表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

不要な器官

作者: 寒がり


 突然激痛が走った。

 今までに経験のない痛みだ。これはいけないと救急車を呼ぶが、そこで意識が途絶える。


 目が覚めると病院だった。

 医者はしばらく私の身体を調べていたが、原因が分かったようで手を止め話し始める。


「ああ、コレはアレだネェ」

「アレ……とは?」

「ある器官が酷く炎症を起こしている。切除するが良いかね?」


 切除と言ったか?そんな乱暴な。

 いくら炎症を起こしているとはいえ、いきなり切除とは。


「ああ、心配するな。特に必要な器官でもないのだ。切除しても長生きしている人がたくさんいるからね」

「不要なのでしたらぜひやってください、先生」

「うむ、分かった」


 手術にそれほど時間は掛からなかった。

 術後は先ほどまでの痛みが嘘のようで、心なしかさっぱりした気分だった。


「どうもありがとうございました」

「うむ。一応、経過を見たいので1週間後にまた来るように」


※※※


「それにしても、一体なぜ我々の体には、このような器官が備わっているのだろうな。特に何の仕事もしないのにエネルギーだけは喰らい、ときたま炎症で激痛を引き起こすだけの器官が」


 医者は金属の腕で、先程摘出した器官を焼却装置に投げ入れる。彼らアンドロイドにとって不要な「人間」と呼ばれる小さな人型の臓器を———。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