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星々煌めく異世界で  作者: 二月ノ三日月
第四章【南国諸島編】
196/276

第187話 差し迫る脅威

 五匹の白い巨大狐が、俺達を乗せて割れた海から出てきた陸地を通って、目的の無人島へと上陸する。

 一時間掛かると思ったが予想より速く走っていて、目覚めてから二十分程度で着いてしまった。

 懐中時計で時間を確認する。


(現在午後三時二十分、か)


 夜になると面倒なので、手っ取り早く島の探索に行こうと思いながら、狐から降りる。

 無事浜辺に到着して、辺りを見渡してみる。

 清涼吹き抜ける風に身体の熱が奪われ、浜辺は穏やかな波が寄せては返す。

 雄叫びの無人島が目的地を前にして左手にあるが、しかし海の荒れ具合から見ても、帆船での上陸が不可能であるのは周知の事実だ。

 意外とデカい島だ。

 このサンディオット諸島は自然を残したまま南国の楽園と化したため、浜辺の先に森林があっても大して驚きはしなかった。


「皆、ご苦労様でしたの」


 狐達を撫でて、お礼の油揚げを可愛らしいポーチから取り出して狐達に与えていた。

 餌付けするのは当然として油揚げがこの世界にあったのに対して妙な感覚が燻ったが、お礼を受け取って役目を果たしたのか、召喚を解除されたスノールナス五匹はそのまま砂浜から姿を消した。

 元の場所に帰ったのだろう。

 聖獣と契約している時点で凄いが、彼女の体内にある神力が少しずつ減っていたようで、疲れが表情に出ている。


「……にしても、不思議な感覚だな」


 森の奥地に何かある、そんな気がしてならない。

 浜辺は左右に広がっており、右から、左から、そして真っ直ぐ進む三つのルートに分岐し、七人いる調査隊は三つに分離すると予測した。

 それが一番効率的な選択だろうから。

 しかし俺とユスティは、婆さんから聖女シオンの護衛を担っている。

 そのため、どちらかはリュクシオンと一緒にいなければならない。


「まず状況の確認から始めよう」


 率先して俺が全員を纏める。

 一番内情を知ってるのは俺だから、と言うよりも俺のギルドカード内にしか地図や情報が入ってないから、この確認は俺がするのが最適だ。

 面倒だの何だの言ってられない。

 全員の視線が俺を貫く。

 六人からの視線に突き刺されるも、俺は魔法衣のポケットからカードを取り出し、情報を空中投影させた。


「『情報展開』」


 大量の情報がギルドカード外へと記録として投影されているが、この技術に脱帽する。

 流石はギルドだが、使い方次第か。

 俺は情報の中にある星夜島周辺の地図以外を消し、この離島を拡大させた。


「俺達は目指していた島に辿り着いた。五つのギルドカードの反応が森の奥から発せられている。目的は攫われた五人の生存確認、そして他に情報が無いかの探索だ」

「他の情報とは何じゃ?」

「誘拐犯がここに拉致したなら、他にも誘拐された奴等がここに閉じ込められてるかもしれない。牢屋があったりするかもな」


 他の島でも誘拐事件が多発しているのは、月海島日輪島の考察レポートの記録に記載されていた。

 即座に殺すにしても、屠殺場とかがあるはず。

 それかゾンビ兵士の宿泊施設みたいな、もしくは収容所のような場所があると睨んでいる。

 だから俺達の現時点での目的は、五人の行方不明者捜索に加え、誘拐に関する情報捜索となるが、俺個人では他にも目的がある。

 俺の考え通りなら、この島には重大な秘密が眠っているはずだ。

 それに俺の右手に見えた赤い糸、それが何を示唆するかを確認しときたい。


(催眠術師が見せる幻だったのか……)


 今は見えない。

 見えたのは悪夢、それから明晰夢での出来事の最中だが、結局は会話はできなかった。

 でも、感情は伝わってきた。

 その感情に返答を求められても困るが、彼女との約束を果たすためにも、俺は行動に出る。

 早る鼓動を鎮め、現状問題の早急たる解決を優先事項に組み込んで続きを話す。


「この島、他の何とも違う気配を感じる。星夜島の森で戦ったゾンビ共がこの島でも出ないとも限らない。細心の注意を払って行動しよう。最低でも二人か三人、固まって行動すべきだ」

