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第12話

家に着いた頃には、もう陽はほとんど落ちていた。今日は半分くらい移動に時間使ったけど、それにしては色々やった気がする。

「食器ってこれで良い?」

「うん、ありがとう。あとお茶碗も人数分出しておいてもらえるかしら」

「茶碗?カレーだけじゃなかったっけ。」

「有り合わせの具材だけど、スープを作ってみたの。余らせちゃっても勿体無いし…。」

そう聞いてカレーの横にある鍋を覗いてみると、とても美味しそうなスープが入っていた。それ用の材料なんて一切買ってきてないのに…。見事としか言いようがない。

「俺の分大盛りで頼むわ!」

「ふっ、なら俺は特盛だッ!」

リビングのテーブルで卓球をしている2人。この家に卓球の道具なんて置いてたのか…?

「ちょっとは手伝ってよ~!さもないと、鏡花ブチ切れるよ?」

「おーい、できたぞ2人とも」

夕食の準備が整い、それぞれ席について、手を合わせる。

「うめぇー!やっぱカレーに限るわ!」

「ほとんど任せっきりになっちゃってごめん、鏡花」

「ううん、気にしないで。」

「綾寧も、ありがとうな」

さっきキッチンに行った時、綾寧が指に絆創膏を貼っているところを見た。それも1枚や2枚じゃない。慣れないなりに努力したであろうことが、簡単に見て取れた。

「いやいや、あたしは大して何もしてないって!………でも、ありがと」

「ふふっ、そういうところよね、本当に。」

「…?どういうこと?」

「ところでよ、食べ終わったらなんかしようぜ!まだ寝るには早いしな!」

「それなら俺に任せてくれ。とっておきを、用意してきたッ…!」

今も部屋の隅っこで存在感を放っている、翔の大荷物…。いよいよお披露目か。




「「ご馳走様でした!」」


あっという間にカレーもスープも売り切れることになった。

僕は普段、どちらかというと少食寄りなんだけど、今日は珍しく2回もおかわりをした。

「かなり多めに作っておいて正解だったわ。」

「いやー、マジで美味かったぞ!冗談抜きで店出せるレベルだった!」

「さ、片付けはしっかり手伝ってもらうからね!」

食器を洗う係、拭いて棚に戻す係…といったように、役割を分担して進めていく。

その甲斐もあって、ものの10分くらいで全て片付け終わった。

「さあ、いよいよだな。今夜のメインイベントはこれだッ!」

自信に満ち溢れているような様子で袋から取り出したのは……、特大の人生ゲームだった。

「やたらでけえカバンかと思ったら、これが入ってたのかよ!」

「人生ゲーム…。こういうパーティーゲームなんて、今までしたことがなかったわ。」

「普通にやるだけじゃ味気がない。ビリのやつは……、罰ゲームとして、肝試しの時に1人で行ってもらうぞッ!」

思っていたより重めな罰ゲームだった。これは負けるわけにはいかない…。






そこから約1時間。最下位になってしまったのは……言い出しっぺの翔だった。

「なぜ……だ……」

出だしこそ順調だったものの、中盤から不幸の連続で、気が付いたら借金まみれになっていた。

「あっはははは!借金1000万円なんて見たことないよ!」

「寿司ハンバーガー屋なんて成功するわけないっつーの!」

ゲーム内のイベントマスで、ビジネスを始めたり宝くじを買ったりしていたけど、ことごとく失敗していた。正直言って、面白すぎた。

そうこうしている間に、夜も深まってきている。

明日からのことも考えると、そろそろ寝る準備を始めた方が良いだろう。

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