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砂塵の王  作者: 秋山 和
白塵の嵐
31/220

8

 シアタカは、市場を歩いていた。心なしか市場を歩く人々がこれまでよりも少ないように感じる。ここまで、一度も人にぶつからなかったのは、これまで一度も無かったことだった。


 横を歩くアシャンの機嫌が悪い。隊商宿を出た時からずっとこの様子だ。シアタカはその原因に思い当たり、口を開いた。


「ウィトに何か言われたのか?」

「うん。私に話すことなんてないって言われた」


 アシャンは怫然とした表情で言う。


「そうか……。すまない。ウィトには後で言っておくよ」

「シアタカが謝ることはないよ。あいつが強情なだけ」


 シアタカの言葉に、アシャンは肩をすくめて見せる。


「ウル・ヤークスの騎士というのは、子守をしなければならないのか?大変だな」


 先を歩くウァンデが、そう言って振り返った。その揶揄するような口調に、シアタカは苦笑する。


「ウィトを責めないでやってくれ。慣れない環境で戸惑っているのだと思う」

「そう言うシアタカは、すっかり馴染んでるね」


 アシャンはシアタカを見やって笑う。


「キセの一族の客人として、くつろぎすぎかな?」


 シアタカは自嘲の笑みを浮かべた。借りているキセの旅装束も着慣れてしまった。腰に刀を吊るしていなければ、ウル・ヤークスの騎士である証はどこにもない。


「キセの一族と言ってもきっと疑われないよね」

「全くだな。騎士なんてやめて、このままキセの塚に来い、シアタカ。流れ者が居ついて、そのまま一族になる。よくあることだ。そうなればアシャンも喜ぶ」


 ウァンデは頷くとシアタカに顔を向ける。シアタカを見つめる目は真剣だった。


「な、なに言ってるのよ兄さん。シアタカも迷惑してるよ」


 アシャンがあわてた様子でウァンデを見て、シアタカを見た。


 そういう生き方もあるのか。考えもしなかったウァンデの提案に、シアタカは虚を突かれた思いだった。戦奴として戦場に立ち、生き延びて紅旗衣の騎士となった。それはただ運命の川に流された結果であり、それ以外の生き方があるなど考えもしなかったことだ。そんなシアタカにとって、紅旗衣の騎士ではない自分をまったく想像できなかった。


「シアタカ、シアタカ?大丈夫?」


 シアタカは腕に触れた手の感触で我に返る。アシャンが心配そうに覗き込んでいた。


「あ、ああ、すまない」


 どうやら立ち止まってしまったらしい。照れ隠しに苦笑すると頷いてみせる。


「申し出はありがたいけど、俺はキセの一族にはなれない。俺の命は聖女王陛下のものであり、他の一族に忠誠を捧げることはできないんだ」


 シアタカの答えに、アシャンの表情が曇った。ウァンデは薄い笑みを浮かべると首を傾げた。


「残念だな。お前が来てくれれば、塚での暮らしも楽しいことになると思ったが」

「そんなことを言われたのは初めてだよ。ありがとう」

「お前はもう少し自分の価値について考えたほうがいいな。お前の忠誠に口出しするつもりはないが、違う道を考えてみても損はない」

 

 ウァンデはそう言って小さく溜息をつく。シアタカはそれに答えなかった。


 立ち止まってしまった三人に歩み寄ってくるカラデア人たちがいた。先頭に立つ男が進み出る。革の胸甲を身に着け、腰に短い剣を吊るした彼らは、シアタカを監視していたカラデア兵だった。シアタカたちが隊商宿から出ると、常に彼らの後をついて来る。


 カラデア兵は三人の前に立ち止まると、口を開く。


「ウル・ヤークスの男、キシュガナン、ラワナ様がお呼びだ。来てもらおう」

「太守の娘が?何の用だ?」


 カラデア兵はウァンデの問いに頭を振る。


「それは俺の答えることではない。とにかく、ついて来てくれ」


 ウァンデはシアタカを顧みる。シアタカはその視線に頷いて見せた。


「ああ、分かった。行くよ」


 シアタカの答えに、カラデア兵たちは三人を先導して歩き出した。


 一行が到着したのは一軒の家屋だった。おそらく空き家であっただろう、生活感の感じられない建物だ。


「ラワナ様、連れてきました!」


 カラデア兵が、玄関に立つと言った。中からの応じる声に頷くと、シアタカたち三人の入室を促す。


 家の中には、三人のカラデア人と一人の鱗の民が立っていた。


 中心に立つ女は、ラワナ。市場で会った女だ。そして、鱗の民。シアタカに鱗の民の見分けはつかないが、なぜかその鱗の民はカナムーンだと感じた。そして、ラワナの両側に立つ男たち。髪や髭に白いものが混じる初老のカラデア人は、白い長衣を身に着け、腰に剣を吊るしている。その服に下には年齢とは不相応な屈強な肉体が見て取れる。おそらく軍人だろう。シアタカは、そう推測する。もう一人は若いカラデア人だ。藍色の長衣と右目にある黒い石から、黒石の守り手だと判断できた。


