優とドキドキデート (※今回は凛音視点です)
皆さんどうも!Yukiです。
今回は凛音視点の回です。頑張りました!
褒めてもらえますか?
え、自分が小説書きたいから褒めるも何も無いって?
一人ぐらい労ってくれても良いんですよ。{^〆^}
それでは、本編を
「「どうぞ」」
カナ先輩を送り届けた帰り道、優と雑談をしながら帰っていた。
「カナ、楽しんでいたね。そのうち学校にも来てくれるかな?」
「優が心配しなくても来るに決まってるよ。」
「それにしても、凛音。よくカナを元気づけることを思いついたね。凄いよ。」
「凄くなんかないよ。友達が悲しんでいるなら、助けるのは当たり前だよ。」
当たり前のことを優は褒めてくれる。褒められるたび嬉しさが溢れてくる。
「でも一応、次の遊ぶことを考えておこうよ。明日空いてる?」
「うーん。空いてるよ。何時にどこ集合にする?私はどこでもいいけど。」
「じゃあ、最近できたカフェで、どう。」
「お洒落でいいじゃん。賛成。時間は午後2時からで良い?」
「良いよ。」
そろそろ家に着くので別れる。
家に着いた後は夏休みの宿題を始めた。しかし、一向に手がつかない。
今日の朝のことが気になってあの後どこか上の空だった。それを今も引きずっている。
今すぐにでも忘れてしまいたいが、死ぬまで忘れられないだろう。
この二日間を振り返って思う、僕は優に恋してしまった。
そう思ってしまった理由はある。
宿屋での朝で優に抱きついているのに気がついた時、申し訳ないと思うと同時に、嬉しいともどこかで感じてしまった。ドキドキした。
もしかすると、この気持ちが『好き』ってことで、『恋』をしたってことなのかもしれない。
でも、世の中には『恋の病』がある。
『恋の病』には絶対に叶わない恋を抱かせたことを死ぬまで恨む。
仮にもうすでに、『恋の病』に感染しているとする。今日、優のことが好きだと気づいたから僕の余命は後一ヶ月。
◇◇◇
次の日、朝5時に目が覚めた。楽しみで堪らなかったからだ。
とりあえず今日着ていく服を決めるとしよう。
散々悩んだ末に、半袖の白い無地のTシャツにジーンズといった服装にした。
時計を見ると、もう朝の7時だった。流石に服選びに時間をかけ過ぎだ。次からは寝る前に選ぶとしよう。
母に呼ばれて朝ごはんを食べにいく。
母がまじまじと見つめた後、口をひらいた。
「何かいいことでもあった?」
「いいや、別に。」
「そう。」
完全に怪しまれている。
朝ごはんを済ませると、優からメールが届いていた。
『今日の予定忘れてないよね?カナを元気ずけることだよ?』
「いくら僕が忘れっぽくても、昨日のことは忘れないよ。」
『いやー、よかった。流石の凛音でも忘れないよね。』
「あっ、馬鹿にしてたな?」
『バレちゃったか。』
そこで会話が途絶えた。
歯切れが悪い気もするが優との会話なんてこんなものだ。
そろそろ家を出る時間になった。
服装のチェックをして財布とスマホを持ち、玄関のドアを開ける。
綺麗な青空だ。一面晴れ渡っている。昊空、と言うのだっけ。
確か希望を抱かせる表現に使うような気がする。なら今の状況にピッタリだ。
前を見ると優が手を振りながらこっちに向かってきている。
耳を傾けなくとも蝉の声が聞こえてくる。ちょっと五月蝿い。
本当にいい日になりそうだ。
……五月蝿い優がこっちに向かってきている⁉︎
向かいの家なので家を出るタイミングは同じになりがちだが、まさか同じとは。
もう優が目の前までやってきた。
「ちょっと、何回も名前呼んでるだから返事してよね。」
「ごめん、空綺麗だなー。とか、蝉が五月蝿いなー。とか思ってた。」
「あははは。何それ、凛音らしいけどさ。まだ昼間なんだからシャキッとしなきゃ。」
「あっ。でも返事しなかったのは、許してないから。だから、カフェ奢ってね。」
気づいたらちゃっかり奢らされている。
天気が良い代わりに、日差しが痛い。ステーキになってしまいそうだ。
とりあえずカフェに向かって歩き出す。
道中では暑さに堪えるように、一言も話さず黙った。
会話がないというのは少し気まずい。かと言って、喋る気力もない。
カフェに入るとクーラーが効いていてとても快適だ。
生き返ったように話が弾んだ。黙っていた分を取り返すぐらい話した。
勿論、カナ先輩を元気付ける作戦も。
注文では優は1番高いパフェを頼んだので、オレンジジュースにした。
奢りなので予算的に1番安いオレンジジュースになってしまう。
絶対にいつか奢らせてやる。そう心の中で決心した。
カナ先輩のことを色々話し合ったところ、僕の出した案の夏祭りに行くということになった。
優に告白とかもしちゃったりして。だとすると失敗したら本当に人生終わりだ。
なぜなら夏祭り後には11日しか人生の猶予が無いからだ。
現実はなんて残酷なのだろう。
でも、『誰かの不幸の上にしか幸せ成り立たない。』僕はそう考えている。
簡単にいうと、電車で自分が席を譲ると他の人は座れる。ということ。
犠牲無しに幸せは来ない。
だから、死へのタイムリミットという不幸の上に恋愛成就という幸せが待っていると信じている。
「ねえてっば。何ぼーっとしてんのよ。」
優の眉間にしわが入っている。
どうやら何度も呼ばれていたらしい。
「あ、ごめんごめん。少しぼーっとしちゃってた。」
