ダンジョンボス:闘牛王 其の四
「一体これは?」
「僕の秘技いやオリジナルの魔法といえばいいかな、隠しておくつもりだったんだけど、後輩たちがこんなに頑張ってるのに、僕が出し惜しみをしているなんてのはナンセンス、それに抑えるっていったのに迷惑をかけちゃったからね」
「わかりました先輩でもコートが無くなっているのは一体?」
「僕のオリジナル魔法“操糸盤扇”は糸を操る魔法なんだけど、制限をかけることによってその効果範囲を増幅させてるんだよ、制限の内容は、魔法の同時使用ができない、自然物、人間の加工が入っていないものは使えない、このあたりがこの魔法の制限ね」
「なんというか⋯⋯不便ですね」
「そうだね、でもいつかこの魔法は便利な魔法に変わる、時代が進み魔法の核心を掴みかけた誰かがこの魔法を誰もが使える便利な魔法に変えるさ」
「まぁ、そうですね」
「2人とも話をするのはいいけれど、まずは目の前のボスをどうにかしてからにしませんか」
「おっと失礼」
「ごめんごめん、でもここからどうしようか」
眼前にいるダンジョンボス:闘牛王は胴に多大なダメージを負い、体を押さえつける糸を振り払わんとしている。
死への恐怖がそうさせるのか勝利への渇望がそうさせるのか、心理はわからない、言葉を介さない者との交流を人はできない。
「でも流石に服の糸じゃあ限界があるみたい、結構値のはるものなんだけどね、仕方ない指揮は僕が取るよ、ノアくんは左側の観客席から魔法支援、ユーリさんは右側の観客席から適宜自己判断で攻撃を僕はここで敵の足止めと囮をする、僕が1人でできれば良かったんだけど、主力は2人、助けてもらってばっかりで悪いけど力を貸して欲しい」
『はい!』
「うん、じゃあ各自自分のベストを尽くそう、ではレイドバトル開始」
先輩の作戦をもとに自分の位置に移動する。
「支援ならユーリを補助する感じでいいかな、なら魔法で足場の作成がベストかな!」
土の魔法により常人でも超えられる、間隔で足場を生成する。
「おーい!!ユーリ、足場は適宜作ってくからなんかあったらいってねぇー!」
返事はないが、おそらくいいんだろうと思う。
「さて魔法支援、魔法支援ねぇ、この巨体だからなぁ、さっきの魔法はノリでやった上に範囲が広いから2人に当たる可能性がある、いやユーリには当たらなさそう⋯⋯それは置いといて、てなると近づいてのテスラ直伝、水魔法をぶち当てて先輩の補助かな、善は急げ早速行こう」
作った足場をジャンプしながら近づいていく反対側で有利が猛撃、正面では先輩が拘束しているから完全無防備な敵に近づいていく。
「ここまで来ると一方的というか、さっきやられかけたとはいえなんだかなぁ、何かを成すためにはその裏で必ず何かの犠牲が出るとはいっても⋯⋯なぁ」
良心がどうとかの話ではなく、極めて個人的な感覚の話。
つまり犠牲が必要な成功は果たして成功と言えるのかどうか、犠牲のある勝利は果たして勝利と言えるのか、それが敵であったとしても。
「でも僕は善者ではない、進むと決めた道を、夢見たものを、この道が業火に包まれた道だとしても、歩みを止めない、だから今は目の前の敵を、成すべきことをなすだけだ」
これが、僕の道、人類の科学の道⋯⋯うん?科学?まぁいいやそれじゃあ見様見真似だけど。
「氷結の園!」
敵の足から胴にかけての部分を凍らせる。
「ひえぇ、テスラはこんなもんをポンポン放ってんのか、恐ろしい⋯⋯」
「ノアくん!」
下側からノアを呼ぶ声。
「どうしました、先輩!」
「今から敵を倒す策を実行するから手伝って!このまま削り切ってもいいけど、流石に時間がかかる」
「了解です!」
「作戦は⋯⋯」
作戦:ダンジョンコアの奪取。




