うぬぼれ屋
夏期講習が多く、遅くなってしまい申し訳ない(><)
ベテランとルーキーは友人の死を伝えにロングアイランドへ。その帰りのバーである男と出会う。それはとても犯人の特徴と一致し、最重要参考人とした。
シモンズの妨害が入る中、ニュヨークとキューバの麻薬グループが一触即発な状況と知る。だが、それはDEAの仕事。彼らは車両ナンバー照会の為、一時ビックビルディングへ。
ジャック(ベテラン)
NY殺人課のベテラン刑事。軍隊上がりで体力ともに頭脳明晰。名前で呼ばれるのを嫌う
バミューダ・シュタイン(ルーキー)
最近ジャックの殺人課に来たばかりのルーキー。頭脳体力ともに平凡だが運転技術は元レーサーの親父を引き継ぎ相当な腕前。
ウィティカー
鑑識課の班長。
フレッグ・キラウェイ
ニューヨーク管轄部のFBI捜査官。
ブライアン・スミス
麻薬常習者
カール・アンダーソン
被害者
ローワン・バーキンス
被害者の友人
タレック・デギンズ
麻薬王
ブラッドキャット
犯人
ジョージ・シモンズ
DEA捜査官
~市警本部~
『ふぅー、最近一気に寒くなったな』ベテランは手を擦りながら椅子に座る。
『ナンバープレートの照会、終わりましたよ』ルーキーがコーヒーを持って入ってくる。『えーと、ちゃんと購入したものでした。場所はウェストバージニア』
『バージニア?随分遠くだな』
『えぇ、ですが今は違います。名前はブライアン・スミス。シモンズ捜査官の言う通り、過去に薬物関係で2回くらってます。現住所はレキシントン・アヴェニューの78丁目。安いアパートを借りてシエーラ・ホロヴィッツって人と2人で住んでます』
『レキシントン・アヴェニューか』
『そう遠くはありません。行きますか?』
『んー。そのブライアンって男の過去を、前科はもっと詳しく載ってないか?』
『えーと……。あぁ、犯歴しか載ってませんね。麻薬はDEAの管轄ですし、連邦保安局の管理下に置かれています』
『……。なぁ、シュタイン?』ベテランはルーキーを下から見つめた。それは目で、『奴の個人情報と犯歴を連邦保安局と市役所から盗ってこい』と言っていた
『無理ですよ!やりませんからね!』
『ったく!根性なしめ!それに、なんで前科持ちの個人情報が一つもないんだ?記載されるだろ』
『DEAに聞いてください』
『けっ!どこいってもDEA!DEA!俺達は1日中振り回されてるな 』
『なぁ、おい。シモンズから伝言だが、お前ら二人がビックビルディング(市警本部の通称)に戻ったら、ナンバープレートの照会を紹介してくれって……』
『やぁ、フレッグ君!いいところに来たねぇ〜』
『は?何だよ気持ちわりぃ』
『なぁ、フレッグ。俺たちは軍隊時代から一緒だよな?』
『あぁ、それが?』
『俺は軍隊の練習に泣いていたお前を慰めてやったし、ミスを上官に黙ってたりしたよな?』
『あぁ、感謝してるよ?それがどうしたって』
『頼みがあるんだ』
『なんだ?』
『DEA本部から証拠品を拝借してほしいんだ』
『バカかぁ!!』頭をどつく。
『いってぇ!何だよ!同じ連邦捜査官だろ?』
『DEAは秘密主義の塊だ!CIAが小さくなったみたいにな。本部なんか要塞だ。それにお前は知らんと思うが、DEAとうち(FBI)は接点がほとんど無いんだ。あっちは麻薬、こっちは重犯罪。それになにより違法だろ!』
『お前が昔、ストリップガールに手を出した事、奥さんに言おうか?』
『クソ、テメェ!……。はぁ、どうせ弁明の余地はないんだろ?……今回だけだぞ』
『よっしゃ!』
『期待はするなよ』
『あの……。何か隊長怖いっす』
ベテランが満面の笑みを浮かべる。
『貸しはデカいぞ』
『はいはい。任せたよ』
~ウォール街~
ブライアン・スミスはウォール街のマーベリック銀行の前にいた。彼はドラッグ副作用を隠すため、帽子を被り、綺麗のオッドアイにサングラスを掛けていた。リストカットがバレないように、ブレスレットも巻いて。
隣の工事中のビルにいる仲間とアイコンタクトをする。そして、両脇の仲間二人と共に銀行に入っていく。
『おい、待てよ』一人の老人に止められる。『皆順番守ってんだ。ほら、番号札取れよ』
4番の紙をもらう。
『まだだ、落ち着け。隣の仲間が金庫に着いてからだ』
彼がここにいるのは、とある情報が入ったからだ。彼にとって一番信頼する人から、今日のマーベリック銀行は警備が手薄で盗みやすいから簡単に金が手に入ると。実際、金に困ってたしとてもハイな気分だから、銀行強盗くらいやってのける自信があった。
「位置についたぜ。しっかし、デカイ金庫だな」
無線で二人と連絡する。
『よし、作業開始だ』
バァン!銃を撃つ
『みんな伏せろ!手を見える位置に!』
『何かしてみろ!すぐ撃ち抜いてやる!』
ロビーで3人が人質を取り、金庫で二人を待機させる。
『おい!そこのお前!金庫の暗証番号を言え!』
『い、いえ……私はそんな、』
『死にてぇのか!』
『は、はい!4295と3817です!』
『聞こえたか?』
「あぁ、バッチシ!」
金庫担当が1トンの鉄の扉を開ける。
『っしゃ!』
『こいつはスゲー!500万ドル以上あるぜ!』
ほら言った通り!今日は警備が薄い。楽な仕事だぜ!
