あれからのこと
あれからは時が流れるのが早く感じる気がした、誕生日でもなんでもない日に貰った一冊の本、あれからはたくさんのことが知れた、例えば火の魔法を近づけることで発火する石、夜になると光る石それ以外にもたくさんの種類の石などがあった、それをもとに停滞していたマッチについて少しずつでも着実に進んでいった、そうして考えていく中で一年、また一年と時が過ぎていくものの10歳になる頃にはある程度の仮説と原理はつかめてきたものの一つ難点を挙げるとすればそれらの石、鉱石といったものは王国や魔法連邦に出回っているのがほとんどだった、そのため確証をつかめないまま再びマッチについては停滞してしまった。
でもあの一冊のおかげで他の童話に関することも進んだ、例えば「花火」であれば火薬というものが出てくるがあれも発火性のある鉱石が関わっているのだろうとわかるし、「鉄の船」であれば軽い鉱石を使ったのかなと予想できる、これ以外にも様々なことで辻褄が合ってくる。
といった感じで、5歳から少しずつ進めた仮説もだいぶ溜まってきた、とは言っても全ての時間を考えるのに使えたかと言われるとそうでもない、ユーリに魔法の勉強をさせられる時もあれば、親の仕事を手伝ったり、ご飯を作ったりなどの家事も含め全てが楽しかったかと言われればそういうわけでもないがそれでも今日までとても充実した日々を送ってこれた。
「さてと、日頃の日記もとい考えをまとめるのはこれくらいにしてそろそろ行かないと怒られるかな?」
今日は僕が14歳になる日そして約三ヶ月後ついに帝都にて魔力測定の儀が行われる。
そんなめでたい日にまで、部屋にこもっていたら流石に怒られるというものこんなことしてたらユーリに怒られるんだろう、とか言ってる間に足音が聞こえてきた。
そうしていつものノックもなしに扉が開く。
「ノア!!なんで今日もここで机に向かっているの!!」
「今終わったところだよ」
「あっ、そうだったのそれはごめっ、じゃなくて今日ぐらいゆっくり過ごしなさいよ!!」
「いや〜これでもゆっくりくつろいでるつもりなんだけどなぁ」
「家族団欒って意味よ!もう!」
「まぁそう怒らないでよ、なんたって今日は僕がお兄さんになれる日だからね!」
「二週間しか変わらないでしょ!」
「ハハっ、それもそうだねそれにしても今日で今年も終わりかぁ」
「あっ!そうだったまだ料理作ってないんだった!私は先に降りてるから3分以内に降りてきなさいよ!さもないと容赦しないんだから!」
「は〜い」
慌ただしく降りていくユーリを見ながら一旦椅子に座る。
「そう急がなくてもいいのに、もう数ヶ月で帝都の魔法学校とはいえ一生会えなくなるわけじゃないのに、まあぁ見えて寂しがりな一面もあるからなぁ、一緒に過ごせる時間はできるだけ長くいたいんだろうな、さてそろそろ1分経つし行かないと怒声と共に強烈な刀捌きが飛んできかねない」
まだ幼さがあるもののしっかりと育ってきた体で立ち上がり、下へ降りてダイニングルームに入る。
「ノア!誕生日おめでとう!」
家族達の大きな声と共に出迎えられてそのまま誘導されるまま席に着く。
「さてそれじゃあ、今年も最後の一大イベント、ノアの誕生日兼年越しを楽しむとしようか!」
「お父さん僕の誕生日を一大イベントにしないで⋯⋯」
「いやいや息子の誕生日はたとえ年越しの日じゃなくとも一大イベントだろなぁ?」
「そうですね、ノア今日はあまり周りに気を使わず楽しみなさい!」
2人とも30後半になっても衰えない元気さで僕の誕生日を祝う気満々だった。
「まぁそれもそうだね、気を遣った記憶はないけど、それじゃあ先にご飯食べちゃおうかな」
並べられた食事は好物ばかりでそれでいて彩りもあり健康にも気を使われていた。
「それにしてももう14歳かぁ、ノアも大きくなったなぁ」
そう言いながら涙を浮かべ始める父。