「ですが、全員で森を探索するのでございましょう? 全員で探索に当たるのが最適では?」

「非合理的すぎんだろ」


 ユーグストンの言う通り、合理的ではない。

 全員で森を探索するのも一手だが、俺は分散させるべきだと思う。

 詳細説明のため口を開いた瞬間、ユーグストンの肩を掴んだアルグレナーが、非合理的という意見に賛同して彼の斜め後ろから身を乗り出し、提案を述べる。

 数々の経験を積んできた老人の意見は重要だ、犯人でなければだが。


「闇雲に探るのは非効率的じゃし、我が輩は三つに分かれての探索を提案する」


 ここで俺とアルグレナーの演説はバトンタッチ、爺さんが詳細を掻い摘んで説明する。

 この無人島は未知の孤島でどんな危険があるか予想できない、だから全員固まって慎重に行動しなければならないのだが、それだと効率が格段に落ちる。

 まずこの島の広さが不明。

 この地図もそこまで高性能ではない。

 だから、大きさや距離の縮尺も役立たない。

 そもそもこの地図は右端に位置するため、東側が途切れてるのだ。

 探索に時間も掛けられない。

 が、しかし俺達は慎重さと天秤に乗せて、率爾な取捨選択を迫られる。

 爺さんの言う通り、三つに分けるのが非常に効率的で互いの監視にもなるが、その分リスクは高まる。

 二人、二人、そして三人。

 その分け方だと、犯人と行動する者達が不利だ。

 しかも捜索するのは雑木林以外に、右と左へ浜辺に沿って進むルートがあり、三分岐間のルート次第では秘密裏に人を攫ったり殺したりは可能だ。


(いや、逆に二人ペアの中に犯人がいたら、その二人のどちらかが犯人と確定しちまうし、三人グループにいたとしても絞り込める……)


 それを計算に入れて、三つに分けようと提案したなら爺さんは策士だ。

 分かりやすい状況で犯人が行動するとは思えない。

 しかし相手は催眠術師、幾らでも欺ける。

 それに、そこを逆手に取って完璧なアリバイを作る、という方法も考え付けば、俺達自身の首を絞める結果に繋がってしまう。

 八方までは塞がってないものの、着実に喉元に手が添えられる。


(この方法で分けるなら、少なくとも回復できる奴がそれぞれいた方が良い。なら俺とユスティを分離して彼女を聖女とくっ付けるのが最適だな。けど、それでも俺と聖女の二人しか回復役がいないから、一つのチームは回復手段ゼロで挑まなくちゃならなくなる)


 どうするのが正解なのか、理想的な状況を試行錯誤するが見つからない。


「提案は了解したが、班分けはどうするよ爺さん?」

「では僭越ながら、くじ引きで決める、というのはどうでございましょうか?」

「くじ引き、ですの?」

「適当だな」

「では、ユーグストン様には何か名案でも?」

「……」

「まぁまぁ、ダイアナさんの名案通り、くじ引きにするとして、どういった組み分けにするんだい?」

「三つに区分するなら、二人ペアが二つ、三人グループが一つってとこだな」

「そうでございますね……アルグレナー様、少し大きめで底が深い形状の筒を作っていただけますか?」

「ん? おぉ構わんぞ、ほれ」


 地面が突然隆起し、筒状の土器が出現した。

 地面と切り離した筒を、地に手も付かずに予備動作無く能力を発動させた。

 やはり想像以上の熟練度をした鉱物操作だ。


「それで? その空の容器に何入れるつもりだ?」

「フフッ、勿論それは……」


 当たり付きの割り箸でも入れるつもりか。

 それとも別の何かか、筒だけでは意味を成さない。

 そう思って問い質したが、ダイアナは背中に背負った鋏刃を地面に突き刺していた。


「『内苑/虹の花畑』」


 すると彼女の体内エネルギーが、地面に注がれる。

 地中から生えたのは新芽、そこから急成長の果てに大量の色取り取りの花々が咲き誇った。

 綺麗な花畑がダイアナ中心に咲いている。

 植物学者と言われても造作ない能力だが、造園技師であるらしいダイアナの能力からしたら、内苑、つまり中庭を花畑にしたと取れる。

 面白い使い方をする職業従事者だ。

 職業の可能性を見たが、彼女は花園に揺れる赤、青、そして黄色い花を合計七本摘み取った。


「色付きの花?」

「えぇ、赤い花二本が右の浜へ、青い花二本が雄叫びの無人島方面の浜へ、そして黄色三本の花が雑木林へ、というのは如何でございましょう?」


 全員への確認を取り、反駁する者はいなかった。

 その七つの花を逆さにして、筒へと入れる。

 茎が七本、ダイアナは全員から背を向けてシャッフルしてから、俺達全員の前に突き出した。

 くじを引け、と言うのだろう。

 しかし回復手段である俺とリュクシオンが二人ペアになったり、それか三人グループに組み込まれたら、やり直しを要求する。

 それに催眠術師がこの地質調査隊の中に潜むなら、色を錯覚させて好きなように配置を決められる。


(容量の関係上、催眠を上乗せできない、のか?)


