第十八話 「心の闇・闇の心」
ユウタはいったいどうなるんだ!?
「うっ………あれ?ここは、皆は!?」
ユウタは目を覚めたがその風景は見たことの無い光景だった。それは当たりが真っ暗だった。
「おぅお〜お目覚めだな〜〜!」
ユウタはその声の方に向くがいきなりひとつの武器が投げつけられた。しかしユウタはその武器を見て大きく目を見開いた。
それは、自分の記憶が戻るまで使っていた剣だった。そしてひとつの少年が表れた投げた武器を拾い持った。
「お前は誰だ!それに、なんでお前がその剣を持っている!?」
ユウタは力強く言ったが、少年は応えもせずユウタに飛びかかった。
ユウタは素早く装備を着けて攻撃を受け止め、強い鍔迫り合いになった。
「答えるつもりは無いか。なら…先ずはお前の正体を知るまでだ!!」
「そんなに俺の正体が知りたいのか?知ってもお前は俺に負ける。」
「何だと!?」
二人は間合いを離してユウタは剣に炎を纏い、少年は雷を纏った。
(雷っ!?しかもあれは!)
[サンダーブレイド!!]
[ファイヤースマッシュ!]
2つの攻撃は激しくぶつかり合い大きな爆発が起こった。「何でお前がその剣にあの技を使えるんだ!お前はいったい!?」
「全くしつこい奴だな」
「なら俺が直接に!」
ユウタは少年に向かって走り出した。
少年はそれに対抗する攻撃を続けるが、ユウタは必死に攻撃を避け続け少年の腕を掴み自分の顔の前まで近づけた。
「てめぇの正体って…………そんな…嘘だろ」
ユウタは信じられない顔をしていた。彼が見た少年の顔が
「俺にそっくりだ……」
正にユウタの顔にそっくりだったが、少し雰囲気が違った。
「何で俺にそっくり何だよ…」
「ちっ……そっくりじゃなく、俺は[お前]なんだよ。[過去]のな」
「過去………?まさかお前は!?」
「はぁ〜〜〜あ、そうだよ俺は[ソラ]だ」
「何で、何でお前が!」
「それはコッチの台詞だ!お前が喰らった呪印なんかのせいで、俺を目覚めさせたんだよ。 まぁ良いし俺がお前を倒してまた俺を取り戻したら、結果オーライだからな!」
「そんな事はさせない!自分のことは自分で貫き通すから。」
「全く威勢だけは強いな!」
「お互い様だ!!」
お互いに段々距離を縮め、大きく突撃をした。
一方その頃、メビューサを倒したしおん達は船に帰還する途中だったが
「あんた達!そこを退いて、早くしないとユウタ君の身に」
しおん達の行く先にギール、バンパイヤにミラが待ちかねていた。
「それは、無理な相談だな〜〜俺達はおまえ達を足止めしろと言われているからな」
ギールは武器を構えた。
「やるしか無いのね。それにミラ………じゃなくてミキさん、私はアナタに聞きたいことは沢山有るから!」
「そうです!私もなんでアナタがカオスと手を組んだのか知りたいです!」
しおんに続けてサキもミラに聞いたが
「違う………私は[ミキ]じゃない!私の名は[ミラ]だ!!」
ユウタとソラは激戦を行っているが、状況はユウタの方が不利になっている。
「何で攻撃が通らないんだ!」
ユウタは幾つかの攻撃をしたがソラの剣で凪らった。
「今のお前は俺にも勝てない!決まったも同然だ!」
「そんなの自分で決める!」
「無理だ。今のお前はどこかに自分に弱音を吐いている。何も出来ない事にな」
「何だと!?」ユウタはソラの言葉に動揺した。
「俺には分かるよ。臆病な心を持ったお前を!だから俺はお前に替わってやる。もう何も考える事は無いんだ。」
すると、ユウタの足下から吸い込まれた感覚ができた。
それは、何もなかった地面から沼の様に体が飲み込まれていく
「くっ…………ソラ」
「何も考えるな。後は俺に任せろ。」
ソラの言葉が最後にユウタの姿は無くなってしまっていた。
「ここからは俺の出番だな」
しおん達の戦いは続いていた。
状況はしおん達が防戦一方だった。
「こいつら、前回より強くなっている」
かずしは距離を離しながら撃つがバンパイヤは意図も軽々と避け、かずしの距離を縮める。
「かずし!」しおんはかずしの危険を感じ叫んだ。
「お前は俺に集中していろ!」
ギールの攻撃にしおんは防ぎれず、大きく飛ばさた。
「しおんさん!!」
サキは飛ばされたしおんの姿に目を追った。
「よそ見しないで!」
「そう簡単には」
サキは魔法陣を発動した。
[シャワーロック]
ミラの頭上から雨のような岩を振り落とし、何とか距離を離せた。
「もう流石にコッチが不利になっている。」
「そうね。このまま続いたら、体の方が保たないよ。」
「どうしますか!?」
「なら執っとこ消えろ!」
「なら、お前が消えろよ。ギール!」
その言葉に六人は振り返った。
その先には段々と一人の少年の姿が見えてきた。
「ほう、呪印から目覚めたんだな。………ユウタ」
そう現れた少年はユウタだった。しかしかずし達はユウタの表情に疑惑を感じた。
「ユウタ………いやあれは…」
「かずし、あなたも同じ事を考えていると思うよ。やっぱり………あれは私達が知っているユウタじゃない!」
「私もそう思います。彼から何か感じます。漂わない何かが」
かずし達の言葉を聞いたギールは再びユウタのほうを見た。
「確かにあれは奴じゃ無い……あれは?」
「ギール、バンパイヤにミキか……なら先ずはバンパイヤ!お前が最初だ!」
「こさゃくなガキが!」
しかし次の瞬間ユウタの姿が無かった。
築いた時にはバンパイヤの目の前にユウタの姿があった。
ユウタは右手の拳を握りしめバンパイヤと共に地面に叩き込んだ。
その光景に他の人はただ呆然に見ていた。
バンパイヤは必死に起き上がろうとするが頭を踏みつけられた。
「どうしたんだ?バンパイヤ、腕が落ちたのか?」
「貴様は…………っ!!」
バンパイヤはユウタの瞳を見た。それはどこかで見たことのある瞳だった。
「まさか………貴様は!?」
「そうだよ。久しぶりだな〜地獄から舞い戻ってきたよ。今の俺は[ソラ]だ!!」
ユウタから体を乗っ取ったソラはバンパイヤを攻撃し始めた。
しかし、かずし達は必死にユウタの心を助けようとするが
次回第十九話
「決断…」
かずし「いい加減自分を取り戻せ!ユウタ!!」