補完2 ~第3話戦国の洗礼 魯坊丸の覚悟~
この第3話は魯坊丸が那古野城に訪ねたお話です。
登場人物と城の位置を書くスペースがなかったので地図で示しております。
【城と城主】
那古野城 織田信長
末森城 織田信勝
守山城 織田信光
勝幡城 織田信実
中根南城 中根 忠貞 (織田魯坊丸)
島田城
平針城
下社城 柴田勝家
清須城 織田信友 〔織田大和守家 尾張下守護代〕
岩倉城 織田信安 〔織田伊勢守家 尾張上守護代〕
織田家が多いので区別が難しいです。
一族同士で婚姻するので姻戚関係も複雑ですので説明するとなると大変なので省いています。
信長と魯坊丸の父である織田信秀は、実質の国主まで上り詰めました。
もちろん、主は守護の斯波義統です。
現代風に言えば、副社長も織田信友のままですが、会議で部長の方が実権を持っているという場合は会社でもあります。
織田信秀はそんな感じで、尾張を統一していました。
しかし、美濃の斎藤利政、駿河の今川義元に唆された織田信友が蜂起して敵に回り、病気で亡くなった為に、信長は四方に敵を持った状態でした。
魯坊丸の会話に登場した『織田の長城』の全貌はこんな感じです。
柴田勝家の居城である下社城辺りが上流となり、岩崎城の丹羽家との国境である高針と大針の辺りから国境線の長城が造られます。
北は香流川、南は植田川の西側の護岸壁を高くつくり、壁に沿って外堀を掘ることで防御力を高めて
川の所々に水を堰き止めるダムを作り、織田領の貯水地を兼ねた農地用水として利用しています。
氾濫対策を兼ねているので矢田川、天白川の辺りになると、護岸工事の規模を大きくなりました。
織田信秀が亡くなった頃に矢田川が土岐川 (庄内川)と合流したところまで進んでいますが、この辺りから、川沿のギリギリに護岸壁を建て、内側を埋め立てて新田を作る計画も加わります。
新田開発も加わって、工事が大規模になっている時期でした。
工事が下流になるほど複雑になっていったことは、小説内で書けませんでした。