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源流堂探偵事務所にようこそ  作者: 西渡島 勝之秀
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古銭の誘い 31

 鮫島達は机に向かい合いながら話し合いを始める。


 「まずは奴のルールの特定を始めたいと思うが是までに判明している事を確認しよう」


 鮫島は今現在で考えられる内容を話す。


 「まずは一点、銀貨についてだが、お嬢さん思い出した事を教えてくれ」


 「はい、この銀貨は親切なお兄さんに貰いました」


 「え? それくれたの人間なの?それって本当に親切なのか?」


 「親切な人でしたよ自分も貧しいのに持ってるもの全部くれたんですよ! 命の恩人を馬鹿をにしないで下さい!」


 珍しく晴香が本気で怒り出した。


 「いや、怒るなよ。言葉のあやだって。しかし、星の銀貨の主人公みたいな奴だな。ん? 待てよ」


 神妙に考える鮫島を前に晴香も落ち着く


 「どうしたんですか? いきなり黙って」


 「いや、ちょっと見えたかも知れないな」


 「何が見えたんですか?」


 「お嬢ちゃんの下着」


 「いい加減にしてください!」


 晴香がビシ! っと、鮫島に突っ込みのチョップを入れる。


 「まあ、それは冗談として歪みの一部が見えたな」


 「ほう、それは何だい? 僕にも聞かせてくれないかな?」


 渡部の質問に鮫島は頷くと話を続ける。


 「今の話に出てきた少年が奴の存在を歪めた可能性が高い」


 「どうやったんですか?」


 晴香が聞く。


 「それはな、基本的に奴は私利私欲を抱く人間からその代償を取り糧としている。故に人の為に奴の力を使う事は想定外だったのではないか?」


 「と、言うと?」


 渡部が更に詳しく話すよう促す。


 「恐らくではあるが、奴が願いを叶える存在だとしての話だが。その少年はお嬢ちゃん達が危害を受けないように願ってから銀貨を渡したのかもな」


 「成程、それで矛盾が発生して契約の履行が出来なかったと?」


 「まぁ、そんなところだ。俺は前から思ってたんだよ。星の銀貨の主人公な、そんな奴だったら貰った銀貨も人にあげてしまうってな」


 「しかし、妙ですね? だとしたら何で晴香さんの妹は行方不明になってしまったんでしょう?」


 「正直、それはまったく分からない。それこそ代償が足りなくて不完全だったと思うしかないな。」


 暫く沈黙が続いた後に晴香が話す。


 「銀貨についてはそれくらいです。後はお守り程度にしか考えて無かったので」


 「まあ、銀貨の事はそれくらいでいいだろう。洋館、奴の事で覚えている事を教えてくれないか?」


 「あのひとは映画で見るような身なりのいい年配の男性でした。特に何かする訳ではなかったんですが、願いを言えってずっと言っていました。そこで、七海が幸福になりたいから銀貨を下さいって言いました」


 「間違いなくそれがお嬢ちゃんの妹と奴との契約だな。お嬢ちゃんが被害を受けなかったのは恐らく妹と契約できて満足したんだろうな」


 鮫島が話し終えたのを確認すると渡部が続けて話す。


 「では、いよいよ対策の話になる訳ですね」


 「ああ、こういった場合は大抵代わりの対価を払うか貰った恩恵を返す事で解決するパターンが多いのだが。幸福ってどうやって返すんだ?」


 此処にきて鮫島が頼りない事をいいだした。


 「形の無いものを返すって言われてもわからいですよ」


 晴香も落ち込んだように声が小さくなっていく。

 どんよりとした空気の中、渡部が口を開く。


 「まったく、そんな事で悩んでんじゃないよ。」


 手詰まり感のある二人に渡部が余裕の表情で語る。


 「そこまで分かれば答えは出てるでしょう。晴香さん、あなたが養って貰った養父の事を教えてください」


 「え、はい。分かりました」


 晴香は自分を育ててくれた竹内豊について語った。

 

 「ふむ、では。あなた達姉妹が受けた恩恵を現実的に計算し恩恵の価格を出しましょうか」


 渡部は勝ち誇った様にニヤリと笑う。


 「神を相手にこういうのも何ですが、今回は神が我々に味方しましたよ

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