ライパチの俺がプロで2000本安打を打つまでの軌跡 後編
「帝都シニア出身!希望ポジションは外野手!よろしくお願いします!」
パチパチパチ
カズヤは一般入部を受け付けている東東京の強豪の双森学舎大附属に入学した、私立で余裕があるわけでは無かったが元々成績自体は良く特待生として学費を免除してもらえた。
「一般入部とか冷やかしか?」
「コイツ帝城のキングと同じシニアだろ?一人だけ推薦貰えなかったのか?」
「カワイソー3年間球拾いかー」
外野の雑音はどうでも良い俺は奴らを見返すためバットを降り続けノックを受け続けた。
「帝都シニアの人だよね?私マネージャーの佐竹愛よろしくね」
「よろしく、シニア知ってるとか野球詳しいの?」
「うん弱いとこだったけど徳田シニアで外野やってたんだ~上手い人いるなぁ~って気になってたんだよね」
「ありがとな、初めて褒められた気がするよ」
シニアでは罵倒や人格否定ばかりで評価される事なんか無かったカズヤは涙が溢れそうになった。
「ちょっと泣かないでよ!私が泣かせてるみたいじゃん!」
「ごめんごめん、あんま褒められたこと少ないからさ」
同じ一般クラスだった二人は自然と交際を始めていた、夏ごろにはクラスメイト周知の事となる。
そして今代の3年生は準決勝で国生園高校に敗れ甲子園を逃す、その後帝城も破り国生園が久しぶりの夏出場を果たす。
そして秋の大会、新体制になりカズヤはベンチ入りを果たす、外野は2年生が3つとも努めているが守備に関しては自分の方が上だと自負していた。
「あとはバッティングさえ上回れればレギュラーなんだが···」
「おーゴミ!またスターティングベンチかよ」
「あんたって本当変わらないよねw」
目障りな奴らが来たと思った、次の対戦相手は準々決勝で帝城だ国生園は流石に夏のダメージが大きく早期に敗退した。
「無視してんじゃねーぞゴミが!」
「カズヤ~集合時···って何なんですか!?あなた達!」
「ごめん愛、今行くよ」
「何だこのブス!俺様に気安く話しかけんな!」
「コイツ徳田とか言う雑魚シニアにいた奴じゃんゴミ同士お似合いねぇ~」ニタァ
醜悪な笑みを浮かべるミコト、こんな奴を好きだったとは···
「フラれてすぐに乗り替えるたぁーとんだ節操無しだな」
お前にだけは言われたくないと思った、そもそも結構経ってるけどな?とも
「···監督カンカンだよ!早く行こ!」
「マジかよ!?ヤベーな」
相手にしたら負けだ、俺達はすぐに集合場所へ向かった。
そして試合開始やはり新エースのキングを打ち崩せずにいた、こちらのエースは連投の疲れで4回5失点ノックアウト二番手にスイッチ。
「カズヤ、準備しろ」
「はい!」
ついに来た!絶対に打つ!とカズヤは全神経を集中させる。
「選手の交代をお知らせしますバッター···」
「はっ?ゴミを代打って試合捨てたのかしら?」
「頭イカれたか双森の監督?まぁいいぶっ殺してやるよカズヤぁ」
初球打ち!うちかえされた打球はキングを強襲する!
「ぐえー!」
全力疾走、倒れたキングと内野手が交錯し処理をもたつく間に一塁到達そしてパニックによる悪送球でファーストが取れずその間に三塁へ。
ここで二番手を代え代打の剛田、見事なタイムリーで1点を返す!チームメイトに歓迎されるカズヤそしてベンチにいる愛にグーサイン。
その後勢いが爆発した双森打線は一気に5点を奪い逆転帝城を下す、がその後の石大三高戦でヘトヘトの投手陣が崩れ大敗しベスト4敗退となった。
その後背番号レギュラーは一度白紙となりシーズンオフ、地獄の冬合宿を経て春に新1年生も入れ2度目の夏···
「東東京大会決勝戦、伝統の帝城対双森学舎の一戦9回まで帝城エースの馬飼くんと双森投手陣の好投で0がスコアボードに並びます!」
「ツーアウトでランナー2塁で迎えるは8番···」
「カズヤー!打ってー!」
愛の声援が聞こえるここで打たなきゃ男じゃねぇ、とカズヤが振ったバットはキングの失投を見逃さず二遊間を抜け2塁ランナーは帰還する
「ゲームセット!」
「試合終了です!双森学舎4年ぶりの夏の甲子園出場を決めました!」
歓喜に溢れるチームメイトにスタンド監督とコーチが抱き合う、愛は嬉し涙の大号泣だ。
一番喜んでたのは理事長と校長だったが···
「うそだろ?···」
絶望に染まる帝城サイド、エースのキングは2度も見下していた者に敗れプライドがズタズタに引き裂かれていた。
その後本大会は初戦で敗れるも新体制で主将に任命され4番を任される事になる。
その後甲子園優勝したりプロになって伝説を残したり愛と結婚したりするけどそれらまた未来のお話。
おしまい
すみません、設定間違えて短編にしてしまいました。流石にプロ編まで書く体力は無かったため次の機会に、ちなみに帝城は翌年夏は初戦でキングがボコボコに打たれ敗退しフェードアウトします。