あれから2年
あれから2年が経ち僕、ノア・サミュエルは7歳になった。
僕の暮らすこの街はロスト帝国の辺境にあるサミュエル男爵領とノートン男爵領の丁度中央に位置している。
そしてサミュエル男爵領と言えば僕の名前と同じことからもわかるように僕は貴族として生まれて今まで育ってきた、とはいっても男爵だからそこまで土地も広くなければ経済力もそこまで高くなくて父もよく財政面で大変とよ
くいっていた、そんな僕には幼い頃から一緒に育った幼馴染が、
「ノア!入るよ!」
「どうぞ〜!」
「じゃあ失礼って!またこんなに散らかして!一回一回片付けるようにっていったのに!」
「ごめんごめんユーリ」
「もう!」
彼女の名前はユーリ・ノートン、ノートン男爵家の娘で僕の幼馴染で同じ家に住んでいるから家族みたいにいつも過ごしている。なぜ別々の男爵家が同じ屋敷に住んでいるかというと、昔から僕の父と彼女の父つまりノートン男爵が昔から仲が良く、そして互いに財政面で苦しいということから2人が協力して二つの領地を経営すると決めて今はこの一つの屋敷で二つの男爵家が協力しながら暮らしているらしい。
「今日もまた考えていたの?」
「うん!マッチがなんなのかまだわかってないしね!それに他の童話にだって気になってるのがあるのに一つ目か
らつまずいてられないよ!」
「それもそうだけど、少しは魔法の勉強もしなさいよ!貴族は原則として王都の魔法学校に行くのが決まりなんだから!」
「う〜ん、でも魔法が使えるようになるのは15歳からって決まってるでしょ、この腕輪がある限り魔法も他、エスことができないし」
そう僕たちはこの封印の腕輪の力によって生まれた時から魔法が使えない状態になっている、なんでも魔法の誤発により優秀な人材が死んでしまうのを防ぐために作られたらしい。
「仕方ないでしょ、昔魔法適正が高い子が生まれて5年もしないうちに詠唱魔法を使って一つの町が壊滅したっていう事例があるんだから!」
「それはそうだけど、いくらなんでも15歳までは長すぎない?魔力測定の儀がその時とはいえどもわざわざ15歳になる年の4月まで待たなくても良くない?」
「まぁそれもそうだけど、私たちがどうこういっても仕方ないことだし」
「それもそっかぁ、じゃあ今は魔法以外の勉強に励むしかないと」
「そうよ!帝国の歴史だったり、数学や国語だって勉強しないといけないんだから!」
「僕は数学だけなら出来る方なんだけどねぇ」
「そう言っても、まだ初期のところでしょ!!そんなに童話のことばっかりやってたら弟のレンに追い抜かれるわよ!」
「う〜ん、それはそれで仕方ないと諦めるしかないなぁ」
「諦めるしかないなぁ、じゃないわよ!全くで今はどのくらい進んだの?マッチについて」
「う〜んとね、マッチは絵柄的に木で出来てることはわかるんだけど、その先端だけ赤色になってるのが何か意味があるのかなって考えてるところ、あとその赤い部分を擦る描写もあるからやっぱりマッチの重要なところは先端部分なんだと思うんだよね!」
「もう趣味の話はイキイキしちゃって、でもまぁそこまでわかったならもう後一歩なんじゃないの?」
「それだったらいんだけどここで1年ほど詰まっておりまして」
「1年って!そこだけでそんない詰まってるの!!」
「だって、火がつく仕組みだってあんまり知られてないんだからね!みんな魔法でポンポン出して料理とかしてるけど!!」
「うっ、そこを突かれると何もいえない」
「う〜ん今は詰まってるし、別の童話でも読んで別の考えを⋯⋯」
本に手を伸ばそうとした時その手をがっしりと掴まれてしまう。
「まずは掃除をしましょうね!」
「うわ〜笑顔でそんなに怖いことってあるんだ〜」
「いいから掃除する!!」
「は〜い」
仕方なく掃除を始めて本棚に30冊近い童話の本をしまい、そして机の引き出しに今までに考えて書き込んだ紙をしまう。
「終わった〜」
「じゃあ次は勉強しましょうか」
「えぇ」
「はい!文句言わずする!」
「は、は〜い」
そのまま夜になるまでユーリ主催の勉強会が行われた。
「つ、疲れた⋯⋯」
バタンと床に倒れ込む。
「はい!今日はここまで、じゃあご飯作るの手伝ってくるからノアも下に降りてきなさいよ!」
満足げな表情を浮かべながら一階へと降りていく、ユーリを見届けて疲れに疲れた体を動かし窓辺に置かれた椅子に座る。
「今日は全然考えれなかったなぁ、でもまぁなんだかんだ楽しかったしいいかな!」
ノアもノアで満足げな笑みを浮かべながら星空を見上げる。
「それにしても月の真ん中にある黒い点はなんなんだろう?」
ノアが見上げる先その中心にある月、そのさらに中心にあるここから見たらとても小さいがそれでもはっきりと見える、その黒点は元からあったもののなんなのかいまいちわからない。
「ま、いっかまずは目の前の難題を解くところから始めよう!!」
「ノア!ご飯できたよ!」
「は〜い今行く!」




