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そうして僕は、その場に立ち尽くす事しか出来なくなった。


怖い。


すぐ近くまで波が寄せる。


怖い。


空を見上げれば三日月だけが僕を照らしていた。


怖い。


遠く水平線を見渡せば全てを飲み込むかの様な黒。


怖い。


靴に海水が沁みてきた。潮が満ちてきているのだ。


寒い。


先程まで寒さなんて微塵も感じなかったのに、海水に濡れる度全身に寒さが広がる。


温かい。


水位が上がるに連れて、沈んだ部分が温かく感じる。


冷たい。


膝下まで海水面が上がってきた。脚に当たって跳ねる海水が膝や腰に打ち付け冷たい。


寒い。


もう足先の感覚はない。一方で全身の震えが止まらない。


暗い。


震えを抑えようと肩を抱くと、足元が目に入る。既に靴先は砂に埋もれており、暗い水面が更に見えなくしようとしていた。

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