 覚醒者だとしても、容量に制限はある。

 俺の使う錬成も範囲が決められているのと同じ、神より授かりし職業が厄災の種となっている。

 神様は俺達に争わせるために職業を与えたのだろうか。


「順番に引こうか、どれを取っても文句は言わない、一発勝負さ」

「こんな時に文句言う奴はいないだろ」

「確かに君の言う通りだよね、ユーグ君。じゃあ君から好きなのをどうぞ!」

「チッ……」


 舌打ちして、少し迷いながら一本の茎を掴んだ。

 筒は暗くて花色が見えないので、どれを選んでも結果は蓋を開けてからしか判明しないため文句は言えないが、聖女と離れ離れになると面倒だ。

 もしもの時は影鼠を仕込んでおくとして、どれが最適だろうか、どの茎を選べば俺の最善となるか、悩んでも妙案は一切浮かばない。

 こんな衆人環視の中で不正はかなり難しい。

 ユーグストンが軽く茎を引っ張って、取り出したのは黄色い花だった。


(ユーグストンは森の探索か……)


 何だろうか、この嫌な予感は。

 それに違和感も。

 

「次はどうする? 誰が引く?」

「そのまま時計回りでええじゃろ、次は聖女様じゃな」

「わ、分かりましたの」


 ドキドキと鼓動を高鳴らせて、彼女は茎を摘む。

 その六本のうち一本を引き当てて出たのは、赤色をした花だった。

 つまり、彼女は森を正面にした時に右手の浜辺を捜索するに至ったのだ。

 時計回りとなったため、ユーグストン、リュクシオンに続いてユスティ、レオンハルト、アルグレナー、俺、最後にダイアナという順番で引く。

 ユスティの運は、天下一品。

 幸運なのか不運なのか、彼女は聖女とは反対方向の左側へと向かう青色の花をゲットした。


「どうやら私は左側から攻めるようです」

「みたいだな」


 彼女の引いた蒼花が何を意味するのか、どんな運命に作用するのか、これを覆すのは野暮だろうから、彼女も観察対象に加えよう。

 これで赤、青、黄の三色一本ずつ引き抜かれた。

 残りは四本、次にレオンハルトがどれを選ぼうかとウキウキしながら選択し、思い切って上空へと振り上げ、花弁が散っていく。

 その花弁が黄色をしていた。

 その一枚が俺の頭上にも落ちて髪に留まったため、それを摘んで眼前に翳してみる。

 魔力を帯びているようで、微かにダイアナの魔力を感じられたが、それ以上に生命力も含まれている。


「お前も黄色か、格闘家……」

「うん、どうやら僕も森の探索に当たるようだ」


 海風によって、花びらが上空へと舞い上がり、真っ白な浜辺は虹色に染まる。


「次は我が輩じゃな。どれ、運に身を任せて……と、赤色の花じゃったか。よろしく頼むぞ、聖女様よ」

「はい、楽しみですの」

「いや、楽しんだらいかんじゃろ」


 爺さんは真っ赤な花を握っていた。

 赤色の薔薇のような綺麗な花弁が、微風に吹かれて踊っている。

 残りは俺とダイアナの二人。

 互いに目線がぶつかった。


「先に引け、ダイアナ。俺は最後で良い」

「で、ですが……」

「どうせ青色か黄色しか無いんだ、正直どっちでも構わないからな」


 できるなら黄色、つまり森の探索を担いたい。

 真実を求めて、俺はこの先に待ち受ける何かを見つけに森へ行きたい。

 それに浜辺を探索しても無意味だ。

 ギルドカードの反応は森の奥を指し示す。

 なら目指すは雑木林一択だが、ここは天運に身を任せてみるのも一興か、ダイアナに選択権を委ね、彼女は一本の茎を選んだ。

 茎を引っ張って筒中から取り出すと、彼女が持っていたのは青色の花、つまりユスティと同じく左側の砂浜を探索するという結果が出た。

 最後に、俺は残った一本の茎を手に、それを引き抜いて確認する。


「どうやら、これで決まりのようだな」

「そのようでございますね」


 ダイアナは青、俺は黄色、この二本の印が俺達の行く末を決定した。

 赤色の花二人、青色の花二人、そして黄色い花三人、誰かが不正した素振りも見せず、また職業を誰かしら駆使した痕跡も霊王眼で見た限りでは見当たらない。

 唯一、ダイアナだけが職業を先んじて駆使していた。

 これは花を出現させた時の残滓だろう。

