表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

復讐系ざまあ!

異世界婚約破棄奇譚

「すまなかった!」


王子様が頭を下げています





「なぜ許さないといけないんです?」


私がそう言うと


「へっ!?」


王子様は素っ頓狂な声を出して驚いていました







「王子のオレが頭を下げているんだぞ?」


数瞬後、気を取り直した王子様がドヤ顔で言ってきました


その自信はどこからくるんでしょうね(呆)





ひょっとして自分が頭を下げれば何でも許されると思ってます?





「衆人環視の中、あのような屈辱は初めてでしたわ


それをただ頭を下げただけで許せと言うのですか?」





絶対零度の視線を投げかけました


すると、急にオロオロとし始めました


どうやらちょっとだけ自分のしてきた愚行について理解したようです






ってコレが未来と王様かと思うと頭がクラクラしますね(呆)











<数か月前>





「サラ=リッチバッソル伯爵令嬢!マーガレットへの度重なるいじめ、ガマンならん!婚約を破棄する!」


この国の次期王であるナイン=バーチェリバー第一王子がそう宣言しました


次世代の若人が集う学園の新年の舞踏会で、です!


あまりのことにクラクラしました




ここでちょっと状況を説明いたします




私は伯爵令嬢です


まあウチは伯爵のランクでも下の方なんですけどね(苦笑)


簡単にいうとちょっと裕福な子爵に負けるくらい(涙)






そんな私がなぜ王子様の婚約者かというと『真面目だから』です


あ、今、『それはおかしい』と思いました?





でも想像してみてください




人のアラを探してはお茶会でバカにしている人


舞踏会で男漁りか、自分より弱い立場の人間を集団でイジメるとかしかしない人


平民の使用人なら何をやってもイイと思って虐待している人




そんなのが王妃になって他の国の王族や貴族をもてなす


・・・バッドエンドしか想像できませんね(笑)




私は領地で厳しい祖母によって育てられました


え、両親はどうした?、ですか?


安心してください!


生きてますよ(笑)






ただ、王都に長くいたせいで悪い意味に貴族に染まってしまいました(涙)






子供の頃、いや祖父から爵位を継いだ当りまではマトモだったんですよ


安心して爵位と領地を任せられるって、ね






でも王都では頭を押さえる形になっていた祖父母がいなくなった


つまり重しが無くなったことからの解放感からハッチャけました


最初はちょっとオイタがすぎるってくらいだったんですが普通にダラクしました(涙)


・・・人間って堕落する生き物なんですね(涙)






それを見た祖父母が私を守るために領地に引き取りました


・・・遊ぶのに邪魔な私はホイホイ渡されたとか(涙)





そこで地味で堅実に育てられました


両親が反面教師なのが笑えます(笑)


アレを見れば真面目が一番と絶対に思いますからね・・・





まあ、そんなわけで王子様の婚約者になったわけです




当然といえば当然のことなんですが地味な私は王子様のメガネにかないませんでした


親に押しつけられた婚約者ってことですね


そんでもって遊びに現をぬかしたわけです





皆もその辺はわかっているので私の存在はスルーです


名ばかり婚約者(笑)





貴族のウワサのネットワークはハンバないですね


真実が丸裸


まさに『真実はいつも一つ』ですね(笑)





テンプレのイヤガラセはないですね


たまに『地味』ってイヤミがくるくらい?


敵にはならないっていどころか、地味すぎて相手にもされない私(涙)







まあ、私的はよかったんですけどね


学園の図書館にある蔵書をなんの邪魔もなく読むことができましたから


・・・本って高いんですよ?、それに集めるのにもお金がかかります





貧乏ではないんですが、堅実なウチでは最低限の本しかありませんでした


ですから学園に来て読めるってだけで大満足です


・・・ちなみに私のオススメは恋愛小説だったりします(テヘッ)






まあ、そんなわけで新年の舞踏会も今回も壁の花になるんだろーなー、って思ってました


そんでもってお腹がすいたら別室にある美味しい料理とデザートを食べまくる


いつものパターンですね(笑)





そう思っていたらいきなりの強制バットエンド?


先の宣言が発動しました




「わ、私は何もやっておりません!」


大勢の生徒の前で晒し物にされた上、自分の身だけでなく、伯爵家の名誉まで自分で守らなければならない事実にクラクラしながら、勇気を出して訴えました





・・・少々セリフを噛んだのは御愛嬌です


後に思い返しても、「よくやった」と自分で自分を褒めたいです(笑)






ところが私の言葉を全く聞かない王子様


「証拠がある!」


そう言いました





あまりのことに驚いて声も出ませんでした


絶対に無いはずのモノがあるなんて自信満々に言われればだれでも固まります(涙)






そこで出てきたのが三人の貴族の令嬢


というか私のお友達





「人気のない所に連れ出して酷い言葉で罵っておりました!」


「持ち物を隠しているところを何度も見ました!」


「階段から突き落とすのを見ました!そして私に『誰かに喋ったら家ごと潰す』と脅されました!」







上から順に


アン=フォーマルハルト子爵令嬢


バーバラ=カーライル男爵令嬢


マージョリー=ヌケ男爵令嬢


です





昨日まで和気あいあいとしていたお友達でした


「アン、バーバラ―、マージ、なぜそんなウソを言うの!」


そう言いましたが顔をそらすばかりでした



これではまるで私が悪役令嬢ではありませんか!





