19 病院(2)
日傘が有るのと無いのとでは大違いだった。
「焼かれる感覚少しは減ったな……」
焼き鳥みたいに直接焼かれてる感じが男の時よりも強く感じる。
やっぱり肌が白いせいだよな。
「確かに暑いですが焼かれるって……」
「多分、アルビノのようになってるから他の人より暑く感じるんだよ」
病院に着き、受付を済ませるとすぐに呼ばれた。
「行ってきます。すぐ終わるか分からないので、帰るならメールとかで送っておいてください」
「も~帰りませんよ!」
聞き流して診察室に向かう。
「失礼します」
見るからに不健康そうな体系の太っちょなおっさんがいた。
「上からお話は伺っています。まずは身体検査で確認してから精密検査を行います」
「わかりました」
女性の看護師さんが横についており、聴診器で検査、血圧、身長体重の測定、視力聴覚の検査というふうに、普通に測定をしていった。
血を取られる感覚と痛みに大人になったときでも慣れないのに今の身体だと痛みが酷くなった。
あとおっさんが俺を見る目がキモイ……。
*** ** ***
精密検査を一通り終えると12時を回っておりメールは何も来ていないので帰ったわけではなさそうだ。
「あっ!せ……」
何かに詰まって頭を悩ませ始めた。
「荻原さんどうしたんですか?」
「いや名前どうしようかと思って……」
「そういう事か」
蓮でも男女両方に使われるけど性転換病、身体退化病のような場合は苗字名前どちらも改名可能になっているが、苗字まで改名するものは珍しいらしい。
「検査の結果がでたら役所に行っても良いですか」
「改名するんですか?」
「それもあるけど小学校決めないと」
若返ってもいるから小学校か中学校に入学しないと行かないんだよな。
それに国から入学資金とかは出してくれるんだよな。
そんな事を考えてるうちに検査結果が出たらしく、またキモイおっさんのとこに行かないといけないらしい。
「失礼します」
「そこに掛けてください」
そこにはさっきの不健康そうな体系の太っちょなおっさんではな、く鍛え抜かれた筋肉と爽やかな笑顔で微笑みかけるイケメンがいた。100人中100人はイケメンというだろう。
「あのさっきのお医者さんは?」
「警察の方に連れて行かれましたがお気になさらず」
あのおっさんなにした!?
「診断結果から言いますと性転換病と身体退化病が両方発症し、病名としては性転換退化病ですね。珍しいケースですが貴方だけではなく他の方もなっております」
そのまんまだな。
「今は体に異常はありませんがこれからどうなるかわかりません。あと髪は白に近い銀髪よ皮膚だけなので部分白子症になっていますので紫外線などには注意してください」
「わかりました」
やはりアルビノではあったのか。
「白子症と性転換退化病を同時に患っている方で合併症になりにくくなってると、ここ数年で分かっているのでそういう事は安心してください」
おっ、それは普通に嬉しい。
「わかりました。何かありましたらまた来ます」
*** ** ***
これで完全に終わった。
溜息をつきながら受付に行き代金を払っていると急に抱き着かれた。
「だ~れだ!」
その言葉を無視して支払う。
「お、お大事に……」
そう言うと抱き着いた腕を払いのけて手を掴んで外に出る。
「そういうのはやめなさい。それに恥ずかしい」
「良いじゃないですか先輩!それで次は役所ですよね?」
「そこでいろいろ手続きしてから荻原さんとお買い物です」
役所は結構近くにあり苗字と名前は変えなかった。
「今のままだと仕事に支障を来すと思うので中学校にでも編入したいのですが――」
「高校からでも大丈夫ですよ」
へー、そうなんだ。
「それなら近くの高校でお願いします」
国からお金がでるという内容の話と入学試験などはないらしい。
明日は会社に行き退職届を出し、荷物をまとめて高校近くにアパートに引っ越しが決まった。
「先輩辞めちゃうんですね……」
「それそうだろこんな体で仕事なんかできないだろうしな。たまになら来ても良いぞ?来たいなら」
そういうとシュンとしていた顔が笑顔になった。