 虹色に咲く花畑が消失し、俺達の手元にあった花も枯れて塵芥と化し、手元には一枚の黄色い花びらが小さく風に揺れていた。

 空には綺麗な花びらが舞い、何処かへ飛んでいく。

 虹色の砂浜はまた、真っ白に煌めく。

 俺達の残した足跡が、未だ残っている。

 全員が何処に行くか決定して、七人の集団は三つのグループに即座に分かれた。


 『黄色の花/雑木林の探索』

 ・ユーグストン 『調教師?』

 ・レオンハルト 『格闘家』

 ・クルーディオ 『薬物師(錬金術師)』


 『赤色の花/南側の砂浜の探索』

 ・リュクシオン 『聖女』

 ・アルグレナー 『地質学者』


 『青色の花/北側の砂浜の探索』

 ・ユーステティア『狩猟師(狩猟神)』

 ・ダイアナシア 『植物学者(造園技師)』


 こうして纏めてみると、偏ったなと思う。

 特にユーグストンが森の探索をするというのは、何だか作為的に思えるが、彼が不正した形跡は一切無いと霊王眼で断言できる。

 だが何故か、その霊王眼が揺らぎを感知した。

 その揺らぎがユーグストンの身体から出ていたように映ったため、その残留魔力を追い掛ける。

 しかし、そこには海だけが映っていた。

 綺麗な大海原が、調査隊の通ってきた陸繋の砂州を覆い隠して、帰り道を奪っていく。


(誰かがいたのか?)


 いや、そんな馬鹿な……

 有り得ない、やはり気のせいかと思った時、ふと足元に視線が落ちたが、雪狐の降り立った場所には十三個もの足跡が残存していた。

 かなり多いが、半分程度は召喚されて俺達を運搬してくれた雪狐の足跡だが、残りは俺達の足跡だ。


「……」

「ご主人様、どうされたのですか?」

「いや、ちょっとな」


 有り得ないは有り得ない、前世と違って特異能力を使えるビックリ人間の集まりだ。

 突飛な推測も歓迎する。

 だからこそ俺は違和感が拭えずにいて、同時に外部犯の可能性も急に突進してきた。


(いつからだ?)


 気配も感じさせない潜伏力を犯人側が持ってた場合、こちらに勝ち目は無いが、今のところは俺達に被害は零に等しいため、一先ず保留。

 だが、ユーグストン不正説も出てきた。

 要注意人物として近くで監視していよう。

 もしかすると一気に謎が解決するかもしれないから、俺は気を引き締めるため、両頬叩いて雑木林から一旦意識を切り替えた。

 足跡がユーグストンの真後ろで止まってるが、この謎については後だ。


(あいつの背後にいたのは爺さんだったが……)


 最初ユーグストンの背後にいたのはアルグレナーだが、不自然な部分がある。

 だがその前に探索だ、いつまでも呆然と佇んでる訳にはいかない。

 俺は集まってる二人の元へ向かう。

 レオンハルト、格闘家で俺と同じく孤児院出身、俺と似ている部分もあるが、常に笑顔を浮かべて何を考えてるか今一読めない男だ。

 ユーグストン、調教師と嘯く謎の船乗り、冷静で夜中は常に一人で行動しているため犯人第一候補であり、肩には真っ白な猫がいる。

 その猫がこちらを見ている。

 不思議な猫のその空色の瞳が、俺を凝視している。

 その猫との意思疎通は可能だろうが、猫と会話するのは非常に面倒そうだ。


「さて、では三班に分かれての行動開始じゃ。くれぐれも気を怠るでないぞ、特に森を探索する三人」

「勿論さ」

「……言われずとも」

「爺さんもな」


 野郎三人で、俺達は森への探索を開始する。

 一方でユスティとダイアナ、聖女シオンとアルグレナーも別々の浜辺を歩いていく。

 一瞬、ユスティと目線が交差した。


『ご主人様、お気を付けて』

『あぁ、そっちもな』


 そのまま通信を切ろうとしたが、一つだけ注意事項を伝えておく。


『ユスティ、足跡に気を付けろ』

『……分かりました』


 彼女は目を見張り、俺の言葉の意味を即時理解を示し、周囲を警戒する。

 これで懸念は一つ去ったが、全員の影に鼠を仕込んでいる以上は影を使えない。

 錬金術もまだ不安定だし、精霊術も精霊ステラがまだ出てこないために大して威力は出ず、生命力は操るのが難しい以上、残り頼れるのは魔力と両方の魔眼、それから薬物による攻撃手段のみ、か。