そこで勇気を振り絞って訴えました


まず、冤罪であること


婚約者である私をないがしろにして平民の女にうつつをぬかしていること


そして衆人環視の中、偉そうに婚約破棄してきたことに!




その結果ですが


「とりおさえろっ!」


との王子の言葉に騎士団長の息子とその仲間達が私を床にたたき付けながら取り押さえました(涙)






その後ですが王子様が宣言したことは間違いであってはならないという貴族の謎理屈によって婚約破棄となりました


当然両親の逆鱗にふれて伯爵家から追い出されましたね





後は涙、涙の物語


落ちる所まで落ちましたね(涙)





今ではちょっとだけ成り上がりました


王都から離れた街でひっそりと店を開けましたよ


学園の図書館で得たささやかな知識を元にイロイロ作っています




薔薇のオイルとか、美肌用品とか、御貴族様が欲しがるものメインですね


そんでもって、復讐相手だけに納品を遅らせてます




舞踏会とかに間に合わないようにするとかですね


貴族なんて足を引っ張ってナンボです


そこで人より出遅れたってのは致命的です





それが数回続いた所でようやく私に復讐されているって判った次第です


ざまあ、ですね(笑)





最初は貴族の権力で平民の私に圧力をかけてきました


でも王子?王家?の派閥と敵対する開明派の貴族の後ろ盾があるので問題はありません


それを口実に王族派をチクチク責める口実ができたって喜ばれました


・・・貴族って腐ってますね





そんなわけでささやかな復讐に努める日々を送ってました  ←いや、ひっそりじゃないじゃん(笑)




ところが突然王子様が現れて謝罪してきました


そんでもって「謝ったんだからオマエの商品を王族派に渡せ」と言われました




いやそれは謝罪と違う


そう思う私は間違っていないはず?





さあ、どうやっていじめてやろうか?


思わず笑顔になった私を見て王子の顔色が悪くなりました






え?


その後ですか?





もちろんささやかなイヤガラセをする日々です


たとえば王子の突撃されてことをネタに


「酷いことをされて寝込んだので商品が作れない」


とか


「商品をグチャグチャにされたので納入が遅れる」


とかウワサを流したり、ですね(笑)





王子が突撃して泣いて許してくれといってくるようになりました





このままでは王子の座が危ないとか


王族派の結束がボロボロだとか


豪商から取引拒否が来たとか


使用人から辞めさせてくれってのが多数くるとか


ですね






全部、それぞれの婦人が王子を見限れば商品をゲットできるってことから来ているそうです


女性の美容に関する執念はスゴイですね


王族の守護よりも自分の美肌(笑)





敵の敵は味方ってやつ?


ガンガンやってください


お礼に新型の美顔薬でも送りますかね?


そしたらもっと叩いてくれるかな(笑)





「この鬼!悪魔!」


王子がわめきだしました


酷い言われようです


それをネタにしめあげました






あやまってもゆるしませんよ?


叩いて叩いてペチャンコになって


その後も叩きまくってこの世から無くなるまで叩いてあげましょう(笑)






しかし学園の図書館で昔に書かれた薬の作り方をゲットできたのは幸運でした


・・・塗るだけで『カサカサ』の肌が『しっとり』になる薬ってハンパないですね


大賢者リョウコ=タカニとは一体何者なんでしょう?





まあ、そんな些細な疑問はさておきましょう


なんていったって私の復讐帳デスノートにはまだまだ名前が書かれていますからね(笑)




偽証した友達に、床にたたきつけてくれて野郎達


まだまだ続きます






あ、王子についてきた貴族の子息が


「謝っているんだから許せ!」


とかフザケたこと言ってきてましたっけ?


彼らの名前もデスノートに書かないと(笑)





さあ、楽しい復讐の時間の始まりだ!、ですね(笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] BAD END バッドエンド バットだとコウモリか野球のバットになります。
[一言] そりゃそうだ。 許すかどうかを決めるのは、被害者であるサラであって加害者の王子達じゃないですからね。 王子達は許してもらえるまで平身低頭しなきゃいけないのに、何故偉そうなんだか……。 まぁ王…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