彼らが興奮と絶頂の最中、机の下に隠れていたスーツ姿の男がジッと様子を伺う。
『おぉ!スゲー!』
『まだまだあるぜ!』
金庫の二人がカバン一杯に金を入れてロビーに持ってくる。そして、二人は再び至福の金庫へ戻る。
簡単簡単!シッシッシ、これでまたドラッグが買えるぜ!
ブライアンが金を見ようとした瞬間
ドン!!カチャ
ショットガンの銃声とコッキング音と共に、ブライアンの横にいた仲間の体が大きく吹き飛ぶ。
『なんだ!?』
机の下にいたスーツマンがショットガンを持って出てきた。
『貴様!!』
ドン!!カチャ
バァン!バァン!
ブライアンはグロック17で応戦する。
スーツマンは再び机の下に隠れる。ブライアンと仲間の1人はカウンターの裏に隠れ、腕だけを出して応戦する。
セントラルホールは銃撃戦によりパニックになる。
『なんでショットガンなんて持ってんだよ!』
『知らねーよ!いいから撃て撃て!』バァンバァン!
仲間が腕を出してやたらに乱射する。
ドォン!!
『ぐぁぁ!あの野郎!!』
12ゲージのシェルに入った散弾は、机上の書類ごと腕を吹き飛ばした。
『ふざけやがって!』
ブライアンが立ち上がり照準を合わせる。だが、彼が見た時には、ショットガンの空薬莢が既に宙を舞っていた。光の速さで伝わったその光景は、彼の運動神経を刺激した。そしてそれは、引き金へと誘導する。
ドォン!
だが、放たれた無数の弾丸はそんなことを全て吹き飛ばし、ブライアンは大きく飛ばされる。
『お前ら襲う銀行を間違えたようだな!マフィアの金を奪っておいて無事で済むと思うなよ』
え?マフィアの銀行!?……はぁはぁ、聞いてねぇぞ。そんな、クソ!
ブライアンは起き上がろうとするも、力など入るわけなかった。
彼は金のバックを見ながら、酒と薬のくだらない人生に幕を下ろした。そして、ゆっくり目を閉じた。
~市警本部~
『なぁ、おい!今マーベリック銀行だが、今すぐ来い!』
ウィティカーがベテランに電話する
『あ?昼間強盗があったところだろ?マフィアの銀行を襲うなんてどこのバカだよ。俺は興味ねぇから行かねぇ』
『そのバカの身元だが、ブライアン・スミスだ』
『なに!?』
『アルファベット事件の重要参考人だよ!わかったらとっとと来い!』
『捕まえたか!?』
『そうだといいが……、死んだよ。ショットガンに撃たれてな』
『なんだと!……クソ!わかった、今行く!確かウォール街だな?』
『そうだ。ルーキーが運転したら10分で来れるぞ』
『あぁ、今すぐ行く!』
物語は遂にクライマックスへ。
被疑者死亡で連続殺人は終息したかに見えた。だが、ベテランはまだ納得いかない部分があった。なぜブライアンはこの銀行を選んだのか。
そしてまた、この結末に大団円と終止符を打てない男が1人、冷たいニューヨークで燻っていた。
※次話投稿は不定期です。早めに投稿できるよう努力します!