 縛りでの探索に駆り出される。

 呪印はもう霊魂とそこに紐付けされている職業にまで侵蝕して、だが超回復が作用してるから多少無茶でき、今後が予想できない。

 衰退か、停滞か、それとも快復か。

 四人の背中を見送り、俺達三人も出発する。


「俺の足だけは引っ張るなよ、似非冒険者共」

「ちょっ――それどういう意味だよユーグ君!? あ、ちょっと待ってよ!!」

「おいおい……大丈夫かよ、このメンバーで?」


 勝手に出発するユーグストンを追い掛けるレオンハルト、そして彼等の後を追躡する俺。

 乱れた連携で、森へと入っていく。


「人選ミスだな、これ」


 聖女の護衛も影でしかできない。

 事件もそうだが、護衛の件、そして記憶の回帰、夢で見たエルフの少女、集中しなければならない場面で何故か頭を巡るのは、募らせた懸念ばかり。

 今回は何か可笑しい。

 多くの人間の思惑が複数の糸のように絡み合っているように感じられる。

 そして悪意もより強く森から察知できた。


(俺にも何か関係してるのか?)


 相手の動機が不明、よって途切れない思慮が回転を早めていく。

 今回の出来事を纏めると、俺はこの諸島の調査隊で活動してから、いや、その前に諸島が近付いてきたところから悪夢を見始めた。

 そして悪夢の内容は、俺の記憶に関与している。

 また明晰夢で出てきたエルフの少女の姿は、以前セラの脳に干渉した時に引き上げられた記憶像と同一人物のはず、それに右手薬指にあった赤い糸は何だ。


(確か前にナフォルジア姉妹が言ってたな。お姉様、それが彼女なんだろうか?)


 気付けば二人の姿が見えない。

 もう森の奥に行ってしまったようだ。

 思考循環によって行動が停止していた俺は、森の入り口で佇んでいた。

 入り始めだが、一旦外に出る。


「さて、と……やっぱ気になるし、一応調べとくか」


 誰もいない浜辺で、俺は森の捜索前に全員の足跡を詳しく調査だけしておく。

 その場に膝を落とし、靴の形とサイズを目測する。

 十三個のうち人間の足跡だけを計測してみたが、そこには予想外の事実があった。


「あ? どうなってんだ、これ?」


 可笑しい足跡が一つあった。

 とある人物の足跡が二種類存在したのだ。

 一つは魔力残滓の欠片も感じない普通の足跡、もう一種類はその残滓が籠もる特殊な痕跡、この二つの足跡の事実から一つの可能性に到達した。

 だから、冷や汗が浮かんでいた。

 カチッと歯車が噛み合う幻聴が脳裏を駆け抜ける、この爽快に震える感覚が、一歩前進した証左だ。


「まさか……そうなのか?」


 霊王眼を駆使すると魔力残滓が足跡にまだ残されていたのが、蒼白い流動エネルギーとして視界に入り、何とか気付けたのだ。

 半分は違和感から、だったが。

 その気付きは、色んな場面での謎を解明する手助けになりそうだ。

 しかし何が目的なんだ、コイツ?

 またしても動機が俺の邪魔をする。


「愉快犯って訳でもなさそうだし、日誌の伝言は多分ユーグストン本人に宛てた文章だ。なら、奴にも何か目的があるはず……」


 しかし目的と言われても、ピンと来ない。

 俺はまだ動機に関する本質が、今一つ見えちゃいないのだろう。


「だが、もしかしたら……奴は二人(・・・・)いたのかもしれない(・・・・・・・・・)


 突拍子な発言が波と風に消されて、辺りには人っ子一人いない空虚な場所となっていたが、いつまでも留まっていては二人から怪しまれる。

 だから俺は調査を終え、砂を蹴って駆け出した。

 さぁ、小さな離島の森に眠る真実とやらを、魔に染まったこの双眸で確かめるとしよう。





 清新たる樹木の生い茂る離島の、その真ん中の探索を開始した俺、レオンハルト、ユーグストンの三人は、道無き道を突き進んでいく。

 と言うのも、ユーグストンが一人勝手に歩いてくため、注意深く捜索できない。

 しかし反応のある場所は、まだ先だ。

 ここに攫われた連中が匿われてる、それか実験台として利用されている。


(ユーグストンが要注意人物なのはハッキリしたが、あの猫についても疑問あるしなぁ)


