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黄昏時のスーベーニール

作者:辰巳りん子
 塩化ビニルモノマーで出来た怪獣。近在の浜辺で拾った犬の下顎骨。
 セミの抜け殻。それと対となるように集められるたくさんの虫の亡骸。
 到底八歳の少女が好まぬようはそれらを愛でる彼女は、いつもいつだってそれだけで満ち足りているように見える。さりとて『|ギフテッド《神からの贈り物》』を生まれ付き得てしまった彼女の孤独感は誰にも分からない。
 彼女に興味のない父。彼女に関心を持たぬ母。如何にも相容れぬクラスメイトたち。
 そんなひとりぼっちの彼女を。どうしても惹き付けてやまぬモノがいる。
 彼女はそのモノを見付けてから、恋心と云うものを知らずして、尚、そのモノに恋をしていた。そう、近在の邸宅に設えられた一体の異形なる石像に。
 彼女のように逸脱するものはただ弾かれ、『いじめ』と呼ばわれる暴言や暴力を受ける。そうして彼女、いやさ小夜子と云う名の少女に転機が訪れる。
 ある日石像へと歩み寄り、二人だけの密約を交わしたその夜、小夜子に夢にまで見た使者が訪れて、彼女の未だ小さな体へと手を添わせ、小夜子をまるで冷たく、しかし何故か温度を感じさせぬ世界へと誘《いざな》わせる。
 「助けるから、助けてと云ったろう?」
 そのモノはそう発して、小夜子を今まで感じたことのない世界へと攫って行く。 待っていたのは何処までも青い洞に据え置かれた石くれと石礫ばかりの静謐な世界。
 彼は云う。「この世界は美しい世界であった」と。そうしてそれを小夜子に取り戻してもらいたいと。
 果たして小さな小夜子に彼らの地を取り戻すことは出来るのであろうか。
 
プロローグ
2025/03/19 21:49
小夜子の転機
2025/03/19 21:50
大鳥家
2025/03/19 21:50
小夜子の宇宙
2025/03/19 21:50
忘却の彼の地
2025/03/19 21:50
三年前
2025/03/19 21:51
四年前
2025/03/19 21:51
2025/03/19 21:51
御大
2025/03/19 21:51
大鳥啓輔
2025/03/19 21:52
大鳥加代子
2025/03/19 21:52
現在地
2025/03/19 21:52
2025/03/19 21:52
邂逅
2025/03/19 21:53
迷路
2025/03/19 21:53
会合
2025/03/19 21:53
来雷
2025/03/19 21:53
恋をするひと
2025/03/19 21:53
侵されしモノ
2025/03/19 21:54
大鳥加代子・弐
2025/03/19 21:54
彼の地
2025/03/19 21:54
別れのとき
2025/03/19 21:54
腐れた土壌
2025/03/19 21:54
真の姿
2025/03/19 21:54
神に隠され
2025/03/19 21:55
書斎へ
2025/03/19 21:55
再び、彼の地へ
2025/03/19 21:55
世界、へ
2025/03/19 21:55
大鳥家の珍事
2025/03/19 21:55
哀れみの場所
2025/03/19 21:55
神隠しの場所
2025/03/19 21:56
よみがえる大地
2025/03/19 21:56
エピローグ
2025/03/19 21:56
エピローグ・弐
2025/03/19 21:56
真・エピローグ
2025/03/19 21:56
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