古銭の誘い 24
後藤真二は今の自分の状況に苦笑いをする。
隣で幸せにそうに眠る少女を見ながら呟く。
「まさか、俺がこんなガキと付き合うなんてな」
彼女と知り合ってからもう彼是3年は経つだろうか。
3年も経てば少女も女になるのだがガキと言う癖はどうやらまだ抜けないらしい。
「しっかし、相変わらずの日雇い生活。俺はどうやってコイツを養っていけばいいんだ?」
彼は呟きながら隣で眠る少女が自分にくれたものを思いだす。
一つの所に留まらず常に帰る場所の無い自分に居場所をくれた。
何にでも暴力に訴え胆略的な考えの自分に社会生活で大切な我慢を教えてくれた。
そして、何よりも家族から貰えなかった人を愛する思いを教えてくれた。
「俺は、コイツから色んなものを貰ってるのにな。何一つ返せてはいないんだよな」
そんな事を考えてると隣でモゾモゾと彼女が動き出す。
「あぁ、悪い。起こしちまったか?」
「ううん。只ね、なんとなく独り言いっちゃうおうかな?」
「宣言してる事態で独り言でもないでしょうよ」
苦笑しながら後藤は言った。
「うふふ、知ってる? 自分が幸福かどうかはね他人が決める事じゃないんだよ」
「いきなりどうした?」
彼女はこれ以上に無い優しい表情で言う。
「ただね、私は幸せだよって言いたいだけ」
(そうか、コイツ聞いてたんだな)
「そうなのか? じゃぁ、俺はお前の3倍は幸せだな」
「それって競い合うようなものなの?」
後藤は意地の悪い笑みで楽しそうに笑う。
「あぁ、そうだ!俺はお前より常に幸せになってやる!」
「ぷっふふ、貴方って本当に馬鹿ね」
彼女の顔を見て後藤は幸せを感じる。
「あぁ、お前が幸せなら俺はもっと幸せなんだ」
(だから、何かあれば俺がお前の幸せを守るぜ。七海)