「カナムーン、久しぶり!」


 緊張の面持ちだったアシャンが、鱗の民を見て顔を明るくした。その声は、鱗の民がカナムーンだという確信に満ちている。


「やあ、アシャン、ウァンデ、シアタカ。久しぶりだ」


 鱗の民はそう言うと甲高い声で鳴く。


「宿を訪問するつもりだったが、行けなくて申し訳ない」

「そんなこと、謝る必要ないよ。律儀だね」


 アシャンは笑う。


「カナムーン、怪我は治ったんだな」


 シアタカが言った。カナムーンは二本の足で立っており、怪我の影響も見えない。


「もう大丈夫だ。後遺症もない」

「それはよかった」


 カナムーンの答えにシアタカは頷く。


「再会の挨拶はそこまでだ」


 初老の男が厳しい声で遮った。


「ここに呼んだのは再会を喜び合うためではない。お前たちに話があるからだ」

「ワアド、そう責めないであげて。挨拶ぐらい、問題がないわ」


 ラワナが、初老の男に笑顔で言った。


「過ぎた寛容は侮りを受ける元になるぞ」


 ワアドは鋭い視線をアシャン、ウァンデと移していき、そしてシアタカで止まった。


「貴様がウル・ヤークスの軍人か……」

「シアタカだ」


 シアタカはワアドの視線を受け止めて、口を開く。


「シアタカ・ディテネヤーカ。紅旗衣の騎士だ」

「知っている」


 ワアドはシアタカを見据えたまま頷く。


「カナムーンを除き、追ってきた鱗の民の騎兵部隊を全滅させたそうだな」

「それは俺一人の力じゃない。同胞たちの武勇があったからだ」


 シアタカは頭を振る。勇猛果敢だった斥候部隊の同胞たち。彼らがいなければ、自分はここにはいなかった。


「同胞……、同胞か。ろくでもない奴らだ」


 ワアドの呟きのような言葉に、シアタカは目を細めた。

 

「今、何と言った?」

「ろくでもない奴ら、と言った。人の家に押し込んで金品を奪おうとするような輩を、他に何と呼ぶ?」

「我々は、金品を奪いに来たんじゃない」 

「だったら何だというのだ?お前らの欲しがっているのは、黒石とカラデアの富、すなわち交易だ。そして、何の口上もなく攻め込んできた。やっていることは、野盗と全く同じだぞ。ろくでもない奴らと呼んで何が悪い」


 シアタカは、この戦の発端を詳しく知るわけではない。発端や経緯は彼にとって重要ではなく、何を命じられて、どう戦うかが重要だった。敵地で敵と戦の正当性を言い争うことなど、彼の仕事ではない。カラデアに来て、様々な話を聞いている今、シアタカは反論することができなかった。


 ワアドは鼻を鳴らすと言葉を続けた。


「一兵士であるお前に言っても仕方がないことだったな。そもそも、そんな話がしたくてここに呼んだわけではない」


 ワアドはシアタカに歩み寄る。


「カナムーンやエタム様の話を聞いて、どんな奴かと思ったが、中々興味深い……」


 ワアドはシアタカの前に立った。


 次の瞬間、ワアドの右腕が動いた。腰に差していた短剣を抜き放つ。シアタカはその動きにすぐに反応した。右手をワアドの手首に当てて止めると同時に、左手を肘に差し込んだ。左腕でそのまま巻き込むように抱え、右手は手首を掴んでいる。


 肘を抱え込まれたことによってワアドの腕は自然に曲がる。掴んでいる右手に誘導されて、ワアドの握る短剣の切っ先はそのまま己の首筋に突き付けられていた。鋭い切っ先はわずかに皮膚に刺さっている。


 シアタカは、眼前で息を呑んでいるワアドを見つめた。


「試すような真似はやめてくれ」


 静かな口調に怒気をこめて言う。


「確実に止める自信はないんだ。危うく殺してしまうところだった」


 シアタカは、ワアドの拘束を解くと一歩退いた。不意を打たれて、半ば無意識に反応してしまった。寸前で気付いて手を止めることができたが、いつも同じことが出来るとは限らない。武術の達人は全ての動きを意識下におくことができるというが、生憎自分はその領域には達していない。


