ダンジョンボス:闘牛王 其の一
「いや〜でも条件どうこうあるとはいえ、魔法なしでこの規模の空間を出すのはすごいよねぇ」
「実際端から端までならこの都市の一つの区画を飲み込むくらいの広さがあるようだから、ある特定の範囲だったら魔法を上回る能力、効果があるのかもね」
「ま〜た考察に入ってるよ、でも実際魔法史においてこの約1000年間これといった進展はないよね、あるということだけが断定できる状態で他にダンジョンボスが特性を持っているかを断定できるほど僕ら人類は特性の問いについて解明できていない、というか実際魔法の概念もまだはっきりとわかっていないとか、ってのが教科書で習う魔法や特性についての現在の知識の限界点」
「まぁ、テスラみたいによくわかんない魔法を出す人もいますからね」
「あれはシンプルに、バカと天才は紙一重の領域でしょ」
『確かに!くふっ』
「でもまぁお話は一旦終了、今は目の前のボスをどうにかしようか」
雑談しているうちに目の前にボスが見える位置にいた。
それなりに話してたつもりだけど見た目よりこの闘技場の作りって複雑なんだな〜。
「ボスはまぁ、ユーリの予想通り牛系だったね」
「牛系、しかも物理特化の闘牛系かぁ、確か名前は闘牛王」
「にしても、デカくない?」
闘牛王の体長はノアの約四倍の700センチ、闘技場のスペースに横になったらギリ入らないくらいの体躯。
それに加え闘牛王の周りにいる個体も他と比べたら大きい個体ばかり。
「これは役割分担して各個撃破しないときつそうですね」
「そうだね〜、まぁ流石に全員が全員ダンジョンボスみたいな力は持ってないだろうし」
「それなら僕がボス、闘牛王を抑える、そのうちに2人は約10匹の魔物の撃破、その後手伝いに来て」
「わかりました、じゃあノア行きましょう」
「うん、ベリー先輩も気をつけてくださいね」
「任せといて」
二手に分かれ、ベリーはボス目掛けて接近ノアとユーリは手前左側にいる魔物を順に倒すために接近した。
「任せはしたけど先輩大丈夫かな?」
「大丈夫、とは言い切れないけど、きっと大丈夫よ、ノアもそう思ったから任せたんでしょ」
「まぁね」
ハッキリいうとベリーとノア達はあまり関わっていない、ベリーは教室には来るもののその大半は寝ていることが多い、体育の時間も隅で休んでいることが多い、だから心配にはなったのだが、あの時の背中は確かな信頼を持てるそんな背中だった。
「それに私たちが早く魔物を倒せばいいだけの話よ!」
「そうだね、早く済ませてボス戦を始めるとしよう!」
「私は前面の敵を叩くからノアは魔法で後ろ敵を倒して」
「りょーかい!!」
的確な指示をもとに配置につき魔物と交戦する。
「じゃあ土の柱を敵に当てながら、分断する感じで!土の魔法!」
魔法発動と同時に二体を巻き込む巨大な土の柱が勢いよく出てくる。
「よし、しっかり制御通りできた!後はユーリの援護した後、残りを!」
しかし、行動に移ろうとした寸前、土の柱が崩れ落ちる。
「!?どうして!?素手で壊せるような分厚さにはしてないはず!!」
「ノア」
「ユーリ!いつの間に、それより一体何が!?」
「あれを見ればわかるわ」
ユーリが指差す方向には先ほどまでユーリが戦っていたと思われる魔物、しかし最初と違い明らかに違う部分が一つ。
「武器なんて持ってたっけ」
「いいえ、落ちてきた時と同様突然現れたわ」
「だとするとこれは特性だね」
「そう、そしてその特性は」
“小さな範囲条件内の物質の書き換え”




