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源流堂探偵事務所にようこそ  作者: 西渡島 勝之秀
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晴着の憂鬱 17

 重苦しい空気中、鮫島は大野に向かいきまずそうに言う。

 

 「大野さん、今回の件はかなりデリケートな事になる。場合によっちゃ、諦めるしかしない」


 大野は鮫島のその言葉に対して返答する。


 「いえ、今回の事はやはり解決していただきたい。なにが、なんでもです」


 大野の言葉に鮫島は溜息をつきながら返す。


 「大野さん。頑固になっても仕方ないでしょ? 今回の件は、命に関わる。実際に生きてる人間が関わってくる。流石に、これは内輪だけでは終わらない話だと理解できるでしょ?」


 大野は鮫島を見ると真剣な顔になり更に質問する。


 「鮫島さん。今の貴方の言い方ですと、内輪で済む話ならば危険でも出来ない事は無い。と、言う事で良いのですよね?」


 鮫島は揚げ足を取るような大野の言い方が癪に障った。が、気にしたのは一瞬で、直ぐに答える。


 「まぁ、やれない事はないですよ。但し、生霊を出している本人の協力は絶対に不可欠だ。その上で、大野さんとその人に命の危険がある事を理解したならば。と、言う前提だがね」


 大野は鮫島を見据えると、威圧するような目で鮫島を見たまま言う。


 「僕は、いや。俺は、もう逃げない! 彼女との幸せの為になら、命だって賭けますよ」


 鮫島は空を仰いだ後に、大野の目を見ると真顔でいう。


 「命を賭ける、いいですね。綺麗な言葉です。ただ、貴方は私と生霊を出してる方にも命を賭けろといってるんですが、それは、おわかりですか?」


 意地の悪い言い方をする鮫島に晴香が抗議しようとするが、大野がそれを手で制する。


 「俺は理解していますよ。相手はきっと、承諾する事でしょう。いや、そうで無ければいけないんだ」


 大野の言葉に鮫島は事態を把握し、溜息を吐く。


 「はぁ、まったく。私は選択権無しですか? 世の中、なんでもお金で解決できると思ってます?」


 ふざけながら話す鮫島に、大野は何故か彼には似ても似つかない。旧友の顔を思い出す。


 「そんな事いって、どうせ逃げる気なんてないんでしょう?」


 なつかしい旧友にでも話しかけるように大野はいった。


 「貴方には助手を助けて貰いましたしね。それじゃぁ、まぁ。やりますか」


 「はい。それじゃぁ、まぁやりましょう」


 二人の男は旧知の仲の様に、互いを労わりながら立ち上がる。

 そして、残りの二人の女性に対して言った。


 「「すまないが、ココからは男の戦いだ。女性陣は安全な宿で、まっていてもらおうか」」

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