「やめてよお父さん、まだたったの14歳だよ?」
「いやもう14歳だ!それに来年からは魔法学校に通い始めるだろう?そう考えるともうおらぁ」
涙を流しながら酒を飲む手を止める事はない父、泣き上戸な父は酒を飲む時は大抵こうなる。
「もう、いつもだけどいい加減治してくれないかなぁ」
「仕方ないですよ、お兄さんいつもは仕事もあって飲めないんですから」
「やっぱそうかなぁ、それにしてもレンもだいぶ大きくなったなぁ、もう10センチも変わらないんじゃないか身長?それに頭もどんどん良くなって今や僕より頭いいもんなぁ」
そう言いながら頭を撫でる。
「そっ、それはお兄さんがちゃんと勉強しないからでしょ!」
そっぽをむいて、怒る弟、けれどそれは一種の照れ隠しだった。
「あっまたレン照れてる!そんなに頬赤くしちゃって〜」
「っ!リンからかわないでください!それに照れなんていません」
「本当に〜?」
「もう!怒りますよ!」
「まぁまぁ、私がお姉ちゃんなんだからほんとのこと言っても誰にも話さないって〜」
「一月しか変わらないでしょう!」
「まぁまぁ2人ともそんな喧嘩しないで、楽しもうよ」
「は〜い」
「お兄さんがそう言うなら」
「さてじゃあみんなでご飯食べようか!」
それから、全員で夕飯を食べていった、そして次第に夜も深まっていき。
「それじゃあ、みんなでノアにプレゼントを渡しましょうか!それじゃあまずは私たちから」
まず初めに父と母からのプレゼントを開ける。
「大きいな」
自分の身長よりは小さいけれどそれなり大きなものが包装されているのが分かる、開けてみると。
「トランク?」
開けてみると中には大きなトランクが入っていた。
「えぇあなたも来年から魔法学校の生徒なのですから、しっかりものを運べるようにトランクにしました、それに
「そのトランクは軽量化の魔法がかかっているのでその大きさでも楽に持ち運べると思いますよ」
「うん、持ってみても軽いよ、ありがとうお母さん、お父さん」
「それじゃあ次は私たちからだね、私たちからはこれを」
そう手渡されたのは細長い木の箱だった。
「これは?」
開けるとそこには長い杖が入っていた。
「それは、錬金の杖、付与魔術と錬成魔法に特化しているから探究に役立つと思うよ」
「ありがとうございます!クリスさん!」
「どういたしまして」
「それじゃあ」
「次は!」
「僕たちです!」
「次はレンとリンか!」
「はい僕たちからは、この本を」
渡されたのは手作りで作られた一冊の本。
「お兄さんも来年から魔法学校の生徒なら魔法の基礎ぐらいは覚えられるように僕たち2人で要点をまとめてみました」
「そっか〜そういえば2人とも僕より賢かったなぁ」
「そうだよ〜もうお兄ちゃんより賢いんだから!」
「ありがとう2人とも!それじゃあ最後は」
周りを見渡してユーリの方を見る。
「なっ、あんまりジロジロ見ないでよ」
「いや〜、楽しみだな〜って」
「もう!何よそれ、それじゃあはいこれ誕生日プレゼント」
手渡されたのは牛革製の手帳だった。
「毎年ありがとうユーリ!」
「別にいいわよ、それと誕生日おめでとう!」
「うん!」
その後片付けをして各自寝るために自分の部屋に戻った、そしていつものように窓際に椅子を持っていき窓から空を眺める。
「今年ももう終わりかぁそれで3ヶ月後には帝都の魔法学校に入学かぁ、あの日から10年必死に考えてみたけど結局ここまでで正体がわかることはなかったけど、来年からは魔法を使いながら考えていけるって思うと楽しみだなぁ、さてとそれじゃあそろそろ寝ようかな、明日からは色々準備しないとだし」
そうして年を超えて魔法史が動き出す998年目が始まる。
設定の都合上、西暦等を変更します正確には約498年だったものを998年にします。
過去のノリで始めた自分に説教しておきます、以後気をつけていきます。




