表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

第2話 救護

「よし、着いたな。」

エアロが隠れの地下室に入ってから数分経った頃。エアロは汚れているセルをおんぶして地上へと脱出した。

「セル、何か身体や具合に異常があるか?」

「いえ、エアロさんが回復魔法をかけていただいたので大丈夫です。」

エアロはセルを運び込む前に回復魔法をセルにかけ、傷や痛みなど修復していた。

地上はほんのりと明るく、遠くの山から薄っすらと日の光が差し込んでいた。朝日が昇ってきたのだ。

「もう朝になったか、早いものだ。」

「あの…質問しても……いいですか?」

「なんだ?」

セルが話しかけてきたので、すかさずエアロは反応する。セルは浮かない顔をしていた。

「あの、エアロさんって第6王子だと仰ったじゃないですか。」

「ああ。」

「この世界って王子様って何人いるんですか?」

「うーん、それを言うには長くなる。それでもいいか?」

「大丈夫です。」

その後、エアロはセルにこの世界の状態について10分ほど歩きながら話し出した。

エアロの話をまとめると、この世界『ファリャ・キャラミア国』と呼ばれており、多種多様な人種が住んでいる。『ファリャ・キャラミア国』はこの世界で神との連携がある世界に一つだけしかない特別な王国なのである。その為、王都内を安全に暮らしてもらうため、この国の城には神と同じ能力と地位、称号を持った10人の王がこの世界を支えている。「炎」,「水」,「植物」,「雷」,「風」,「獣」,「闇」,「土」,「香」,「星」この10種類だ。

その中でエアロは第6番目の『獣の王』としてこの国を守っているという。

「なるほど、それって貴族の中で生まれたものしか持つことができないのですか?」

「いや、そうとは限らない。元がただの一般庶民だったというものもいる。その一例が、俺だからな。」

「そうなんですか!」

そう、俺は昔ただの森で暮らしていた身分が地面に着く程の庶民だった。どうして王になろうとしたのか、それはいつか話すことになるだろう。

********************************************

城下町『ファリャ・キャラミア国付属サステイナキャンパス』。

我ら『ファリャ・キャラミア国』公式の城下町だ。この世界で1番の人口と人気を誇る城下町だ。ありとあらゆる人種の人たちが集まり、賑わいを持つ場所で知っている人は誰1人もいないほど。そんな城下町の入り口にエアロとセルは着いた。

「降ろすぞ。」

「はい。」

セルを無事に降ろすと、エアロは入口から城下町を見渡した。

「ここまでついたのなら後は問題ないな。じゃあ、ここでお別れだ。」

「待ってください!!」

エアロが別れの声を発すると大きな声を出しながらセルはエアロの装備を握りしめた。その声にエアロはビクッとしてしまうほどだった。

「エアロさんはとてもいい人です。奴隷である僕を救い出し、回復させていただけた後街にまで僕をおんぶさせていただけた。ありがたいしかありません。ですが、もう一度だけわがまましてもいいですか?」

「……なんだ?」

エアロは真剣のまなざしでセルを見る。セルも強い表情をしていた。

「僕をエアロさんの仲間にしてもらってもいいですか?」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