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12 教会と協会

「じゃあね、好きな人いるの?」

「え、好きな人?!」


 流石にこの質問に驚いた。

 こんなにも幼い時から恋愛の話をするものなのか……。


「そう!好きな人!!お姉ちゃんにはいないの?」


 どうしたものか……。

 女性ならまだしも男を好きになることは絶対にないしな……。


「私はね、レナーテお姉ちゃんとお姉ちゃんが大好き!」

「お姉ちゃんって私の事?」

「うん、そうだよ!!」


 レナーテって外で出会ったシスターの事だよな。

 というかなんで俺?


「なんで私もなの?」

「えーとね。なんかお姉ちゃんといるとふわふわ?するみたいな?あと、お姉ちゃんの色が綺麗だから一緒にいたくなるの」


 色?

 鑑定とかまだないから分からないけど、この子のステータスちょっと見てみたいかも。


「まぁ、一緒にいたいならいれば良いよ」

「やったー!!」


 好きな人の話は逸らし、それからはお人形遊びをしたり着せ替え人形になったりしていた。着せ替えと言っても昔の修道服と今の修道服を着たりしたぐらいだが。


「お姉ちゃん綺麗!」

「ねーたん、ねーたん」

「……綺麗です」

「うん、かわいい……」

「…………」


 男の子や幼女達に褒められたが中身が男の俺からしたらちょっと複雑だ。


「あんな子に男子達デレデレしちゃって」

「うん、ちょっとムカつく」


 この男子達の中に好きな人でもいたのかのかな?

 見た目は小6ぐらいの女の子達だ。たちと言っても4人ぐらいだ。

 これはやきもちを焼かれたなー。


「じゃあ着替えるから男子は出てった」


 男子達の背中を押して廊下へ追い出して着替えは装備覧の変更で終わらす。だが俺はそれをすると着心地が悪く感じるから、基本的に武器や鎧系じゃない限りシステムに頼らず手動でするようにしている。

 インベントリーから服を出して手早く着替えていくが髪の毛が邪魔でしょうがない。


「やっぱり肌しろ~い!」

「輝いてるみたい」

「これを神々しいって言うんじゃなかったっけ?」

「わかんない。アナベル先生にでも聞いてみよ」


 子供たちがキャッキャッと騒いでいる。


「女の子は元気だね~」


 小声で独り言を呟きながら着ていく。


「もうお昼か」

「どうしたの?」

「うん?もうすぐお昼ご飯だなーって思っただけだよ」

「お昼?え、もうお昼なの!!」


 着替え終わった後、幼女がまたくっついて来た。

 上目遣いでまだいて欲しいと言外に伝えてきている。だが流石にもう冒険者協会に行かなくちゃいけない。


「ダメだよ私も行かなくちゃいけないしロザだってご飯食べなくちゃいけないだろ?」

「うぅ~」

「お姉ちゃんもう帰るの?」

「一緒に住もうよ」

「帰っちゃヤダー」


 俺が冒険者協会に行く話をしていると、ロザ以外の子達もいかないでと目をウルウルさせる。それは反則ではないか?


「また来るから泣かないで」

「でも、でもー」


 俺も着替えも終わり子供たちをあやしていると男の子達とシスターが入ってきた。


「あらあら、どうしたんですか?」

「冒険者協会に行くって言ったらこういう感じになっちゃいまして……」

「そうだったの?」


 俺は子供達の頭を撫でながら苦笑いして言うとシスターも同じように苦笑いしていた。


「ほらほら皆、お姉ちゃんを困らせてはいけませんよ」

「「えー」」

「えー、じゃありません」


 それから皆はお昼ご飯という事もあり俺はお暇させてもらった。

 それじゃあ書いて貰った地図通りに行ってみようかな。


 やっとと言う程時間はかからなかった。


「でも結構歩いたんだけどな」


 これも素早さを上げたおかげなんかな?

 それよりもう昼だし協会に入ったらログアウトするか。


「やっぱり厳ついおっちゃんがたくさんいるな」


 両開きの扉を開けアホみたいな感想を漏らして、隅の方の椅子に座りログアウトした。

 入ってきたときからこちらに視線がやっぱり集まった。



   *** ** ***



「腹減った~」


 クゥ~~、と可愛らしくお腹が鳴った。

 そら朝を食べずにいたらお腹もすくよね……。


「手早く今日もうどんでいっか」


 今日は豪勢に温泉卵も追加してネギと天かす、擂りゴマも多めにして食べよ。


「今の身体だとうどん二玉はきついんだよな」


 お腹は満たされているがだがもう少し食べたくなってしまうのを我慢して更新が来ている漫画など読み終わらせてからログインした。

 協会内はログアウトした時より増えており、俺が協会から出て行くと周りのプレイヤーやNPCから好奇の目で見られる。

 子供が来るような所じゃないしな。


「確か隣って言ってよな」

 隣には協会よりは少し小さいが立派な建物が立っていた。看板には袋の中に獣と枝葉が飛び出しているマークが彫られている。


「入ってみるか」


 ドアを潜ると色々な物が置かれていた。スライムの核、瓶に詰められた青い液体、よく分からない毛皮、何かの爪や牙、灰色の羽など、多種類のドロップ品が並べてある。


「え、木や石まで売れんの……こっちは雑草だし………」


 ここやべぇな。

 何でも売れるやん。


「売りたいんですけど」

「品を出しな」


 スライムの核x3、青い液体x1、レンガの破片x4、馬糞x1を試しに売ってみる。


「…………これなら635ギットだ」

「おっ、以外」

「何がだ?」

「いや、スライムの素材だからもうちょい安いかなっと」

「そういう事か。この値段は今回だけだ」


 え、なぜに――


「初回だけ高めに値段付けるようにしてんだよ。今回はスライムの核を151ギット、青い液体を67ギットにしといた。正規の値段だったら82ギットと25ギットだ」

「ありがとうございます!!」


 けっこうな値段を上げてくれてたのには吃驚だな。

 でもお財布はホクホクになったし次も頑張ろ!

 今度は協会で登録でもしておこうかな。

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