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名前をつけさせてくれない猫  作者: さくらんぼ


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30/30

後日談② 呼ばない日

昼。


静か。



主人公

「……」



ソファ。




最初から隣。



主人公

「今日は早いね」


無言。



ぴたっ


まではいかない。


でも近い。



主人公

「呼んでないけど」



「…にゃ」



主人公

「だよね」



そのまま


何も言わない。



動かない。




主人公

「……」



少しして



主人公

「呼ばない方が来る説あるね」



無反応。



でも


少しだけ寄る。



主人公

「ほんと都合いいな」



「…にゃ」




結局


この猫は呼ばない日の方が近い。



後日談③

避け方


夕方。


薄暗い。



主人公

「電気つけるか」



立ち上がる。



あの場所。



少しだけ


足が止まる。



主人公

「……」



何もない。



でも


そのまま


半歩だけずらす。



遠回り。



見ている。



主人公

「癖になってるな」



「…にゃ」



主人公

「そっちは見ないの?」



無言。



同じように


見ない。




結局


避け方だけが少し上手くなる。



後日談④

同じ時間


夜。


静か。



時計。



同じ時間。



主人公

「……そろそろ」



ベッド。



待つ。



少しして




来る。



主人公

「やっぱり来るね」



無言。



同じ位置。



同じ距離。



主人公

「時間守るタイプ?」



「…にゃ」



主人公

「誰に教わったの」



無反応。



でも


ずっと同じ。




結局


この猫には時間だけはあるらしい。



後日談⑤

触れるだけ


朝。


光。



主人公

「……」



ソファ。




横。



少しだけ


手を伸ばす。



触れる。



逃げない。



主人公

「触るのはいいんだ」



「…にゃ」



主人公

「名前はダメで」



無反応。



主人公

「線もダメで」



動かない。



主人公

「でもこれはいいんだ」



少しだけ


近づく。




結局


触れる距離だけは、少しずつ変わっている。



後日談⑥

そのままの部屋


夜。


静か。



主人公

「……」



ベッド。




隣。



ぴたっ



主人公

「今日は近いね」



「…にゃ」




視線。



あの場所。



暗い。



何もない。



主人公

「……」



少しだけ見て


やめる。



主人公

「変わらないね」



無言。



でも


離れない。




目を閉じる。



静かな時間。




結局


部屋は何も変わらない。


猫も変わらない。


名前もない。



でも


このままでいいと思えるくらいには、全部がちょうどよくなっている。

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