8 またしても死にました
お金は無い、それじゃあ一狩りいてみよう!!
道やゴミ箱にある素材の回収は無視して、町の外に出るために走る。
さっさとお金をためて天秤や錬金術関連の道具全部集めて色々作る。
だから昼間のようにはいかねぇぜ、スライムやろう!!
アニメのようにスライムの目の前に滑るように現れたかったが、勢いを殺せなかったのと他のスライムに躓いて勢い良く転けた。
それは盛大に転けた。
――フードが捲れるくらいに
「イテテ……」
転んでダメージ1は入ったが普通のプレイヤーだったらまず入らない。
「転んだけど狩りをしますか!」
*** ** ***
周りで狩りをしていた者は、一人の少女に注目していた。
瞳が深紅で髪からは水色の光る粒子を纏っていた。
「……かわいい」
「あれ、地毛なのか?」
「あ、また攻撃くらってる」
「避けられた」
「また避けられてる」
「スライムがドヤってる」
「あそこまで攻撃って当たらんもんか?」
周囲ではスライム相手にミスりまくるレンに注目している。だが注目していてもスライム程度には後れを取らず、処理していった。
まぁ、初心者の人は処理できずに攻撃を受けていた者もいる。
「髪から出てる光も何なんだ?」
「装備であるんじゃないか?」
「効果も知りたいし防具屋巡りでもするか!」
「おう!!」
「邪魔だ」
スライムを切りつけながら少女を見る。
周りの奴らの言う通り髪もそうだがスライム程度にHP回復ポーションをもう2本も飲んだぞ……。
「あいつソロで戦ってるが本当に大丈夫か?」
周りは狩りより‶少女vsスライム"の観戦をしている。しまいには録画して掲示板に乗せる奴もいた。それも勝っている所じゃなく背中に乗られ跳ねられている所だったり、剣を振ったときにそのままコケてしまった所をアップされて一部では笑われ、一部ではコケてる所や動きが可愛らしいと愛でられている。
*** ** ***
「これで二体目……」
やっぱ俺って戦闘のセンスが無いのか?
いや、ステータスの素早さをあげればなんとかなるか。
「あと二体倒したら道具やよって値段とかの確認だな」
戦って行くうちに行動パターンが出て来るはずだが、それがなく敵にまでAIが使われているからか、攻撃予兆が無い。
スライムが攻撃前にプルプルするが戦闘時以外の時もプルプルしているので判断できなかった。
プルプルしている姿は触り心地がよさそうなのに、俺の紙装甲だったら結構なダメージを貰う。
なんかホント泣けてくるね……。
まぁ、攻撃方法は4つだけだったし大丈夫と思うけど。
体当たり、拘束、酸を飛ばす、捕食攻撃を全てくらった身からするとこれ以上あったら勝のに何回死ぬか分かったものじゃない。
「よし!HP残り10で倒せた」
レイ:+2Expを獲得しました。
『スライムの核』を手に入れました。
レイはLevelUPしました。
Lv1 → Lv2
レベルポイント:100
スキルポイント:2を獲得しました。
お、液体じゃなくて今回は結晶の方か!
これって結晶じゃなくて核なんだ。
前はHP5以下になって倒す事がほとんどだったが、今回は運よく拘束時に剣を出鱈目に振ってたの当たり何とかなった。
「レベルアップしたしもう一匹狩りに行くか」
………
ハイ、調子に乗りました。
今、絶賛消化されています。
「ゴボォボボボォォボォボオアォオオ!!」
死んでしまったのでログアウトされた。対人戦だと10分だがモンスター相手だと5分で再度ログインできる。
窒息死後、消化されて食べられましたとさ。
はぁ、痛い、めちゃくちゃ痛い。今も全身ヒリヒリして服が擦れただけでゾワゾワする。
何故あの時もう一匹と言って行ったのか……。
「レベルアップしたからなんだけどな!」
思い出した対人戦ならお金は手に入るがモンスターだと手に入らない。
「ログインしたら素材でも売ってお金に換えるかぁ~あ」
眠い……。
「時間は――」
――01時07分だと!?
「11時ぐらいだと思ったのに……それならもう寝よ」
明日も休みだし今…らが楽…み…だ……。