「熱、あるんじゃないの?」
そう言いながら僕の額に手を当て、熱を計る。
心臓がバクバクうるさい。優にまで聞こえてしまいそうだ。
耳がジーンと熱くなっていくのを感じる。
しばらくして、優は手を離した。
「ちょっと顔が赤くて熱があるわね、今日はもう解散。帰って寝て。」
心配するように言われたが、顔が赤くて熱があるのは優が僕の額に手を当てたからだ。
まだ、優と居たかったが承諾した。これ以上は心臓が持ちそうに無い。
家に着くと優からメールがきていた。
文を見た瞬間ドキリとする。
『今日のデート楽しかったね、、、なんてね。』
不意打ちは卑怯だ。きっと、今、僕の顔は真っ赤だろう。自室で良かった。
心なしか、口も緩んでだらし無い顔をしている気がする。
「夏祭り、楽しみだね。」
一言で返信する。
それからの日々はあっという間だった。
◇◇◇
待ちに待ったこの日。
玄関の鏡の前に立って、服装をもう一度確認する。
紺色の浴衣にグレーの帯、履き物は下駄にした。
「いってきまーす。」そう言って家を出る。
駅に向かう最中、優からメールが来た。
『カナ、風邪ひいて夏祭り来れないみたい、残念だね。』
「えっ、残念だな。」
返信完了っと。
駅に到着すると、ベンチに座って待っている優の姿があった。
服装は、黒い帯に白い生地の浴衣。水色の凛と咲く花が描かれている。
頭には霞草のドライフラワーがさしてある。
隣にどんな美女が立っても霞んでしまいそうな可愛さがある。
「おっ、来た来た。」
「なーに、見惚れてるのだか。」
心なしか少し嬉しさが混じったような声だ。
「か、可愛いかったからだよ。」
「っ、い、行こっか。」
すぐに駅の方へと向かってしまったのでよく見えなかったが、ほんのりと頬がピンク色に染まっていたような。
祭りの会場の最寄り駅まで、5駅。
たいした距離では無いはずなのだが、やけに時間が長く感じた。
電車から降りて祭りの開かれている場所まで向かう。
「祭りで何をする?」
「祭りで何を食べる?」
聞くと同時に聞かれてしまった。
なんだかおかしくなって笑い合った。
僕と優が出会った幼稚園、その道の前で。
そんな会話をしながら向かっているのだが、先々で振り返る人が多発している。
前から思っていたのだが、優とカナ先輩は可愛い方だと思う。
そういう優と幼馴染だと思うと、なんだかこっちまで誇らしい。
祭りの開かれている場所に近づくほど、人も増えてくる。
「は、はぐれたら困るし、手でも繋ぐ?」
思い切って言ってみたのは良いものの、声が震えてしまっていた。これでは格好がつかない。
「良いよ。」
勇気を振り絞って言った言葉をあっさりと返された。
僕の言った言葉にヒビが入った様な気がする。
兎に角、手を握る。
優の手は小さくて、温かくて、柔らかくて、簡単に壊れてしまいそうだ。
手を握ると、強く握り返された。なので、少し強く握り返す。
「痛い。」
痛そうな顔で言われたので強さを元に戻した。
祭りの会場に着いてからは先に買って食べることにした。
僕は、チョコバナナとホルモンにする。優は、ベビーカステラとかき氷。
「チョコバナナとホルモンって、あっはははは。組み合わせどうなのよ。」
どうやらツボったらしい。ずっと笑っている。
ご飯を食べたら、遊びだ。
射的で勝対決をしたり、金魚すくいを楽しんだり、お面を買ったり。
夢の様に楽しい時間だった。時間はあっという間に過ぎていく。
「凛音、あのね。その……やっぱり、なんでもない。」
「なんだ、なんでも無いのか。真剣に言い出すから、重要なことかと思ったじゃん。」
少し、さっきまでよりも声の調子を上げて言う。
ヒュー、ズドン。
晴れた夜空に大輪の華が咲く。
「凛音、花火綺麗だね。」
「……綺麗。」
思わず、声に出る。
「そんなに花火にむかって、愛おしそうに『綺麗』だなんて。好きな人に対して言うみたいに、言うんだ。」
「そ、そうかな?」
優を見て言ったなんてとてもじゃないが言えない。
優の笑顔が様々な色に彩られる。
この笑顔が愛しくて、愛らしくて……抱きしめてしまいたい。永遠にその笑顔を守りたい。
今は夏祭りに来ている告白の絶好のチャンスだ。今日、告白しよう。
優と出会った、幼稚園で。全ての始まりの幼稚園で。
しばらく、花火が続いた後いよいよクライマックスがきた。
たしかそれを、スターマインという。
そして今日は人生のスターマインだ。
初めて、優と二人っきりで夏祭りに来た。そして、優に告白する。
一日のうちに色々起こる。
最後にはたくさんの花火が宇宙に宇宙に放たれた。
夜空には静寂が戻る、何も無かったかの様に。
花火と時を過ごした人の中にしか、花火は無い。
消えたものは、共に時間を共有した人の中でしか、生きていけない。
◇◇◇
帰り道、幼稚園の前に来たところで、凛音は話を切り出す。
「あの。」
「ねえ。」
話を切り出すタイミングが重なった。
「じゃあ、先僕から。」
「何?」
二人は自然と、歩みを止める。
どうでしたか?
感想、レビュー、アドバイスなどをしていただけると嬉しいです。
次回は優視点で行こうと思っています。(もしかすると番外編を書くかもしれません。)
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