目覚め
「ここは……?」
少女は額の布に手を当てながらゆっくり上体を起こす
「よかったぁ、目が覚めたみたいだな!」
リヒトが声をかける
「……また助けてくれたの?」
「まあな、いきなり倒れたから止まっる宿に連れて来たんだ」
「見ず知らずの私を二度も助けてくれて、本当にありがとう」
少女は深く頭を下げて感謝を伝える。
「どういたしまして--で、何か思い出せたか?」
「……まだ何も、」
少女は困ったように下を見る
「そっかぁ、うーん、、」
記憶の回復は神殿に行けば出来るがバカみたいな金が要るからなぁ、見たところ所持品は何もないし俺もお金に余裕があるわけじゃねえしな
「とりあえず、呼び方は決めておくか!なんて呼ばれたい?」
少女を元気ずけるようにリヒトは尋ねる
「特に希望はないからあなたに決めて欲しい」
「分かった、じゃあアオだ!」
「髪が青いから?」
今度は少女が尋ねる
「そうだ!」
リヒトは満面の笑みでそう答える
「……安直」
「嫌か?」
「ううん、アオがいい」
そう答えたアオは少し頬を緩めた
「まだ聞きたい事はあるが、もう夜も遅い話の続きは明日だ……おやすみ、--ぐう―がぁー」
そう言うとリヒトは隣にあるもう一つのベットに横になり直ぐに寝た
「……おやすみなさい」
少女も後を追うように眠りについた