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EscapeGoat  作者: 鈴木崇嗣
8/27

ACT.6 毒を食らわば皿まで



「所長・・・本当に実行なさるのですか?」


不服(ふふく)かね?」


「この決断はいささか早急(そうきゅう)すぎるかと思います。まだ(かなどめ)内通者(スパイ)であると決まったわけではありません」


「ふむ・・・君はもう少し、弟の才能を信じてやってもいいのでは?それに彼女は(かなどめ)(みお)を語った(まった)くの別人のだよ。根拠(こんきょ)についても君の優秀な弟が説明してくれたではないか」


「しかし・・・」


「ならばこれを見たまえ。この資料が君の疑問に対する答えの全てを教えてくれるよ」


「・・・」


「では始めるとしようか。銑十郎(せんじゅうろう)、そっちの準備は出来たかね?」


「あぁ大丈夫だ。いつでも始めてくれ」



・・・



・・・・・・



・・・・・・・・・




「おはよう(かなどめ)君。気分はどうかね?」



西暦4192年?月?日、状況はすぐに理解出来た。

(かなどめ)(みお)として福祉技研(ふくしぎけん)に潜入していた私は、一瞬の不意(ふい)を突かれ山本(やまもと)景勝(かげかつ)により発見され、そのまま()らえられた。

目を開いても辺りがブラックアウトしている事から、目隠しか何かで視界を奪われた上で、椅子(いす)にでも拘束されているのだろう。

それにこの感覚・・・ヤツら、私から一切(いっさい)身包(みぐる)みを()いだのか。

おかげで室内と言えども少し肌寒い。

裸体を見られた恥ずかしさもあるが、それよりもこの後に私の身に降りかかるであろう惨劇を想像すると身体の火照(ほて)りも一気に青ざめる。

周りに何人の人間がいるかは知らないが、(わず)かに声が反響している点から推測(すいそく)するに部屋自体は広くもあるまい・・・となるとここは拷問(ごうもん)部屋ないし処刑場か。

(さい)たる敵の1つであり、敵味方()わず恐れられている魔王の声が私にその事実を突きつける。

コイツは(まぎ)れもないキチガイだ。

人を人とも思わない悪行(あくぎょう)を繰り返し、殺し、隠蔽(いんぺい)、その他この世に存在する、ありとあらゆる悪事(あくじ)平然(へいぜん)と行う男・・・それが松永(まつなが)源以(げんい)だ。

そんな男が私の前にいると言う事はイコールで何よりも確実に、私自身に私の死を(つた)える告知となる。

そもそもこの時代に()いては捕虜(ほりょ)を必要とする意味がないのだ。

ナノマシンを調べれば、たとえそれが死体であっても素直に全てを物語る。

いや(むし)ろ死体の方が何もかもを正直に答えるだろう。

解放者(リベレータ)として活動する以上、死ぬは諸共(もろとも)の覚悟で生きてきたが実際に死というヤツが目の前に(せま)ると、これがなかなか怖いものだ。

だが私の中に流れるナノマシンが()の感情を制御してくれているからか恐怖以外は何も感じない。

だからこそ冷静に状況把握が出来るのだろう。


「ふむ、良好か。それはよかった。君には色々と聞きたい事があってね。すまないが喋るのに必要ない部分は全て(ふう)じさせてもらったよ。脳と口さえあれば私の言葉の意味を理解し、考え、発言する事は出来るだろう?」


「くだらん・・・知りたい事があるのなら私を殺してからナノマシン情報でもなんでも調べればいいだろ」


「なるほど。確かにその方が効率的だな。だが考えても見たまえ。なぜ私が君を殺さずにわざわざ尋問(じんもん)をしているのかを。私が知りたいモノは、君が持っている情報だけではないからだよ。五体(ごたい)満足の君がいてこそ初めて知る事ができる情報がある・・・(ゆえ)(あらかじ)(つた)えておこう」