「かわすものと思っていたが、まさか己の武器に殺されかけるとはな……。組討ちの技か。何をされたのか全く分からなかった。」


 ワアドは大きく息を吐くと、首筋に手をやった。小さな点となって滲んでいた己の血に触れる。


「なるほど、カナムーンと引き分けたというのも納得だ」


 指についた血を見て、シアタカを見やる。


「そうだ。シアタカは強い。迂闊なことは止めたほうが良い」


 カナムーンが喉を鳴らすと言った。


「肝に銘じておこう」


 ワアドは振り返ると頷いて見せた。


「相変わらず、手が早いなシアタカ」


 ウァンデが満足げに笑う。 


「どうにかしないとな」


 シアタカは溜息をつくと頷いた。今まで、こんなことは悩みではなかった。戦場では、考えている暇はない。何よりも速く敵を殺していればよかったのだ。だが、それはここでは通用しない。


「あなたは変わっているわね……」


 心なしか表情の強張ったラワナが言った。


「変わっている?俺が?」


 シアタカは首を傾げた。


「そう。戦士は己の武勇をひけらかすものよ。だけど、あなたは違うように見える。あなたにとって、武勇とは、何?」

「それは……」


 シアタカは考え込むと、おもむろに口を開いた。


「俺は紅旗衣の騎士だ。俺は、ギェナ・ヴァン・ワの一員として戦う。個人の武勇は、戦場では勝利に至る道のひとかけらに過ぎない。そう考えている」

「私たちは、そういう敵と戦っているわけね」


 ラワナはワアドと顔を見合わせると、頷いた。

 

「くだらない余興であなた達を煩わせたことを謝罪します。さて、本題に入るわ」


 そう言ってシアタカたちを見回す。


「まず一つ。デソエ守備隊とウル・ヤークス軍の間で戦いが始まった」


 シアタカは遠い戦場のことを想った。斥候部隊と激突したカラデアの援軍も合流しただろう。ラッダが本軍に知らせをもたらしたと信じているが、戦場では何が起こるか分からない。


「あなた達に勝ち目はない。損害が大きくなる前に、ウル・ヤークスに降伏するべきだ」


 ラワナを見つめて言う。ラワナは、それを聞いて苦笑した。


「捕虜の身でありながら降伏勧告をするなんて、肝が据わっているのね」

「いや、この男は思ったことを口にしただけだろう。あなたが言ったではないか。変わっている、と」


 ワアドも笑みを浮かべ、言った。


 シアタカは、馬鹿にされているように感じて眉根を寄せる。背後でアシャンの小さな笑い声が聞こえた。


「そして、ここからが本題ね」


 ラワナが厳しい表情になる。


「シアタカ、ウィト、ラゴ、三名の身柄は我々が預かるわ」

「えっ!」


 アシャンが驚きの声を上げる。


 いつまでも、キセの一族の元に留め置かれるような状況が許されるわけがないと思っていたが、とうとうその時が来た。シアタカは覚悟していたために驚きはない。


 ウァンデが進み出るとシアタカの傍らに立った。


「言っただろう。シアタカはキセの一族の客人だ。引き渡すことは出来ない」

「それは市場で聞いたわ。キセの一族が客人を守る義務があるように、私にも、カラデアを守る義務があるのよ。そのために、いつまでもウル・ヤークスの三人をあなた達に預けておくことは出来ないわね」


 ラワナは腕組みするとウァンデを見据える。


「我々は客人を守る。そのためには、一戦を辞さない」

「それは残念ね。カラデアの中で騒乱に及べば、我々は罪人として対処する。キセの一族は、今後カラデアで商取引を許されなくなるわ」


 ウァンデは、ラワナの言葉に押し黙った。ただ表情を変えることはなく、ラワナを睨み付ける。ラワナもその視線を平然と受け止めた。


 シアタカは、左手を上げると二人の視線の間に割って入った。ウァンデに顔を向けて、口を開く。


「ありがとうウァンデ。だけど、これ以上キセの一族に甘えるわけにはいかない。俺のせいで一族が破滅してしまうのは許されない。キセの一族は無事に交易を終えた。キセの一族は、故郷に帰るべきだ」

「シアタカ、何を言ってるの……?」


 アシャンが微かに震える声を発した。


「俺はキセの一族の元から去る。俺は、彼らの客人ではなくなる。これで、彼らの庇護を受けることはない」

「駄目だよ、シアタカ!」

「いいんだ。俺はもう、充分に恩を受けた。このままでは、キセの一族に仇なすことになってしまう」


 シアタカはアシャンを見て微笑む。アシャンは激しく頭を振った。 


「嫌だ、そんなの嫌だよ」

「分かるだろう、アシャン、そしてウァンデ。一族のことを考えてくれ」


 シアタカは再びウァンデに顔を向ける

「ああ……」


 ウァンデは一言発すると、頷いた。その表情は硬い。


「ウル・ヤークスにも色々いるな。黒石を奪いに来た者は礼儀知らずの愚か者どもだったが、お前は恩義というものを知っている」


 ワアドが言う。


「明日、宿に迎えにいくわ。ウィトとラゴに話をして、身支度を整えておいてちょうだい」

 ラワナの言葉に、シアタカは頷いた。




 シアタカたちは、宿に戻った。道すがら誰も口を開くことはない。三人とも無言のまま、宿に到着する。そのまま、シアタカはウル・ヤークスの者たち三人にあてがわれた部屋に入った。


