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第2話 ソファの女王
朝、部屋のソファを見たら、猫が既にどっかり座っていた。
「おはよう……もうここが君の場所か」
思わずつぶやく。猫は無言で、尻尾をゆらゆらさせるだけ。
主人公が朝ごはんの支度をしても、猫はソファから動かない。
カップ麺を置くと、じーっと見てくるが、食べ物には興味がない様子。
「やっぱりね」
膝に乗せようとすると、少し考えたあと、そっと乗ってきた。
小さく「…にゃ」とだけ鳴く。
仕事の準備を始めても、猫は膝に乗ったまま。
ふわっとした尻尾が主人公の腕に絡まる。
「君、膝乗り禁止じゃなかったっけ?」
猫は知らん顔。
掃除機をかけるときは、さっとソファの端に移動。
ジャンプ力は高いので、家具の隙間も軽々移動する。
でも、いたずらはせず、静かに見守るだけ。
窓の外を見ながら、ふと小さく「…にゃ」と鳴く。
雨の日の公園で初めて会った時のことを思い出す。
あの日から、猫は自分の意思でこの家にいるのだと、主人公は改めて感じた。




