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源流堂探偵事務所にようこそ  作者: 西渡島 勝之秀
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魔境の復讐 プロローグ

第二部読了有難う御座います。

引き続き続きをお楽しみ頂ければ幸いです。

 町行く人々の中、学生服を纏った見目麗しき少女達が小鳥が囀るように会話をする。


 「ねぇねぇ、伝説の彫金師って知ってる?」


 「なにそれ?オンラインゲームの隠しキャラかなにか?」


 「違うよ、願いを叶えてくれる露天商の話」


 「え?なんでまた露天商なのよ・・・・・・」


 「なんでも特別なパワーが篭った自分だけのアクセサリーを売ってくれるらしいよ」


 「へぇ、でも。お高いんでしょ?」


 「それがね、要求されるはお金じゃないんだってさ、その人が払える大事な物とか」


 「また、曖昧だねぇ。で、どんな人なのよ?」


 「なんでも、見る人によって違うんだってさ、その人が望む姿で現れるらしいよ」


 「悪魔かよ!まぁ、都市伝説なんてそんなものだよね」


 「でもまぁ、こんなの信じるのは根暗眼鏡くらいのもってね。きゃははは」


 「い、え、て、る~」


 少女達はわざと回りに聞こえるように楽しそうに歩いていく。


 その後方には少女達を恨めしげに見る少女がいた。

 それは先程の少女達が揶揄したような風貌の少女だった。


 伸ばした黒髪は肩のあたりでツインテールに結び黒縁の眼鏡は野暮ったさを演出する。

 体つきも貧相で地味な少女ではあるがけして醜くはない。


 「馬鹿にして!男に媚を売ることしか脳のないビッチの癖に!」


 少女達の会話を自分への当て付けと解釈した少女は黙って入れれば愛らしい顔を醜く歪むほどに怨嗟の念を相手にぶつける。


 少女は喧騒の耐えない町を立ち去ろうと足早に歩き始める。

 

 時間にして5分も経っていない程度の頃、不意に町の喧騒が消えた。

 気が付けば少女の目の前、道路の真ん中に風呂敷を広げた男性の露店商が座っていた。


 「いらっしゃいませ、お客様。本日はお招き頂き誠にありがとうございます」


 少女は背中から冷えた汗が流れ落ちのを感じた。


 おかしい、それは明らかに異常だった。

 挨拶もどことなくおかしな事をいっているがそんなものは気にならない位の違和感がある。


 一体、いつ現れたのだろうか?そもそも、此処は町の往来で地面に商品を広げる余裕なんて無い筈だ。


 「お客様、如何なされましたか?」


 厚手のジーンズに季節はずれのスウェードのジャケットを着た目の細い男性が話しかけてくる。


 如何したも何もないだろう。こんな異様な不陰気に違和感を感じない方どうかしている。


 「いやだなぁ、恐い顔しないでよ。愛らしい顔が台無しですよ」


 男は、とても柔らかい態度で少女の前髪を優しく撫でる。

 少女は男性の仕草と妙に艶のある声に心臓が高鳴る音を聞いた。


 「いけない、普通じゃない。早く帰らないと!」


 「早く帰る?君は急いで帰る必要なんて無い筈だよ。それに、こんな世界で時間なんて意味はないだろう?」


 「ひぃ!」


 男の艶のある声に引きこまれそうになった彩夏は逃げ出そうと走り出す。

 が、気が付けば周りの風景は歪んだ灰色の景色になっていて幾ら走った所で景色は変わらない。


 息が切れそうになるまで走った頃、彩夏は何かに躓き勢いよく転がる。

 彩夏は何に躓いたのか気になり視線を向けて後悔する。


 そこには、無数の少女が呻きながら彩香に怨嗟の声を浴びせていた。


 「いやあぁぁぁぁぁぁ!」



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