松永(まつなが)の足音が近づいて来る。

カッカッと革靴が地面を()る音が私の背後でピタリと止まり、何かが顔の近くまで(せま)って来るのが気配でわかる。

次の瞬間松永(まつなが)は私の耳元で(ささや)いた。


「死にたくなったら、いつでも言いたまえ」



なるほど・・・つまりはこういう事か。

今から私の身体で実験という名の拷問(ごうもん)をする。

それは私が正常な状態でなければ意味を()さない内容(ある)いは、いつまで正気を(たも)っていられるかを知る為のモノ。

そして私が()を上げた瞬間に躊躇(ちゅうちょ)なく殺す・・・このセリフをコイツが言うと、まるで慈悲に()(あふ)れた聖者の(ささや)きにすら聞こえる。

どうせ死ぬなら皮肉の1つでも言ってやろうと口を開いた瞬間、私の口内(こうない)に何か硬くてゴツゴツとしたモノが突っ込まれる。

それと同時に松永(まつなが)は私の後頭部を押し込み、その硬い何かが(のど)の奥まで挿入(そうにゅう)される。

強烈な嘔吐感に襲われながら半開きとなった口からはダラダラと唾液(だえき)()れ出しているのがわかる。

これ以上ないほどの(はずかし)めを受け、早速(さっそく)死にたくなってきた。

だがこの状態では喋る事すらままならない・・・そこで、おそるおそる(した)の先と根元で挿入(そうにゅう)された何かの正体を(さぐ)ってみる。

棒状だが丸みを()びてはいない・・・(むし)(かど)の立った(いびつ)な形をしている。

所々にあるザラザラとした舌触(したざわ)りの物体はセレーションか?

そして(わず)かに酸味(さんみ)を感じるコレの材質は金属・・・フェラチオを強要(きょうよう)させられる女優にでもなったかのような気分に胸糞悪さを覚えながらも私は1つの答えを(みちび)き出した。

コイツの正体はリボルバー。

松永(まつなが)は常時、スーツの下にリボルバーを隠し持っていると聞いた事がある。

それにしてもずいぶんとスパルタンな形状しているモノだ・・・舌触(したざわ)りだけでわかってしまうあたりコレは相当の代物(しろもの)だろう。


「どうかね、もう死にたくなってしまったかな?」



"(しお)れた棒"を突っ込まれるよりマシと考えるべきか・・・(むし)ろここで(うなず)いたら松永(まつなが)()(がね)を引くのか?

自分の命であるハズなのに、なぜだかそれが気になってしまう・・・いや、コイツに捕まった時点で私は死んだのだ。

ならばいっその事、ここで終わらせるのも悪くない。

そんな考えが脳裏(のうり)()ぎった直後、()()なく襲い来る嘔吐感に()()ねた私は胃の中にあったモノ全てを吐き出してしまった。

リボルバーが邪魔で上手く排出が出来ず、(のど)口内(こうない)に嘔吐物が残り最悪の感覚に襲われる。

(なか)自棄(やけ)になった私は、それらを残らず吐き出すと同時に"殺せ!"と叫ぶ。

そのあとは、まさに一瞬だった。

湿(しめ)った銃声と共に私の(のど)を弾丸が貫き、大きな風穴を開けたのだ。

最早(もはや)痛み云々(うんぬん)ではなく、この感覚を一言で言い表すなら"違和感"とでも言っておこう。

強烈な違和感・・・そこそこの柔軟性(じゅうなんせい)を持った人の肉に無理やり穴を開ける感覚。

(はり)やナイフのような鋭いモノではなく、先の丸まった鉄パイプや木の棒で無理やり・・・グリグリと力任(ちからまか)せに(つぶ)しながらこじ開けるような・・・きっと至近距離から放たれた弾丸が関係ないところまで一緒に(えぐ)っていったのだろう。

そして私は死んだのだ。

そう・・・確かに死んだハズだ。

なのに──


「おはよう(かなどめ)君。気分はどうかね?」



なぜ再び松永(まつなが)の声が聞こえる!?

なぜ私の身体に感覚がある!?

なぜ・・・私は生きている!?



「ふむ、良好か。それはよかった。君には色々と聞きたい事があってね。すまないが──」


松永(まつなが)!貴様一体なにをした!!」



戸惑(とまど)いを通り越した先にある怒りの感情に支配された私は、椅子(いす)拘束(こうそく)された身体をバタつかせながら叫んだ。


「簡単な事だよ。私は君の望みを叶えてやろうと思い()(がね)を引いたのだが君は死ななかった」


「ふざけろ!あの状況で生き延びられるハズがない!貴様は私に──」


「何度聞いても答えは変わらんよ。だが表現する言葉を変える事はできる・・・この時代に()ける死の定義(ていぎ)を知っているかね?」



その後、松永(まつなが)悠々(ゆうゆう)と死についてを語り続ける。

ナノマシン制御により管理された人類にとっての明確な死とはイコールで脳の死を意味しており、たとえ五体(ごたい)を失ったとしても体内を循環(じゅんかん)するナノマシンがあらゆる代用品に対する互換性(ごかんせい)発揮(はっき)して欠落した部分を再生。

つまり肉体の(そう)()()えを可能とする。

手も足も、見た目も声も、何もかもを代用品に()()えたならば、その人間の持っていた個性はどうなってしまうのか?

