紫、拗ねる
少ないです。
ホントに少ないです。
「さって、やるか」
蒼輝はそう言い、準備体操を始める。
「切り替えしが早いわね」
紫は純粋にそう思った。紫なら「めんどうな事になったわ」と言いつつ、胡散臭い笑みを浮かべているところである。
それを理解した萃香は
「・・・・・・・・・(ズササ」
かなり引いていた。
「紫、どうしたんだい?調子が悪いのかい?」
「・・・ねぇ萃香。そんなに引くことないんじゃない?」
それもそのはず、萃香は10mは離れているのである。
「いや。私はそんな紫は一度も見たことないぞ」
ビキッ………
「さすがに怒っていいわよね……!」
「まぁまぁ、落ちつけって紫」
そう言い蒼輝がなだめる。
「ペースを持っていかれるな。不利になるぞ」
「うぐ……」
いつも紫がやっている事なので言い返せない。
「そろそろ始めたいんだが」
しびれを切らした勇儀が言った。
「おっと、ゴメンよ勇儀」
「……フンッ」
が、紫は拗ねていた。いつもの胡散臭い紫はなく、純粋に拗ねている紫がいた。
「はぁ……おい、紫。これ持ってろ」
そう言って蒼輝は腰に差していた刀を紫に投げる。
「え?…はわっ!ち、ちょっといきなり投げないでよ!」
刀を投げられ、抗議する紫だが
「よし、やるか」
蒼輝は無視した。
「ちょっと、無視しない………で………よ………」
紫が感じたのは霊力。それも馬鹿でかい霊力だった。それを発しているのは…
「蒼輝!?」
蒼輝である。
「………」
あまりの事にすい香も絶句している。
「へぇ…面白いじゃないか」
勇儀は不敵に笑う。
「まずは自己紹介といこうか!
私は『力の勇儀』こと星熊勇儀!」
「『迅速の蒼輝』こと伊吹蒼輝!………ってすい香に言えっていわれた(ボソッ」
どうやら言えと言われていたらしい。それで言う蒼輝も蒼輝だが。
「いざ」
「尋常に」
「「参る!」」
火蓋な切って落とされた。
~一方その頃~
「お、兄、ちゃんは、私の、もん、だ!」
「そ、れは、こっ、ちの、セ、リフ、だ!」
藍と妹紅は戦っていた。
蒼輝を巡っての低レベルのとっくみ合いである。
いや~VS勇儀にしようと思ったんだけどさ、中途半端になるから持ち越しで。