思いもよらぬ急降下
「テスラ、今どのあたり?」
「今は七層だから後一層で最終目的地の8層に着くよ」
今回のダンジョン実習はダンジョン内の8層を目指すもので、このダンジョンの最終層に近い場所にある。
そのため学生としてはかなりの難易度のはずなのだか、ほぼテスラ1人の力だけでここまで到達している。
「そういえば魔物だいぶ減ってきたね」
「ここまできたらコアもちの近くにいることが大半だから、あとは完全なる遠足みたいなものだよねぇ」
「遠足って、そんなこと⋯⋯ん?」
テスラと話していると突然目の前が、黒い壁に変わった、かと思えば数分と経たぬうちに、目の前に広大な空間が広かった。
「えっ、これって落ちてるーーー!?」
どういう状況!?
えっとまずは風系の魔法でってそんなことしたら落下する距離が伸びるだけだし、えっと、えっと⋯⋯、うんこれは詰みってーやつかな⋯⋯。
「そんなこと考えてないで、ままどうにでもなれよ!風の魔法!!」
緊急で出したため魔力の制御がままならず、災害みたいな竜巻が出てきた。
「やっぱり、だめか〜!!」
「ノア!」
諦めていた、その時下から名前を呼ぶ声がしたと共に放った風の魔法でできた竜巻が切り裂かれ、僕は綺麗にキャッチされた。
「大丈夫!ノア!」
「ありがとう、ユーリ!」
刀で魔法を切り裂いたってのは置いといて、お姫様抱っこの状態から地面に降ろしてもらい改めて周囲の状況を見渡す。
「ユーリはここがどこだかわかる?」
「いえ、私もさっき落ちてきたばかりだからあまり詳しいことはわからないけど、落ちてくる時に見えたのは、ここから先に"闘技場"のようなものが見えた」
「闘技場?」
「えぇ、しかもこの町にあるものと酷似していた」
「つまりここがこんなに広いのは」
「魔物の"特性"によるものと考えて良さそうね」
ほとんどの魔物は魔法を使うことはできない、それは魔物が魔法に当てられた生物であり、体を保つのに魔力が常に必要だからである、しかしそんな魔物の中に稀に特性を持つものがいる、遺伝などではなく一種の突然変異により誕生した魔物。
そしてダンジョン内に限り適応されるコア持ちは、必ず特性を手に入れるという法則がある。
「となると、ここから出るにはコア持ちを倒して特性を解除するしかなさそうだね」
「そうね、後言い忘れてだんだけど後1人、私たちと同じで落ちてきた人がいるわ」
「どこに?」
「確か、闘技場にかなり近い位置だった気がするのだけれど」
ボンッ!と、言っていた方向で衝撃音と共に砂煙が上がる。
「これは、これは」
「急いだ方が良さそうね!」
状況をイマイチ掴みきれないが、とにかく今は爆発の起こった方向へ向かう。




