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鬼姫の曼珠沙華 ─濡烏の章─  作者: 紫木 千
第二章『頭領争奪編』
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【序章】

「頭領、大変でございます!」


 鬼神の頭領、二代目睦月の元に、急ぎの報せが入った。無理やり妻として迎えられた鈴紅をそばに置き、頭領は気だるそうに眉をひそめる。


「何だ、騒々しい 」

「御屋敷のすぐ近くに、し、城が建っております!!!」

「は?」


 訳の分からぬ情報に頭領は機嫌の悪そうな声を発し、報せを持ってきた家臣を睨みつけた。


「身に覚えのない城にございます! 気づいた時には、建っていて……うっ!」


 頭領は家臣を押しのけ、ずかずかと大股で歩き出す。しかし、ピタリと止まると、鈴紅に視線を向けて鋭い声で呼んだ。


「お前も来い」

「はい……」


 逆らったら何をされるか分からない。鈴紅はここしばらくの間、頭領に従順だ。命令されれば返事をしてすぐに行動に移すのだ。鈴紅を妻という立場でそばに縛り付け、便利な道具のように扱う頭領の思惑どうりとなった。



 外に出た頭領夫婦は周囲に起きている異常事態に息を呑んだ。多くの妖たちが驚愕の表情を浮かべて、同じ方向を見つめている。

 家臣が言った通り、白を基調とした大きな城が聳え立っているのだ。あんなの、昨日まで全く気が付かなかった。


「練清…!!」


 頭領は顔を顰めて、憎き甥の名前を呼んだ。

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