一切(いっさい)の反応を(しめ)さない私を放置して松永(まつなが)は1人回答を()べる。


「それこそが唯一(ゆいいつ)にして絶対の部分(パーツ)"脳"だ。これで君も理解できただろう?死ななかったと言った私の言葉の意味が。喉元(のどもと)を吹き飛ばされ脊髄(せきずい)の一部は負傷したが、(さいわ)いな事に延髄(えんずい)は無傷だったよ。さて、君には聞きたい事があってね。すまないが喋るのに必要ない部分は全て(ふう)じさせてもらったよ。脳と口さえあれば私の言葉の意味を理解し、考え、発言する事は出来るだろう?」



その一言に私は(こお)り付いた。

恐怖・・・今まで感じた事のないレベルの恐怖が私を支配した。

ナノマシンが恐怖を制御しきれなくなったんだ。

全身がガタガタと震えている・・・頬を(つた)うコレが、汗なのか涙なのかもわからない。

これから私は何度も何度も殺される。

その度に私の中に恐怖が蓄積(ちくせき)されていく。

本当の意味で松永(まつなが)の目的を理解した時、私の臀部(でんぶ)から足にかけて生暖(なまあたた)かい何かが広がっていった。

失禁(しっきん)・・・だが止めようにも止められない・・・最早(もはや)恥ずかしさを感じている余裕もない。

私は叫び、暴れ続けた。


「死にたくなったら、いつでも言いたまえ」



それから私は幾度(いくど)となく殺された。

時には電流に焼かれ、時には全身を(えぐ)られ、時には絞殺(こうさつ)された私は今、胸を切り開かれた状態で震えている。

鮮血(せんけつ)(したた)る私の骨や内臓を見て松永(まつなが)は"よく出来ているな"などと世迷言(よまいごと)を言い放つ。

これから私は生きながらにして解体されていくのだ。その指が無抵抗に(さら)された肋骨(ろっこつ)隙間(すきま)へと入り込み、1本2本と力任(ちからまか)せにへし折っていくのがわかる・・・ 鈍い音共に骨を折られた感覚が全身を刺激し続け、私は痙攣(けいれん)したまま気を失った。

しかし私が意識を取りもどした時、松永(まつなが)は決まって何事もなかったかのように"おはよう(かなどめ)君"と第一声を掛ける。

そして傷1つない綺麗(きれい)な肉体に作り直された私を躊躇(ちゅうちょ)なく壊していく。

肉体(からだ)は物だ。

形ある物だ。

形ある物は壊れても何度でも(なお)す事ができる・・・だが精神(こころ)に形はない。

形のないモノを(なお)す事はできない・・・私の精神(こころ)は完全に破壊されていた。


「君には色々と聞きたい事があってね──」



最初に殺されてから、どのくらい時間が()ったのか。

1分が10分にも1時間にも感じる無限地獄の中で、 突如(とつじょ)私の視界を奪っていた目隠しが(はず)された。

(わず)かな明かりでさえも私の目を容赦(ようしゃ)なく()め立て、ようやく()れたのは数分後。

白く無機質な部屋を見渡せばドコを探してもあの惨劇を証明するモノはなく、血痕(けっこん)(おろ)か処刑道具すら発見できなかった。

だが部屋の奥、全裸で拘束(こうそく)された私を見つめる松永(まつなが)の姿に私は確信する・・・あれは幻覚(げんかく)などではなかったと。


「おはよう(かなどめ)君。気分はどうかね?」


松永(まつなが)・・・!!」



落ち着いた様子で声を掛ける松永(まつなが)と目が合ったその時だった。

私の全身を不思議な感覚が()け抜けたのは。

それは恐怖でも怒りでもなく、まるで再会を(ちか)った2人が約束の地でめぐり()えたような不思議な感覚。

ゆっくりと(せま)り来る松永(まつなが)は、そのまま私を(しば)っていた拘束器具を(はず)し、私は不意(ふい)に解放された。

椅子(いす)から立ち上がった私と入れ替わるようにして、あろう事か今度は松永(まつなが)がその椅子(いす)に腰掛ける。

何度も私を殺したその場所で足を組みながら松永(まつなが)は何かを取り出し、それを私に投げ渡してきた。

初めて見るが忘れもしない・・・そのスパルタンな物体は私を殺したリボルバーに間違いない。


「それの使い方はわかるね?この至近距離なら(はず)しようがないとは思うが装弾数は8発、確実な操作とレスポンスを追求した為にシングルアクションを採用しているが、ハンマーを起こしてトリガー引けばそれで弾が撃てる。サイティングはフロント、リアの3ドットを合わせてくれたまえ。君にその気があるのなら私を撃ってくれても(かま)わんのだよ?」



何を考えているかは知らないが松永(まつなが)自身が殺してみろと言っているならこれは願ってもないチャンスだ!

コイツの事は殺しても殺し()りない!!

