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源流堂探偵事務所にようこそ  作者: 西渡島 勝之秀
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魔境の復讐 15

 石黒綾香は誰もいない教室で一人夕日を眺める。

 空を真っ赤に染めた太陽を見つめ、そして、満足げに微笑む。


 「やっと、邪魔者がいなくなった」 


 彼女は呟くと、立ち上がり移動を開始する。そして、目的の人物の席に着くと、彼の机に腰を落とす。

 スカートではなく、自信の下着を直接、彼の机に密着させる。

 彼女は快楽の笑みを浮かべ、そして、軽く、自らの下着をなぞる。

 その指を艶めかしく舐めると、彼女は、教室の入り口に視線を向ける。


 その先には、まだ、誰もいない。しかし、彼女には分かっていた。

 其処に、暫くの後に、誰かが現れることを、そして、誰が現るかを。


 日が沈み、薄明を迎えた頃に、彼は現れた。彼女が腰がをかける机の主、新島明が。


 「綾香、やっぱり。此処にいたか」

 「明君、やっぱり。此処に着たのね」


 彩夏は膝を立てるとスカートを捲り上げ、下着を明に見せつける。

 明は、軽く眉をあげるが、それ以上の反応はせずに、彼女の出方を窺う。


 「どう? 少しは、興奮しないかしら? 私って、魅力無いかな?」


 彼女は、そう言うと、自らの下着に指を這わせ、艶めかしく腰をくねらせる。

 荒い息を吐きはきながら、激しく上下に指を動かす。下着に、湿りが出た頃に、彼女は机から飛び上がり、2回程回転点してからふわりと地面に着地する。


 その動きは、最早、普通の人間の動きとは思えなかった。少なくとも、新島が知る綾香に、そんな運動能力は無かった。


 「此処まで見せても、反応の一つも無いの? 普通なら、もっと、反応があるものだけど?」


 綾香は、新島の身体の一部を指差し、ケラケラと笑う。

 その顔は、恐ろしくもあり、そして、美しかった。

 しかし、新島は彼女から目を反らずに、そして、彼女の言葉には、一切反応をしなかった。

 彼は、知っているのだ。こういった存在には、消して答えてはいけない。

 それが、ルールなのだ。


 「ふうん、そう。貴方、知ってるのね? 玲子ちゃんの事で、なんとなく、そうだとは思ったけど」


 彼女は、自らの胸元に手をいれ、其処から、手鏡を取り出す。

 鏡面が真っ黒な、黒曜石を綺麗に磨き上げた鏡。


 「魔鏡か......」


 綾香は、魔鏡を覗き込むと、それで、自らの顔を覆う。

 そして、その鏡面を新島に見せる。其処には、瞳の色が真っ赤に染まった綾香がいた。

 そして、鏡の中には、瞳の色が金色に染まった綾香が妖艶な笑みを浮かべて彼を見ていた。


 二人の綾香に見つめられた新島は、顔を顰めて言う。


 「完全に、飲み込まれたか......」

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