 ユーグストンを先頭に、少し離れてレオンハルトが、更に後ろを俺が間隔空けた状態で森林を歩いている。

 樹木同士の間隔も狭くないので、歩きやすい。

 また、ここにはモンスターがいない代わりに、北側の方から途轍もない気配が放たれてる。

 北側はユスティとダイアナの二人が浜辺を探索してるところだろうが、その更に外部から同族の気配とでも言うのだろうか、強く感じ取れる。

 そこは雄叫びの無人島、何かが大量に蠢いている。

 魔力の素体たる肉体が、その島に大量に潜伏している。

 何だか気持ち悪い。


「ちょっとユーグ君! 一人じゃ危ないって!!」

「うるさい黙れ」


 森に入って数十分、もうすでに何度も押し問答が繰り広げられている。

 互いに譲ろうともしない。

 だから口論がより白熱と化している。

 行動の意思が強いのか、ユーグストンは彼の言葉に聞く耳を持たず、奥深くへと動かす足取りは迷いが無いため、まずはその猪突猛進っぷりを食い止める。

 その方法も心得ている。

 俺は、彼と関係ある男の名前を口にした。


「ウルグラセン、船乗りのテメェなら知ってるだろ?」

「ッ……何故貴様がその名前を知っている?」


 ピタッと稼働させた足が停止させて、こちらに詰め寄ってくる。

 胸倉を強引に掴み、殺意が溢れる。

 止まる気配すら無かった彼がこうして立ち止まる、ウルグラセンという男との因縁関係は相当深そうで、強く掴まれた服の胸元のボタンが千切れてしまう。

 それだけ激昂している、その感情が読み取れる。

 壊れた情緒が、彼の憎悪を引き立てていた。


「さぁ、何でだろうな」


 目には目を、歯には歯を、殺意には殺意で返礼する。

 憎悪なら負けていない。

 この暗く沈んだ憎悪が深淵より顔を覗かせ、それに当てられた調教師が生唾を飲み込んだ。


「貴様……何者だ?」

「俺なんて誰でも良いだろ。それよりも、やっと目を合わせてくれたな、似非調教師」


 服から手を離した彼と向き合う。

 レオンハルトは蚊帳の外でオロオロ慌てているが、俺は気にせず奴と対峙する。

 俺は錬成銃を構えて、銃口を向ける。

 俺の殺意に気付き、距離を取るよりも身動き取らない方が賢明だと判断したか、その場から動かず重心だけ僅かに右足に傾けて臨戦態勢となる。

 緊迫とした雰囲気、蠢く憎悪の渦に晒されながら、彼は言葉を紡ぐ。


「何する気だ?」


 それは当然の反応、普通なら異常者が奇行に走ったと捉えられるだけ。

 しかし今この場で、三人しかいない。

 ここに証人がいる以上、危険な博打に賭けられる。

 真っ青な双眸が、琥珀色の揺れる瞳を凝視して、運命に身を委ねる。


「ユーグストン、ハッキリ言おう」


 ここで引き伸ばすのも埒が明かない。

 なら、白黒ハッキリさせるべきだ。


「今回の一連の事件、犯人はお前だ」

「……何故、そう思った?」


 否定せずに、いつでも動けるよう警戒心を俺に向け、冷や汗を浮かべている。

 今回の事件は不可解な状況だらけで、消去法で他を削っていき、最終結論としてユーグストンしか有り得ない、そう説明する。

 銃口を下ろし、ギルドカードから自分とユスティ以外の冒険者プロフィールを開いた。


「ディオ、これは?」

「婆さんに送ってもらった、冒険者登録時に書いた俺達のプロフィールだ。全員の職業、他の奴等は判明してるのにユーグストンだけは不明だ」


 霊王眼で確認を取ったから、奴の発言に嘘が混じってるのは調査済みだ。

 俺は相手の職業を見破る力を持ってない。

 語弊を減らすなら、記憶干渉で即座に調べれば判明するが、それは俺の錬金術師の能力説明をしなければならず、こちらが不利になる。


「そこに書いてある通り、俺は調きょ――」

「それが嘘なのは分かってる。お前の職業は『調教師』じゃないだろ」

「だったら……何の職業だと言うんだ?」


 そんなの決まってる。

 未だ隠してる奴の職業は一つだけ該当するから、その職業を言い当てる。


「『催眠術師』、俺はそう思ってる」


 これは一種の言質でもあるから、これは賭けだ。

 これから血塗られた場面に突入するとしても、俺がすべき作業は決まってる。

 犯人を取っ捕まえる。

 それか、抹殺する。

 しかし解せないのは、何故この絶好の機会においても催眠術を駆使しないのか、細心の注意を払って観察し、些細な違いも見逃さずに奴を強く警戒する。

 だが、読みが外れたのか、一向に催眠術を使ってくる様子を感じられない。


「……根拠はあるか?」

「根拠、か。正直言えば根拠は存在しないが、敢えて言うなら消去法だな。まずアルグレナーから、奴は地質調査として地層の分析を行ってた。しかもかなり深い場所まで潜って、だ。催眠術師はそれができない」

