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41 錬金術(1)

 俺の素早さが高いこともあり路地裏を駆け回っても追いつける者がそこまでいないが、ここまで近道をせず大通りを通って来る事は滅多になかった。

 それもあり、いつもより時間がかかったが宿に着いた。


「追加分の宿代渡しますね」

「あいよ」


 欠伸をするくらい暇なのかお客は全くおらず、すぐに支払いが完了した。

 部屋に戻りカーテンを締め外から見えないようにすると、アイテム覧からスライムを取り出す。

 取り出したスライムは掌から滑り落ち床でプルプルしている。


「よし鑑定してみるか」


 いまだにプルプルしているスライムを鑑定してみるた。


深紅の飢餓(クリムゾン・ハンガー)


 Lv1:HP470 MP500 力380 魔力120 防御720 魔防864 素早さ56 知力50 器用12 抵抗239


 スライムの亜種のような見た目をしているが、魔界の中でも特に危険視されている。

 常に空腹で何でも食べてしまう事もあり、高レベルになると国を丸々食べてしまいただの平地にしてしまう。

 どれだけレベルが上がっても知能が全く上がらないことから、魔王以上の脅威として世界的に敵として認知されスライム種の最上位個体と見られている。

 〈創造誓約中〉


「……え?」


 あれこれ可笑しくないか。

 特別な素材も使ってないし、そこらにいるスライム素材だぞ。


 このときはまだ気付いていなかったがその他にも入っていたのだ。混ぜたり火の調節で忙しくしていて、自分の髪の毛が1、2本入ってしまっていた。

 たかが髪が入ったからといって普通はこのようにはならない。魔女の資質を持つ者は髪の1本1本にまで魔力が行き渡っている。

 そんな物が入ったら失敗していたような物が形を変え成功していた。


「この文面的に俺ヤバいもん作ってるよな」


 これがもし誰かに見られたりしたらゆったりと錬金術もできないし住む場所も失いかねない……。

 それに国外追放ならまだしも指名手配されて追い回されるのは勘弁したい。


「ま、まぁ、こいつは隠すとしてもステイタスが異常に高いな……」


 レベル1でこのステイタス……そら世界の敵として認められるのに納得だわ。

 防御よりのステイタスでレベルアップしていったら誰ならこいつに攻撃と通るようになるんだろ……。


「最後に書かれている創造誓約中って言うのも気になるな」


 鑑定すると、この創造誓約とは錬金術、死霊魔法、召喚術などの使いてが用いる誓約でその者またモンスターを思考能力を有したまま使役できる。

 裏切り行為の阻止や誓約者に攻撃を禁止するようにもなっていて友好(好感度・信頼度・忠誠度)を深めるとステイタスが向上される。


「え!?」


 どうやって見るんだ!

 忠誠度、好感度、信頼度を見れるなら確認しときたい!


「鑑定でも無理ならどうやったら良いんだよ」


 …………わからんなら今は横に置いとくとして、それなら先に名声スキルLv1の『内心』確認もしておこ。

 鑑定スキルに気を取られて名声スキルの事を忘れていた。


『名声』

 自分との距離感や相手どう思われてるかがわかる。

 たまに知性があるモンスターや無機物に宿る者とも話ができる。

 

『内心』

 好感度、信頼度、忠誠度が分かる。


「説明文が短過ぎる……」


 両手で顔を覆って嘆くように呟いてしまった。

 手抜き感が否めないが検証し甲斐があるし、シンプルな分わかりやすくもある。


「でもこれで信頼度が見える!!」


 内心!!と興奮して叫んでしまった。


深紅の飢餓(クリムゾン・ハンガー)

 好感度:1 信頼度:1 忠誠度:1


「ですよねー」


 はじめっからすべて高かったら逆にバグの可能性を疑っちゃうよ……。

 でも創造主なんだから好感度:5くらいあって欲しい。


「これって最大10なんだったらいいんだけど……」


 このゲームに限ってそんなことないよね。

 このスライムの事も分かったことで、少しだけでも友好度のどれかが上がればと思いスライムと遊ぶことにする。


「遊ぼうと思ってもどうしたら良いんだ……」


 人間と違ってゲームや読書、ショッピングなどができる訳でもない。

 端の液状になっている部分を軽く突いてみた。

 すると、嫌がってるのか分からないがブルブルと震えだした。


「どうとらえた良いか分かんないぞ……」


 手触りは最高に気持ちよく、震えている最中も突いてしまった。

 突いて震えてたスライムが止まり絡みついてきた。


「痛くはないんだけど……あの動きが嫌がってたのか?」


 痛みはなくどちらかと言えば圧迫感手から感じる。

 創造誓約がなかったらこのまま押しつぶしていたか、手を丸ごと食べられていただろう。

 そう思うと背中に冷たい汗が流れた。


「ごめんごめん」


 今度は撫でるように触れると落ち着きを取り戻したのか、手から離れ白い核が撫でてる方へ擦り寄っていった。

 粘液状だったのがプリンやゼリーみたく固くなっていた。


「触り心地最高……」


 リアルのスライムだと手が汚れたりするけど、そんなことないから気にせずに触っていられる。


「現実にもいればいい枕になるのに……」


 無駄なことを想像するがスライムの生態調査を進める。

 インベントリーからモンスター部位、土、水、石、木片を順に出し与えてみると、速攻でモンスター部位に飛びつき水、木片、土、石と食べていった。


「基本雑食なのは文面から分かる、がやっぱり肉が好きなのか……」


 ほかにも色々出してみたが全てたいらげてしまった。

 検証も今のところ済んだことでインベントリーにしまおうとすると入らなくなっていた。

 手に絡みついていたはずがインベントリーを開いてる間は、ベット付近まで離れてしまった。だが閉じるとゆっくりと近寄ってまた手に絡みついてきた。


「え、拒否されるってことあるのか……」


 最初にインベントリーに入れれたこと異常だった事に今更ながらに気付いた。


「う~ん」


 抱えると戦闘できないし肩に乗せるとデローンと垂れて不安定になる。

 思いつきではあったが頭に乗せると他より安定はした。


「街中でも襲われることも多々あるし、これがベストかな」


 最悪、帽子の中にでも隠れてもらおう。

 目下の問題の解決したことで錬金術をしていく。

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