「騎士シアタカ、お帰りなさい!」


 奇妙なほどに弾んだウィトの迎えの声。


 小さな窓しか採光口がないために、部屋は薄暗い。シアタカは、室内にウィトとラゴ以外にもう一人の姿をみとめた。


「誰だ?」


 シアタカは問う。その衣装から、ルェキア族の商人のように見える。


 その男は立ち上がると一礼した。


「喜ばしきことかな。雨が降る日にこそ、我が恵みの乏しさを知る」


 男が発した言葉は、ウル・ヤークス語だった。しかも、教典の一節を引用している。シアタカは驚きと警戒心から一歩後ずさる。


「麦穂を手に、聖堂へ向かおう。そこにはわかつべき者たちが待つ」


 シアタカも、教典の一節を引用して答えた。男は頷く。


「ギェナ・ヴァン・ワの者なのか?」

「正確には、聖導教団に所属しています」


 男はシアタカに答えた。


「騎士シアタカ。この者の名はシューカ。聖導教団の造人で、ヴァウラ将軍の命でカラデアに潜入しています」


 ウィトは、小声で言う。


「造人?」

「はい。この顔は、偽りの仮面です」


 頷くシューカの顔が変化していく。その白蝋のような顔に驚きながらも納得した。


「ヴァウラ将軍はカラデアに密偵を派遣するつもりだと仰っていたが、それがあなたなのか?」

「はい。あなた方は捕虜になっていると聞きましたが」

「その通りだ」


 シアタカは手短に現状を説明した。斥候として鱗の民の部隊と交戦し、キセの塚の一族の客人となってカラデアに辿り着いたことを。そして、明日、ラワナたちに拘束されることを。


「あの蟻使いと共にいたのは、そういう訳だったのですね」

「それは、最初から彼らを知っていたような口ぶりだな」


 シアタカは怪訝な表情でシューカを見る。


「私のもう一つの目的は、あの蟻使いたちです」

「目的?」


 答えの意味が呑み込めず、目を瞬かせる。


「将軍閣下は、蟻使いの身柄を所望しておられます」


 シアタカはその言葉に耳を疑った。


「ヴァウラ将軍はキシュガナンの民を知っていたのか?」

「将軍は、沙海とその周辺の情勢をかねてより調査していました。蟻使いの民にも、将軍は興味を示されていました。それは、聖導教団も同様です」

「キシュガナンに興味を?なぜだ?」

「様々なことです。アムカム銅を産する地、大蟻の生み出す様々な産物、それらは他のどの土地でも得ることの出来ない貴重なものです。そして、何より人の意のままに動く巨大な蟻。もしそれらを手中にすれば、ウル・ヤークスの力は増す。将軍はそうお考えです。カラデアを攻略した後に、ここを足掛かりとして蟻使いの民と接触するつもりでしたが、幸運なことに蟻使いはすぐ近くにいた。この好機を逃すことはできません」

「この戦いは、カラデアを鱗の民から解放するためでは?」

「その通りです」

「だが、シューカの話では、将軍はさらにキシュガナンの地を手に入れようとしているように聞こえるのだが」

「聖女王の秩序と法を、あまねく広めるためです」


 その答えはシアタカの質問を肯定していた。徐々に、心中を暗い雲が覆い始めている。疑問という名の雲だ。


「将軍は、蟻使いの身柄を求めています。シアタカ殿には、あの娘の身柄を確保するために協力を要請します。客人として蟻使いの側にいるのならば、都合がいい」

「ばかな」


 シアタカはシューカを睨みつけた。


「紅旗衣の騎士が、客人として迎え入れてくれた者達を裏切れというのか?」

「法も秩序も知らぬ蛮族に、騎士の礼儀をもって報いることはありません。異教徒に礼儀は必要ないでしょう」


 シューカは答える。伝道僧が口にするような、型にはまった口調だった。


「紅旗衣の騎士が、異教徒に義理立てして聖女王を裏切るというのですか?」


 シアタカは答えに詰まって口を噤んだ。シューカの言うとおりだった。紅旗衣の騎士は、聖女王に命を捧げる。


「将軍は現在、デソエ攻略の途中です。我々は、あの娘の身柄を確保します。その時がきたならばお知らせします」

「しかし……」

「あなたの身柄は明日拘束される。もう時間は残されていません」


 シューカはシアタカの言葉を遮って言った。シアタカは頷くしかなかった。

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