「それも催眠術の可能性がある」

「いや、六日前の夜だったか、俺は地質調査で得た土の成分を調べるよう協力を要請され、その土を手に取った。あの感触は本物だった」


 霊王眼は嘘を看破するために駆使してるから、相手の嘘には敏感だ。

 あの場面で俺に協力を要請するメリットはあれど、もし奴が犯人ならデメリットでしかない。

 そもそも俺達に要請しようと考えない。

 状況から考えてアルグレナーは催眠術師ではない、そう説明できる。


「次にダイアナ、彼女の能力は植物操作だ。催眠術で見せてるだけの可能性は先程のくじ引きで消えた。あんな衆人環視の場で大っぴらに能力を駆使してたが、花びら一枚一枚の動きまで全部催眠術で見せるのは不可能に近い。それに、これを見ろ」

「それは……黄色い花びらか? それが何だ?」

「さっき頭に留まったやつだ。これがダイアナが催眠術師じゃない証拠になる」

「どういう意味だい?」

「この花弁には、ダイアナ本人の魔力とこの島の生命力が込められてる。催眠術で見せてるなら、俺達三人がここで共有して視認してるのは可笑しいだろ?」


 もしダイアナが催眠術師なら、あの場面でのみ催眠を俺達に掛けていた。

 そして、それ以降は俺達七人がバラけた。

 それ以降も催眠が続いてたとしても、それは個人個人で認識に差が出るのは必然だが、この花弁を俺達三人共が認識してる時点で、催眠を共有してる状態になる。

 他の花が全部消失したのに対し、花から取れた花弁のみ残存してる。

 これこそがダイアナが犯人でない証拠になる。

 これを取っていたのは俺個人の意思、そこに介在するのは何人たりとも無理だ。


「次にレオだが、初日の夜に職業鑑定書を見せてもらった。能力も格闘家そのものだ。納得してないようだから、実際に見せて証明してやったらどうだ、レオ?」

「それなら良いよ」


 レオンハルトは格闘家、普通の前衛戦士だが、探知もできる魔力操作に長けた人間。

 霊王眼で奴の職業をしっかり聞いた。

 嘘偽り無いかの確認もした。

 巨木の前に立ち、呼吸を整えて、拳を構える。

 その拳を開き、巨木の立派な幹へと平手を撃ち込んで武技アーツを発動させた。


「『水波拳/点渦』!!」


 職業での武技(アーツ)の区分は、大昔は一括りにされていたそうだ。

 圧縮された水の衝撃波によって、大木に人間の通れる程の大穴を空けた。

 その威力はかなりのものだ。

 辺りに水飛沫が舞い、その掌底による打撃で発生した水は周囲を濡らしていた。


「おい、俺は証明してやったらどうだと言ったんだ。水掛けろだなんて一言も言ってねぇぞ」

「い、良いじゃない! 水も滴る何とやら、だよ!」

「それで誤魔化されると思うなよ、馬鹿」


 こちらにも水が飛んできて、服がずぶ濡れになった。

 しかし、これだけの水量を拳や掌に纏って放つ武技、前に何処かで誰かが使ってるのを見た覚えがある。

 その者より強力な武技だ。

 だが今ので髪や服が完全に濡れてしまったため、目元に張り付く髪が鬱陶しく、掻き上げた。


「ったく……コイツの能力、それから職業鑑定書は間違いなく本物だった。初日の夜に確かめたからな」

「……なら貴様はどうなんだ?」

「はぁ?」

「貴様の能力は、薬物師だろ? 貴様が犯人じゃない根拠はあるのか?」


 そこを突いてくるとは、中々に冷静なようだ。

 奴の言う通り、実は俺にも根拠を示せる何かがある訳ではない。

 いや、簡単に開示する方法ならある。

 俺の職業鑑定書をユーグストンの眼前で示すだけ。

 今は『薬物師』の職業エンブレムが描かれてるが、それを元に戻す時に錬金術を駆使して、『錬金術師』のエンブレムを見せるだけ。

 それだけで、俺の無実が証明される。

 それでも催眠術が見せる幻覚だ、と言われたら、奴の身体を分解バラして立証するだけ。


(ま、今は錬金術師って名乗る訳にはいかないし、根拠を提示する気も無いしな)


