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1/364  作者: ブックス
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学級委員長そして◯◯になったみたいです

僕は不服にも学級委員長になってしまった。そう、全てはこの羽染翠のせいである。

「じゃあ、学級委員の2人〜前来て残りの委員決めてもらえる?」

そう担任は言うと近くの椅子に腰を掛けた。自分からやりますと宣言してしまった以上今更断れる訳も無く、泣く泣く前に出た。

前に行く時ヒソヒソ色んな人が会話しているのが聞こえた。”あの人かっこよくない?”や”学級委員長イケメン”など、聞きたくもないような事が耳に聞こえる。僕はそもそもイケメンやかっこいいなどという言葉が嫌いなのである。その為、いい気分はしなかった。僕は前に立ち

「それでは、残りの委員を決めたいと思います。この後の予定も詰まっているので、極力立候補の形で円滑な話し合いにご協力お願いします。」

と言った。隣では羽染が、おぉ廣瀬君本格的。と、前からは三雲がかっこいいぞ〜と野次を飛ばしてきている。僕はもう限界寸前であった。気を取り直して委員決めを行った。旅行委員を始めとし保健委員、放送委員、環境委員などほとんどが円滑に決まっていき僕は案外楽に決まるのではないかと感じていた。

しかし、問題が起きた。1人1つずつ委員会ないし、係に入ったにも関わらず1つの係が残った。雑務係である。先生に聞くところによると、プリントの配布や授業の連絡、黒板の清掃など本当に雑務をする係らしい。

僕は本気でやりたくなかった。ただでさえ、学級委員長をやらされているのにこれ以上仕事を増やさないで欲しい。その一心で色んな優しそうな男女に声をかけていった。しかし、もちろん答えは決まってNOであった。

すると、カッカッカッ何やら後ろで文字を書いてるような音がした。それと同時に歓喜の声が色んな人から起きた。僕は嫌な予感がした、振り向きたくはなかった。そして、振り向く前に羽染が僕の隣に立ち

「雑務係は私と廣瀬君で掛け持ちします。しかし、もちろん委員会を優先するため忙しい時は皆さんお手伝いお願いします。」

と言った。振り向くと雑務係の下には白いチョークで羽染、廣瀬君と堂々たる文字が書いてあった。隣では羽染が、それでいいよね?と微笑みかけてきた。もう諦めるしかないのかもしれない。

「僕と羽染さんで雑務係を行います。皆さんお手伝いお願いします。」

すると皆から憐れみなのか感謝なのかわからない拍手が起きた。

そして、ちょうど授業終了のチャイムが鳴った。僕らは業務を果たして席に戻った。次の時間はどうやら林間学校について決めるらしい、大和の番だな、などと思いながら僕はヘッドホンをつけた。しかし、カポッカチャ、僕は何が起きたのかわからなかった。視線を横に送るとそこには僕のヘッドホンをつけた羽染がいた。急いでヘッドホンを取り返して

「な、何をやってくれてんだ!」

「廣瀬君いっつもヘッドホンつけてるから何聞いてるのかなぁって、まさか廣瀬君がボ‥」急いで羽染の口を塞いだ。まだ誰にも言った事のない事なので恥ずかしいのだ。僕は顔を真っ赤にしながら

「羽染さん、それは2人の秘密に。」

羽染は2人の秘密という言葉が気に入ったのか物凄い上機嫌になり僕に笑いかけてきた。


やはり、羽染翠は苦手である。

しかし、どこか惹かれていくところもある。

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