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14.労働の村ヴェルデ

 キーファはアナベルの後に着いて歩いている。足場は木々の根の絨毯のようになっており、歩きづらかったが進んでいくと徐々に陸地が見えてきた。

「キーファ、こっち。」

アナベルはキーファを呼んだ。アナベルは軽やかに木を登っていく。キーファはアナベルに続く。木の頂上に着くと、地面があった。だが、ここも本当の地上ではないようだ。上を見ると土の壁はまだ続いている。アナベルは岩や石がゴロゴロある地面をどんどん進んでいく。しばらく歩くとアナベルは足を止めた。アナベルが立っている場所で地面が途切れている。

「着いたよ。あれが僕の村、ヴェルデだよ。」

アナベルはそう言い、下を指さしている。キーファはアナベルの隣に立ち、指さす先を見下ろす。すると、そこは土の壁で囲まれた広い空間に大勢の人間が働いていた。数人の男たちが大きな布袋を運んでいたり、縫物をしている女の人たちがいたり、大きな木をチェーンソーで切っていたり、よく見ると、土の壁に無数の穴が掘られ、その中でも人々が何か作業をしている。ここから見える範囲には屋台や嗜好品などが売られた店は全くない。木材や鉄が大量に入っている箱や何かを加工する機械が至るところにあるだけだ。異様な光景だった。これが人の住む村なのか。

「これ、工場とかじゃないの?」

「ううん。村全体さ。」

「どこで寝てるの?」

「壁の穴の奥さ。」

「ふーん。よくこんなところで暮らせるね。」

「うん、そうだね。」

「で、そのランセルって子はどこにいるの?」

「……分からない。」

「えー?」

「ランセル、僕が奴隷としてヴォルカに売られるとき、僕を逃がそうとしてくれたんだ。でも奴らに見つかって……だから罰として、どこかに閉じ込められてるか、もしかしたら僕みたいに買われて、もうここには居ないのかも……。」

「じゃあ、ヴォルカに聞けば分かるってこと?」

「だ、だめだよ!キーファも捕まっちゃう。」

「でも、それじゃあ探しようないじゃん。」

「……。」

「ん?どうした?」

「母さんに聞けば分かるかもしれない。」

「母さんって、アナベルの?」

「うん……。」

「何だよ、それなら話が早いじゃん。早く聞きに行こう!ん?でも何でアナベルの母さんが知ってるんだよ?」

アナベルは黙り込む。

「アナベル?」

「……ヴォルカに売られるとき、母さんも側にいたんだ。僕を売ったのは母さんだから。」

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