ダンジョンボス:闘牛王 其の二
「詰まるところクソめんどくさいよいうことだよね」
「そう、クソめんどくさい」
「でも条件がある以上僕たちがこれ以上不利になることはないよね」
「それは確かね、実際私たちが身につけてるものは書き換えられていない」
「それならやることは変わらないね」
「そうね、私が敵を倒す、ノアも後方支援を、と言いたいところだけどノア杖は持ってきてるのよね?」
「もちろん、しっかりあるよ」
内ポケットから、錬金の杖を取り出す。
「ノア、錬金魔法はまだ習っていないんだったわよね?」
「少しはやったけど、テスラも錬金魔法が得意ってわけじゃないらしくて」
「少しできてるならいいわ、それじゃあ今からいうことをやってくれる?」
ユーリから作戦を聞かされる。
「うん、オッケーやってみる、でも失敗しても文句言わないでよ!」
「その時は私がノアを守ってあげるわよ!じゃあ行くわよ!!」
そうして僕たちは走り出す、目標はもちろん魔物。
ユーリは正面から、僕は右から回り込む。
「ノアを見ている余裕はないわよ!旋風!」
旋風、ノートン一刀流の技における基礎の型、無数の斬撃を絶え間なく放つことで固い岩石をも砕く技。
無数の斬撃は敵の武器を砕き、そのまま魔物を切り刻む。
「武器の材料は石と土を乱雑に固めたものみたいね、これならまだ⋯⋯」
そこに分断された三体のうち二体が突撃してくる。
「真似っこってわけね!!」
その二体の闘牛が手に持っているのは、ユーリの持つ刀を模して作られたと思われる刀。
「その武器は特性で作り出されたもの、だから人が打った刀には武器には遠く及ばない!なら魔法が介入することも可能なはず、だからお願いノア!」
「りょーかい!!」
見上げる先には上空を飛ぶノア。
「イメージは解除の魔法に近い形で、物質の書き換え、分解をするイメージ!錬金魔法“分解”!」
上空から放つ魔法はユーリを避ける角度で敵に当たったはず。
「錬金魔法は敵に向けて撃つ魔法じゃなくて手元とか最低限効果範囲がわかる位置で使う魔法だから不安だけど⋯⋯うん大丈夫そうだね」
ノアの不安が無くなるのと同時に敵の武器が崩れ去る。
その瞬間をユーリは見逃さない。
「ノートン一刀流、“一陣一閃”」
一陣一閃は敵を横方向に切り裂く型。
武器のない闘牛になすすべはなくそのまま胴を中心に体が切れ倒れる。
「さっすがユーリ!とか言ってる場合じゃないんだよね〜、またお〜ち〜る〜!!」
ノアは確かに飛んだ、しかしそれは風魔法で上空に吹き飛ばしたに近い、つまり押し上げる風がなくなれば重力によって落ちていくのは当然。
「全く、もう少し先のことを考えてから魔法を使いなさいよ」
先ほどの位置から純粋な脚力で飛んだユーリによってここに落ちてきた時と同様再びキャッチされる。
「いや〜面目ない」
「もう、とにかく次はむやみやたらに飛んだりしないでね」
「オッケー、次は風邪で垂直方向に押す感じで敵の武器を無効化するよ」
「じゃあ後、9匹、さっさと倒して、先輩を助けに行きましょう」
「うん!」