 他に何かあるかと六日間の記憶が脳を埋め尽くすが、俺が示せる根拠はどれも『錬金術師』であり、薬物師ではないせいか、自身の無実を証明できない。

 六日間の夜時間は全部夢を見てた。

 昼はユスティに運んでもらったりして省エネ化し、常にコイツの監視下にいた。

 手を出す暇は無かった。

 これが証拠、ならば残存する打てる手はユーグストン自身にある。


「昼間はずっとテメェ等と一緒にいた。夜は夜番以外寝てたから、証明できない。だが逆にそれはお前もだろう、ユーグストン」

「……何だと?」

「お前の行動はあまりにも不自然すぎる」


 それを突き付けて、俺の勝利だ。


「それを今から――」


 証明しようと語り掛けた瞬間、ゾワッと背筋が氷塊でなぞられたような冷たさが、背中から脊髄、そして脳へと駆け上がる。

 魔境で培ってきた危機感知が並々ならぬ警鐘を打ち鳴らして、俺は咄嗟にユーグストンの腕を掴んで引っ張り、逆に俺が奴のいた場所と入れ替わる。

 その危機を目撃する直前、不恰好な体勢で顔面をガードするが、顔を隠すよう全面に出した左腕に吸い込まれるようにして、巨腕が振るわれた。

 莫大な膂力が左腕の骨を粉々に砕き、俺の身体を銃弾の如く吹き飛ばした。


「グハッ!?」

「おい! 薬物師!!」


 踏ん張りが利かず、自身の肉体が弾丸の如く空気を切り裂いて、近くの大樹に衝突した。

 根幹のしっかりした巨大な樹木をへし折り、ついでに俺の背骨と内蔵も衝撃で潰れた。

 甚大な負傷に吐血する。

 鈍い痛覚が後を追って自分に現実を味わわせるが、地面を這いながら次の行動に移り、超回復を優先させるために負傷部位へと回復措置を執行する。


「な、何だ……コイツ………」


 似非調教師の困惑とした声色が耳朶に微かに侵入し、その方向へ目線を動かす。

 そこには、肉体改造されたと一目で分かる、気色悪い実験体がいた。

 上半身裸で、その身体には沢山の口が縦方向横方向斜め方向にと、適当さの窺える縫合が為されていた。

 人間の口、だけではない。

 魔物の口も大量に縫われている。

 霊王眼で見れば、それが全部脳とリンクして何処からでも喋れるようだ。

 多数の牙が見え、スキンヘッドの大男の表情は薬物中毒に侵された者の、謂わば正気を失った人間の顔をして、大量の口元からケラケラという嗤い声が、耳と精神を崩壊させてくる。

 聞きたくない音だ。

 逆に本体の口元には縫い痕が、喋れないよう縫合された状態だった。


(改造人間って訳か、意味分かんねぇ)


 人間サイズを超過した図体だ。

 血管が浮き出て、暴走してるようだ。

 口の中に溜まった血を吐き、立ち上がるものの、背骨の罅が影響して神経に激痛が走る。

 そしてレオンハルトに支えられた。


「クッ……」

「大丈夫かい、ディオ?」

「何なんだ、あのデカ人間? 異常なまでの膂力、不気味な全身口塗れの縫合、まさか攫われた被害者達があぁなっちまったって言うんじゃねぇだろうな?」

「何だと!? どういう意味だそれ!?」


 慌てたように偽調教師がこちらに視線を送りながら、説明を要求してきた。

 これくらい少し考えりゃ分かるだろうに。

 焦って周囲が見れてないのと、冷静な判断を下せないでいる様子だった。


「誘拐された諸島民、それから観光客に無理な人体実験を施して手駒にしてるって思っただけだ。どうやら、実験施設が向こうにあるようだな。それに、俺達を森の奥に行かせたくないらしい」

「チッ、面倒な相手だ。貴様が催眠術で連れてきたか?」

「馬鹿言うな、それなら咄嗟にテメェを助けたりなんてしねぇよ。逆にテメェが連れてきたんじゃねぇのか? だから足早に森を歩いた、違うか?」

「それこそ有り得ない話だ。俺の能力では多分コイツを上書きできない」


 口論は最早無意味と化した。

 化け物と遭遇したが、それが何処から来たのか、気配がまるで感じなかった。

 それにユーグストンの最後の言葉、上書きという言葉の意図に脳が引っ掛かりを覚えた。


「ちょっと二人共! こんな非常事態に口喧嘩なんてしてる場合じゃないでしょ!! 敵!! 目の前!!」

「「黙れ」」

「酷くない!?」

「無駄話してる場合じゃない、来るぞ!!」


 調教師の言葉で、俺達三人は散開する。

 巨腕の鉄槌が縦に弧を描いて大地に当たった途端、その陸地全体が弛んで地震が起き、亀裂が土壌や周囲の樹々にまで到達して着地点も不安定となった。

 ゆっくりとクレーターから引き上げられる拳が、土の破片や土埃を巻き上げる。

 轟音が耳を貫通し、連携もままならない。

 連携できる間柄ではないにしろ、この状況で足止め喰らう時間が勿体無い。


「速攻で倒さなくちゃな」


 毒瓶に触れ、鞄から取り出して刃を形成する。

 得意な錬成で両手に武器を顕現させ、その紫色の蠱刃毒を手に果敢に攻め込んだ。






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