだ。僕はロックグラスに水筒に入れた氷をいれ、ウヰスキーの代わりにウーロン茶を注いで、ナッツをさらに開けて廊下に立っていた時のことを思い出していた。


「ねえそれだけで足りるの?」


振り向くとクラスメイトの緑が立っていた。やれやれ、こんな村上春樹の世界観を壊す女子は心底うんざりする。


「君、好きな作家は?」


「作家?本はあまり読まないな。漫画はワンピース。」


僕はその答えに心底うんざりした。まるでロバのうんこを踏んだまま電車に乗っている気分だ。


「村上春樹は読まないの?」


「ノルウェイの森よんだけど、上巻でやめた。学生運動とかわけわかんないし。」


「それなら、1Q84を読んだらいい。」


僕は彼女に本を手渡した。ノルウェイの森の緑みたいな受け答えは出来ないのか、この女子は。


「なんで、自分から廊下に立ったり、マルボロの箱にココアシガレットを入れているの?」


「そうだな。チェーホフだったかな。拳銃が小説に登場したら発射されなければならない。」


「いや、意味わからないから。」


確かに今のは僕の発言は訳が分からなかったかもしれない。


「僕は春樹の世界を現実で実現したいんだ。そうだな…‥‥。この昼ご飯も春樹の小説の一部を再現している。ウイスキーのオンザロックとナッツ。」


「いや、それウーロン茶だよね。見た目ウイスキーだけど。」


「あるいは」


「春樹ってそんなに面白いの?」


「わからないな」


「分からないの?」


「わからない。」


僕はそういって彼女の瞳を見つめた。彼女はショートヘアで茶髪の可愛い女の子だけれど、イマイチ春樹の登場人物のような内面の深みが無い。僕は心底うんざりしてウイスキー(ウーロン茶)を飲んだ。


「それ、ウーロン茶だよね。」


「完璧なウーロン茶など存在しない。完璧な絶望が無いようにね。」


彼女は変人を見るように僕を見据えていた。彼女を僕の春樹の世界に出すにはもっと内面の闇。つまり、両親が新興宗教にハマっているとかそういうのが必要になるな。新興宗教でなければNHKの集金人とか、ただれた恋愛をしているとか。



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