迷う事なくリボルバーを拾い上げた私はハンマーを起こし、少し大きめなグリップを両手でしっかりと握り()松永(まつなが)眉間(みけん)に狙いを(さだ)める。

ターゲットと3つのホワイトドットが重なったのを確認して、一気に人差(ひとさ)し指に力を込め──


松永(まつなが)あぁあぁぁ!!」



・・・



・・・・・・



・・・・・・・・・



気付いた時、私は銃を手放し甘えた声を出しながら松永(まつなが)()()っていた。

ナニをするわけでもないのに()(ぱだか)の私は松永(まつなが)(ひざ)の上に乗り、ヤツの首に腕を回して甘えていたのだ。

無論松永(まつなが)微動(びどう)だにせず一切(いっさい)の反応も見せない。

なぜだかそれが・・・(くや)しかった。

私は"全て"を(さら)け出しているのにコイツの事は、なに1つわからない。

()も、心も、何もかも全てを(さら)け出しているのに松永(まつなが)は反応してくれない・・・それが(くや)しくて(たま)らなかった。


「私を・・・見て・・・」


「見ているよ。(むし)ろ君が邪魔で周りが見えないのだがね。そろそろ退()きたまえ」


「・・・松永(まつなが)・・・私・・・」


「ふむ、それは君自身の意思かね?それともナノマシンによる現実逃避や自己防衛から()る、(いつわ)りの反応かね?」



わからない・・・何もかも。

わかりたくない・・・わかる必要もない。

私は・・・松永(まつなが)を・・・松永(まつなが)源以(げんい)が・・・(まつ)・・・。


銑十郎(せんじゅうろう)(かなどめ)君のナノマシンの波長はどうなっている?」


「シンクロ7.2np、流体(りゅうたい)パルスはアクセラレータに対して(せい)を維持したまま毎秒0.003から0.007、当初の想定よりも少ない誤差(ごさ)で流れている。その他の数値にも異常は見られない。結果から言えば成功だ」


「さすがに駿河(するが)君が指揮を()っていただけの事はあるな。大至急三課(さんか)にデータ洗練を実行するよう指示を出してくれたまえ。私はもう少し、(かなどめ)君の反応を記録してから向かう」


「あぁわかった。とにかくこれで福祉技研(ふくしぎけん)最重要課題の1つ"人間の乗っ取り(ナノマシン・ジャック)"が理論上の戯言(ざれごと)ではない事が証明されたな。あとはコイツに──」



部屋の角に付けられたスピーカーから誰かの声が聞こえてくる。

その声は松永(まつなが)と会話をしているようだった・・・不快(ふかい) ・・・松永(まつなが)と喋っているのは私だ。

スピーカーの向こうにいる誰かから松永(まつなが)を取り返す為に、私は彼の首筋に噛み付いた。

少し強めに・・・クッキリと私の痕跡(あと)を彼に残すべく噛み付きながら甘えてやった。


「それは甘噛みのつもりかね?」


「・・・」


「まぁいい。君のおかけで私は知りたい事を、知る事ができた。感謝するよ(かなどめ)君」



そう言って松永(まつなが)は私の頭を()でた。

嬉しい・・・心が満たされていく・・・甘噛みをヤメ彼に向き直ると、松永(まつなが)は初めて私の目を見てくれた。

胸いっぱいの幸せを感じながら私は・・・彼の(くちびる)に自分の(くちびる)(かさ)ね合わせ、強く強く()きしめた。

何秒キスした?10秒キスした?それとも20秒?

(かさ)なり合っていた(くちびる)を離すと、粘液(ねんえき)で出来た1本の糸が名残惜(なごりお)しそうに()れ下がりながら消えていくのが見える。


「・・・すまんな銑十郎(せんじゅうろう)、スピーカーとカメラを切ってくれ。どうやら(かなどめ)君の反応を調べるには"より詳細に"事を進める必要があるらしい」


「わかった。だが無理はするなよ」



ノイズ混じりの物音を最後にカメラからは光が消え、スピーカーは黙り込んだ。

その後、私を(はら)いのけた松永(まつなが)椅子(いす)から立ち上がり、着ていたスーツの上を脱ぎ捨てると、それをたたみながら地面に()いて即興(そっきょう)の"場"を作る。


「待たせたね。では君の全てを認識()させてもらうよ」


今度は松永(まつなが)が私の体を引き()せ、そのまま()きしめてくれた。

彼が私を必要としてくれる・・・その期待に応える為に私は彼を押し倒し、再び(くちびる)(かさ)ね合わせた。

でもそれだけじゃない・・・静まり返った部屋の中央ネチャネチャと音を立てながら私は(した)を動かし続ける。

彼に・・・なにより私自身が気持ちよくなりたい。

自分の肉体(からだ)の事は自分が一番理解しているからこそ私の手は無意識のうちに松永(まつなが)の手を取り、この胸に押し当てている。

もう何も隠せない・・・()()なく(あふ)れ出る私の"愛" は、彼の服を()らしていた・・・あとは(まじ)わり合って()けていく・・・どこまでも深く()けていく・・・。

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