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Fランクダンジョンの平和な日常〜ダンジョンコアになって十数年いろんなことがありました〜  作者: 弌黑流人
【第一部】 第二章 王族の危機とコアの秘密

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第17話 火熱の迷宮と、刀鍛冶たちの「究極の熱源」。

 コアの部屋を間近に控え、突如として出現した新たな階層『火熱の迷宮』。


 その迷宮には、マグマの熱を利用した最高級の癒やし(サウナ)と、コアの平和を維持するための絶対的な防御機構が詰まっていた。


 「低級ダンジョンなのに、誰も踏破できない」という奇妙な評判は、ある種の職人たちに、「究極の素材が眠っている」という期待を抱かせた。


 その日、ダンジョンを訪れたのは、三人組のパーティーだ。


 名前   性別 年齢 職業

 ゲンサイ 男  45  刀鍛冶(親方)

 シホ   女  25  刀鍛冶(姉弟子)

 フウガ  男  19  刀鍛冶(弟弟子)


 彼らは、マグマの熱を鉄と混ぜ合わせ、常識を遥かに超える切れ味を持つ「炎刀」を作り出すことを生業とする一族だった。彼らの目的は、マグマから流れ出る「熱を帯びた最高純度の鉱石」、そして、そのマグマの熱を直接感じられる「究極の熱源」の確保だ。


 彼らの装備は、重い鎧ではなく、熱を遮断するための分厚い耐熱布と、特殊な魔力結界が施された籠手だけだ。


 「親方、本当にここですか?ただの低級ダンジョンだと聞いていますが……」弟弟子のフウガが不安げに尋ねる。


 「馬鹿を言え、フウガ。『低級なのに、中級冒険者のパーティーを何組も追い返している』という事実が、このダンジョンの尋常でない証拠だ。シホ、魔力探査を」


 姉弟子のシホは、特殊な魔力レンズを覗き込み、驚愕の声を上げた。


 「親方!ダンジョンの奥に、巨大な熱源があります!マグマそのものです!しかもその熱を、何らかの魔力回路が制御している……これだ、私たちが求める『不純物のない究極の熱源』は!」


 彼らは、一般の冒険者が避けて通る『火熱の迷宮』の入り口へと進んだ。


対決①:動く壁と熱波の攻防

 迷宮に一歩足を踏み入れた瞬間、強烈な熱波が三人衆を襲った。


 「くっ!熱い!これでは通常の耐熱結界では一分と持たない!」フウガが思わず声を上げる。


 「慌てるな!マグマ熱を直接利用している証拠だ!シホ、魔力結界を『冷却に全振り』しろ!」親方のゲンサイが冷静に指示を出す。


 彼らが熱に気を取られている間に、通路の壁が音もなく動き始めた。


 タイルス・ゴーレムが構成する壁だ。コアは、彼らの進路を意図的に外れさせ、マグマ溜まりへと誘導するような複雑な迷路を構築した。


 「ジンが言っていた通り、壁が動く!同じ場所には留まるな!」ゲンサイは通路の動きを見切り、刀鍛冶らしい緻密な足運びで、熱波を避けながら進む。


 彼らの目的は討伐ではないため、タイルス・ゴーレムが壁として動いている限り、彼らに攻撃を仕掛けることはない。


対決②:鍛冶師の目と「良質な素材」

 熱波と動く壁を何とかすり抜け、彼らはマグマ溜まりの近くへと到達した。


 通路の脇には、マグマの熱で溶け出し、冷却された『低級鉱石』がわずかに露出している。コアが「デトックス効果」を付与するために調整した、『低級ながらも純度が高い』特別な鉱石だ。


 「これだ!この鉱石を見ろ、フウガ!低級だが、熱による不純物の燃焼が極限まで行われている。これなら、我々の刀に混ぜれば、必ず切れ味が増す!」シホが歓喜の声を上げる。


 彼らは鉱石を回収し、さらに奥へと進んだ。彼らの進む先には、マグマの熱が最も集中し、純度の高い鉱石が生成されているであろう『核心の熱源』がある。


 (まさか、マグマ熱を利用した「不純物除去」が、彼らの探す『究極の素材』になるとはな)


 コアは、彼らが素材を求めている以上、「踏破」の危険性が低いと判断した。しかし、彼らがコアの魔力制御装置に直接触れ、熱源を奪おうとする可能性は否定できない。


 ゲンサイたちは、熱源に近づくにつれて、「素材採取」という純粋な目的が、「この熱を独占したい」という職人としての欲望へと変わり始めていることに、まだ気づいていなかった。


 ご拝読ありがとうございます。なんだか雲行きが怪しくなってきましたね。冒険者稼業のものではなく、刀鍛冶パーティーに踏破の可能性が…。さてさて、どうなることやら。それでは、次回もお楽しみに!!

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