ただ告白する話。
何かの反発か、それとも気紛れ、それとも飽きたからなのか。
私は塾に行く途中だった、坂道を通らなければ行けない塾を目指して私は自転車を押していた。
汗が吹き出るような暑さ、ジリジリと焼け、黒くなる肌。
坂道の途中ふと空を見た。
雲が交ざった綺麗な空。
「何やってんだろ」
引き金はなんだったのか、分からない。
ただ、何やってんだろと思った。
父と母が汗水垂らして働いたお金で通わせてもらっている塾、嗚呼何やってんだろ。
きっと私はあの人達を傷つける。
なのに涙の一つ出てこない。
自転車を坂道の途中で降り、その場で三角座りをする。
座った先の景色は空と民間。
お世辞にも綺麗とは呼べない。
「おい」
男の声。
首に腕が回り、ナイフが目に入った。
ナイフは私の頬に置かれたまま。
殺されるのだろうか。
ナイフには私を切ってないのに血がついていた。
「……私を殺すの?」
意外と声は震えずに出た。
嗚呼私は別に死にたい訳じゃない。
やり残した事、読んでる漫画完結してない、誕生日にケーキ食べてない、にきび治らない、親孝行してない、プール行ってない。
自分はやり残した事がこれだけなのか。
男は私を殺す素振りを見せない。
嗚呼でも私は殺される。
そうじゃないとこの人は捕まる。
「………分からない」
腕が消える、ナイフも消える。
多分男は私の後ろに居る。
私は後ろを振り替える。
嗚呼殺されるかも。
だけど好奇心からか。
嗚呼そんな感情あったのか。
男は高校生くらいの若い男、不健康な様子で目のしたに隈がある。
痩せ細り、肌が少し青白い。
右手には血に濡れたナイフ。
「……何やってんだろね、」
「……本当に何やってんだろ」
その人はナイフをポケットに仕舞う。
ブレザーを着た高校生、来年は私も着るのだろう。
「高校、楽しい?」
「……何も変わらなかったよ、俺は」
「殺した、の」
「そんな勇気なかった、自分の腕切った」
彼の左手の指先から血が垂れる。
嗚呼、よかった。
その人は表情を何一つ変えない無表情。
近寄りがたい雰囲気を持っているのに安心した。
「高校、何処?」
「安城積高校、特別楽しくないよ」
「いいの、行くとこ決まってなかった」
「そう、じゃあ来なよ。俺いるか分かんないけど」
「居て、貴方に会いに行く。確証ないけど」
「少し楽しそう、君は何してたの」
「塾行く途中、だけど立ち止まってしまった」
「行きたくない?」
「今日は、」
「そう、左腕出して」
素直に出した左腕。
ざくり、ナイフが皮膚に埋まる。
血が腕を伝う。
痛い、物凄く。
「これで塾に行けなくなった口実」
「……病院?何て説明すればいい?貴方を警察になんて言いたくないな」
「……変なの。いいよ俺がよく行く病院は適当に誤魔化してくれるから」
「……変なとこ?」
「ううん、ヤブ医者じゃないよ。表では見せられない患者の治療をするんだ」
「へぇ」
「うん、俺もよくリストカットして行く」
「痛くない?」
「君にしたくらいの痛さ」
「私のはリストじゃないよ、腕だよ」
「痛さはかわらない」
その人は私の左腕の傷に包帯を巻き付ける。
手際が良い。
表情は相変わらず無表情だった。
「好き、です」
「俺も、好き」
突然飛び出した告白。
あっさり出て、あっさり返された。
その人の表情は少し笑っていた。
「良いの?私馬鹿だよ」
「良いの?俺自傷野郎だよ」
「付き合って」
「いいよ」
傷口が飛び跳ねた。
ただの告白話。
(好き、貴方が)
病みすぎて出来た作品。ヤンデレなんて可愛いもんじゃありません。最近ハードスケジュール、じゃないけど忙しい。やる事いっぱいありすぎて何から手をつけていいか。覚える事もいっぱい!病みすぎて思考がネガティブ。すいません連載の方はいつ更新とか決まってません。すいません。もしかしたら明日更新かもしれないし一週間後、一ヵ月後かもしれません、すいません。誰かマジで課題半分やっアッー!